スタートレック・ヴォイジャーというSFテレビドラマが好きで、Netflixで全7シーズン・171話を何回も多分数回以上見ました。最後の2回か3回は全て吹き替えではなく英語のままです。そこで初めて気づいたのが登場人物(ヴォイジャーのクルー)の肯定・否定を表すセリフのaffirmativeとnegative。これらはyesやnoと違うのか、会話で使えるか?といった話です。
劇中のaffirmativeとnegativeの例
スタートレック ヴォイジャー (シーズン2 エピソード3 ホログラムの冒頭部分)
緊急医療用ホログラム(EMH)のドクターが自動的に起動されたところ。ヴォイジャー艦内は無人となっている様子でEMHのドクターとコンピューターの会話
Doctor: You mean, the ship’s empty?
Computer: Affirmative.
Doctor: What is the crew’s current location?
Computer: Unknown.
Doctor: Did they go on shore leave? Are they dead? What?
Computer: That information is not available.
Doctor: Can you give me a ship’s status report?
Computer: Affirmative.
(Star Trek: Voyager, Season 2 Episode 3 Projections)
スタートレック ヴォイジャー (シーズン1 エピソード11 英雄伝説)
ヴォイジャーに入り込んでしまった光子エネルギー生命体が船内に意図せず放たれてしまった直後の機関部でのトレス中尉とパリス中尉、コミュニケーター越しのジェーンウェイ艦長との会話。
Torres: It seems to have a neural net, and it’s demonstrating signs of intelligent behavior.
Paris: It’s cutting its way through the ship, heading for the outer hull. It’ll breach in about fifteen second.
Janeway: Are there any critical systems in its path?
Paris: Negative.
Janeway: Then let it go.
(Star Trek: Voyager, Season 1 Episode 11 Heroes and Demons)
ぶっちゃけ、affermative = yes、negative = no の意味です。
affirmativeとnegativeが使われる理由
affirmativeとnegativeは劇中だけではなく、航空関係や軍(自衛隊は日本語ですが…)、国際宇宙ステーションなどでは普通に使われているようです。
日常会話では、誰もが普通にyesとnoを使いますし、それは間違いでもなんでもありません。
しかし、聞き間違いが命取りになるような状況では短い一言のyesやnoは使いません。
このPRESIDENT Onlineの記事にあるように、無線通信はノイズが混入しやすく、yesやnoではノイズに埋もれる可能性が高いので、わざわざ長めのaffirmativeとnegativeを用いると宇宙飛行士の山﨑直子さんがおっしゃっています。
日常で使うのか?
こうした宇宙飛行士やパイロット、軍での会話でしかaffirmativeとnegativeは使わないのかというとそんなことはありません。
Affermative
肯定をあらわすaffermativeと類語でみなさんよく知っているpositiveがあります。
affirmative, adj., n., & int.
Asserting that a fact is as stated or perceived; declaring what exists; expressing a positive response.
(出典:Oxford English Dictionary, https://www.oed.com)
positive, adj. & n.
Consisting in, characterized by, or expressing the presence or possession of a feature or quality, rather than its absence; of an affirmative nature.
(出典:Oxford English Dictionary, https://www.oed.com)
定義としてpositiveのほうが広く単なる肯定だけではなく楽観的なことや高揚させるような意味合いで使うことが多いでしょう。
“Positive Lifestyle” というのもその例の一つで、前向きにいきいきと人生を生きるようなことを表します。
一方affirmativeは肯定を表す狭い意味合いの表現で、スタートレックの例にあるように質問に対する回答で強いyesの意味となります。
positiveは日常的に出現する単語ですので普通に肯定の意味で使って問題ありませんが、affirmativeとはあまり言わないかと思います。ってか、聞いたことないかも。
硬いオフィシャルな会議の場で、賛成か反対かの意見を求められたときに、自分として全く問題なく賛成であれば “Affirmative.” と答えることはあるかもしれませんが、友人に食事に誘われてaffirmativeとはまず言わないでしょう。言ってもいいですが、相手はかなり当惑するかも(笑)。
同意を簡単にいうのであれば柔らかに”I’m postive on it.”とかでいいかも、と個人的には思います。
Negative
affirmativeに比べると、negativeのほうはまだ日常で使うと思います。
ただし普段の会話では、noに比べて強い否定のニュアンスとなりますので注意が必要です。
「絶対ヤダ!」的なニュアンスを含み、”No, negative”とNoを前につけることで、「絶対やだ、断る!」のようなニュアンスになります。
会話の応答では強いぶっきらぼうな断定の否定になるので注意は必要かもしれません。
男女関係で、一旦別れたのにまた関係復活を求められて断る時(笑)
Man: We can start over our relationship again, right?
Woman: No! Negative”
男: 俺たちやり直せるだろう!
女: 絶対嫌よ!
否定ではなく検査結果を知らせるのであれば普通に使うでしょう・
The result of your blood test is negative.
血液検査の結果は陰性です。
この 場合は「陰性」という意味ですね。
大抵の場合は胸を撫で下ろすシーンです。
取引先の反応が芳しくないことを上司に報告する場合にも使えます。
The client gave us a negative response.
取引先の反応は芳しくありませんでした。
ああ、商談が…..冗談になる….。
というわけで今回は珍しく英語ネタでした。
Why don’t we have positive prospect on the life?