スマホ全盛でもデジタルカメラ(特にレンズ交換式デジタル一眼)でないと撮れない写真・シチュエーションは多くあり購入を検討する人も多いでしょう。デジタル一眼は決して安くないので、新品を買うか中古品を買うかで迷う人もいるでしょう。中古に手を出す前に知っておいた方が良いことがあります。
中古デジタルカメラのメリットとデメリットと結論
メリット
- カメラ専門店の中古では、新品より10〜20%程度安く買えます。
- 生産終了となって新品は買えない銘機でも入手可能な場合もあります。
デメリット
- 付属品や元箱が欠落している場合も多くあります(これは事前に確認可能である)。
- シャッターなど寿命のあるメカ部分が多少なりとも劣化している可能性があります。特にシャッターは一般向けモデルでは5〜10万回程度と言われています。シャッター回数を知ることができるカメラもありますが、そうでないカメラも多いので中古店の情報としては開示されてません。
- メーカーの保証(通常は購入後1年間)がなく、購入直後の故障でも修理費用がかかります。中古でも半年とか1年の店舗独自保証を提供している中古店もあります。カメラの修理費用は思った以上に高のです。下手すると新品を買ったほうが安かった!ということになる場合も大いにあり得ます。
- 10〜20%は安くなるとはいえ、逆に言えばその程度の価格差です。新品価格によるがボディ価格十数万円程度であれば新品のほうが間違いなく安心度が高でしょう。購入後1年以内に故障すれば、前述のとおり合計費用は新品の方が安いことにもなりかねません。安くなる10%ってヨドバシカメラやビックカメラのポイント還元の額と同じ程度しかありません。
- 激安の中古はパーツ取りのジャンク狙いでない限りメリット皆無です。
結論
中古デジタルカメラを買うメリットはほとんど無いといっても過言ではありません。
最大かつほぼ唯一のメリットは10%〜20%程度安くなるだけです。
購入後の不具合は店舗独自保証がない限り有償修理となります。カメラの修理費用は想像よりずっと高く、10%程度安くなっても吹っ飛んでしまう可能性が高いです。新品ではないので故障するリスクも中古の方が高くなります。
特に一眼に不慣れな初心者にもお勧めできません。初心者こそまずはエントリーモデルの新品で慣れたほうが良いでしょう。
数少ない中古ならではのメリットは製造終了した銘機を買えるくらいです。
それでも中古購入を検討したいという方のために購入ルートについても検討してみましょう。
中古を買うルートごとのメリットとデメリット
カメラ専門店の中古
ちゃんと専門技術者がチェックして販売しているカメラ専門店の中古は安全度が高いルート。どうしても中古を買いたいのならば、信頼できるカメラ専門店の中古をお勧めします。
メリット
- 専門技術者によるチェックやメンテナンス済みの商品を選ぶことができる。
- 中古であってもお店独自の保証(半年とか1年)が付いている店がある。
- 店頭で購入できる店では実機を自分の目でと手で確認でき、詳しい係員に質問することもできる。
デメリット
- 中古とはいえ信頼できるお店の程度が良いものほどやや価格高め。
お店選びのポイント
カメラ専門の中古店で買うときは、できるだけ店頭で実機を確認して買いましょう。
必ず半年〜1年の店独自の保証がある(修理代をカバーしてくれる)店で買いましょう。たとえそれば何千円かの有償サービスであってもケチってはいけません。
筆者も何度か中古ミラーレスや中古コンデジを買いましたが、利用したのはキタムラやマップカメラです。キタムラは全国の中古在庫を取り寄せできますが、マップカメラは新宿のみでそれ以外の地域は通販です。
ネット通販で買うときは、当該商品(同型の他商品ではなく販売する中古カメラそのものの)の写真が十数枚以上掲載されて、拡大機能で細部まで拡大できるような通販業者がよいでしょう。実機写真数枚以下のところはやめた方が無難です。
個人的なお勧め中古カメラ店(広告にあらず)
筆者がこれまで幾度か中古カメラを買って、とても良いとおもっているのがマップカメラです。実店舗は新宿にありますので足が運べるならぜひ尋ねてみて欲しいところ。
以下のCAMERA fanの記事は一読の価値があります。
各機種についてスタッフによる実写とコメントがブログ形式で掲載されています。
販売店スタッフなので、ネガティブことは書かれませんが、それでも大いに参考になります。
ネットオークションやネットフリマ
メリット
- かなり運が良ければ程度の良いものを安くで買えることがある「かも」しれない。
デメリット
- 正常動作といいつつ実は不良品をつかまされるリスクがある。
- サイト掲載の外観写真は綺麗なものでも送られてくるカメラの中身が本当に正常かどうかわからない。
- 専門技術者の品質確認がないため、動作不良・レンズゴミ・センサーゴミ・ファインダーゴミなどがあるものに当たる可能性がある。これらは出品者に悪意がなく気づかないだけの場合もある。
- 故障してもメーカー保証がなく修理は有償になり、修理代を入れるとトータルでは新品を買う方が安くなる場合もありうる
- 保管環境がわからないためレンズにカビが生えていることがある。
- ギャンブルなので外した時には丸々損する覚悟が絶対に必要。
友人や知人から譲渡
一見良さそうですが状況によっては人間関係にひびが入るリスクもあるルートです。
メリット
- どういう人が使っていたのか、使用状況や保管状況がよくわかる。
- メーカー保証期間内であれば、保証書ごと譲り受けることができる。
- 実機を元の所有者立ち会いのもとで確かめることができる。
デメリット
- よく知る間なのでシビアな価格交渉がやりにくい。
- 外れ中古だった時に人間関係に悪影響を与える可能性がある。
中古は避けた方がよいであろう人
以上のようなメリット・デメリットから中古は避けた方がよいであろう人の像が浮かび上がります。
ミラーレス一眼初心者
経験が浅いため、実物が目の前にあったとしても良し悪しを見分けるポイントがわからず、はずれを掴んでしまう可能性があるし、値段だけで買ってしまいハズレを引いてしまう可能性が高いです。
なんか変?と思った時も、自分の知識がないがための現象なのか、故障や不具合なのかの区別がつかない場合もあります。
一円でも安く上げたいだけの人
無理して中古デジタルカメラを買うより、同じメーカーのシリーズで狙っているモデルの1段階下のレベルの新品を買うべきです。中古は「安物買いの銭失い」になる可能性が高いです。
待てるならば急がずに、新品が買えるだけの予算を確保してから新品を買った方が良いでしょう。
欲しい機種が決まっていない人
なんとなくデジタル一眼が欲しいけど安く上げたい…と思って中古に手を出すとしくじる可能性が高いです。
欲しい機種が決まっていないということは、どういう機能・性能が必要かわかっていないということです。使っていくうちに、不便に感じるところが新しい機種では備わっていることもあり後悔するかもしれません。
エントリークラスのデジタル一眼を買って使い込んで、自分に必要な性能や機能を絞ってゆくと良いです。
例えば室内撮影しかしないのに防塵防滴とかほぼ無意味ですし、三脚固定撮影がほとんど(物撮り)であれば手ぶれ補正もなくてもいいかもしれません。
メインカメラとして使いたい人
かつての憧れの銘機を手に入れたいというケース以外は、中古カメラを充てるのはサブカメラにした方が良いでしょう。
メインカメラとしてはやはり自分的に選びに選んだ新品のカメラを使うべきです。
サブカメラであれば、故障しても替えがききますから中古カメラ店の店頭で見定めた中古でも良いと思います。
中古を選択肢に入れていい人
- サブカメラとして品質の良い中古を少しでも安く買いたい人
- 生産終了した機種をどうしても手に入れたい人
- ミラーレス一眼に慣れていて、良し悪しの判別や不具合の判別がある程度自分でもできる人
- 店頭で実機を手に取って、店員さんの視線や言葉に惑わされず納得できるまでチェックできる根性のある人。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
カメラ初心者は中古デジタル一眼には手を出さず、カメラの知識・経験がある人が信頼できる中古カメラ屋さんの(できれば)店頭で買うべきものです。
通販であれば実機写真(十数枚以上)があり実機動画も掲載されているサイトなどはかなり良心的です。中古カメラ通販でもろくな状態説明がなく写真も2〜3枚程度しないような業者からは買ってはいけません。
知人・友人から買うのも不具合があったときのことを考えると人間関係を重視するなら避けたいルートです。
中古デジタルカメラを100%否定するものではありません。わかっている人がいろいろ承知で利用するのは大いに結構であり、有効活用されるべきものであります。