昨日の記事で1月7日頃が納期だったGoogle Pixel 6 Pro 256GBがいきなり一ヶ月ほど早くなったという話を書きました。そして手元に届きましたので、Androidメイン機のSamsung Galaxy S21 Ultra 5Gとスペック比較、使い心地比較をしてみたいと思います。
スペック比較
SIMフリーやキャリアによりスペックが違うものは、Galaxy S21 Ultra 5Gについてはdocomo版、Pixel 6 ProについてはSIMフリー版の仕様を記載しました。
項目 | Galaxy S21 Ultra 5G | Pixel 6 Pro |
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発売日 | 2021年4月22日 | 2021年10月28日 |
SIMフリーモデル | X | ○ |
キャリアモデル | docomo, au | SoftBank |
SIM | nanoSIM (docomo版 au版ともに非対応) | nanoSIM + eSIM |
4G LTE | FDD LTE:1 / 3 / 4 / 5 / 7 / 12 / 13 / 19 / 21 / 28 TD-LTE:38 / 39 / 40 / 41 | FDD LTE:1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28 / 29 / 30 / 32 TD-LTE:38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 46 / 48 / 66 / 71 |
5G | Sub6:n78 / n79 ミリ波:n257 | Sub6:n1 / n2 / n3 / n5 / n7 / n8 / n12 / n14 / n20 / n25 / n28 / n30 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n71 / n77 / n78 ミリ波:n257 / n258 / n260 / n261 |
Wifi | 802.11 a / b / g / n / ac / 6e | 802.11 a / b / g / n / ac / 6e |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
出荷時OS | Android 11 | Android 12 |
CPU | Snapdragon 888 | Google Tensor |
RAM | 12GB | 12GB |
ROM | 256GB | 128GB / 256GB |
Geekbench 5 Single-Core | 922 | 902 |
Geekbench 5 Multi-Core | 3076 | 2910 |
外部メモリ(microSD) | X | X |
バッテリー | 5000mAh | 5003mAh |
ディスプレイサイズ | 6.8インチ | 6.7インチ |
解像度 | 3200 x 1440 | 3120 x 1440 |
パネルの種類 | Dynamic AMOLED | LTPO OLED |
出荷時液晶保護シート | 貼付済 | X |
広角カメラ | 108MP, F1.8, 24mm相当 1/1.33″ レーザーAF 光学手ブレ補正あり | 50MP, F1.85, 25mm相当 1/1.31″ レーザーAF 光学手ブレ補正あり |
超広角カメラ | 12MP, F2.2, 13mm相当 1/2.55″ | 12MP, F2.2, 17mm相当 |
望遠カメラ | 10MP, F2.4, 72mm相当(3倍) 1/3.24″ 光学手ブレ補正あり | 48MP, F3.5, 104mm相当(4倍) 1/2″ 光学手ブレ補正あり |
超望遠カメラ | 10MP, F4.9, 240mm相当(10倍) 1/3.24″ 光学手ブレ補正あり | X |
セルフィーカメラ | 40MP, F2.2, 26mm相当 1/2.8″ | 11.1MP, F2.2, 20mm相当 |
マクロモード | フォーカスエンハンサーにより自動マクロモード | X |
サイズ | 76mm x 165mm x 11mm | 75.9mm x 163.9mm x 11mm |
重さ | 228g | 210g |
おサイフケータイ | ○ | ○ |
ワイヤレス充電 | 15W | 23W |
邪魔な物体削除機能(写真) | オブジェクト消去 | 消しゴムマジック |
ペンの利用 | S Pen | X |
FMラジオ | ○(専用イヤホン必須) | X |
付属品 | SIMピン、USBケーブル(C-C USB 2.0) | SIMピン、USBケーブル(C-C USB 2.0)、クイックスイッチアダプター |
スペックを調べて横並びにして驚いたのは、スペック上はそっくりさんといっても過言ではなりません。
スペック上で明らかに違うのは超望遠カメラの有無です。Galaxy S21 Ultra 5Gには240mm相当の超望遠カメラがありません。
実際に使ってみて、超望遠カメラは文句なく面白いですし、写真を取らなくても超高倍率の望遠鏡代わりにもなります。この超望遠カメラに10倍デジタルズームをかけると2400mmになります。画質は落ちますが Better than Nothingです。映らないより画質がおちても映るほうが絶対いいと思います。
一番大きな違いはこの超望遠カメラの有無ですが、それ以外は驚くほどそっくりさんです。
両機の概観
スペック比較にもあるとおり、Galaxy S21 Ultra 5GとPixel 6 Proは性能的・大きさ・重さ的に非常によく似たスマートフォンですが、実際両者を使ってみて(Pixel 6 Proはファーストインプレッション的です)わかるのは、本当によく似ていて、いい意味で違いを感じにくいスマートフォンです。
どちらもSamsungとGoogleのフラブシップスマートフォンであり、カメラ性能にしてもどちらも優秀でコンデジ不要どころかコンデジではできないことも当たり前にできます(特に動画)。どちらを買っても日常や旅行撮影でカメラ性能で不満はほとんどないと思います。
筆者はゲームはしませんのでゲーム性能はわかりませんが、それ意外のところ、たとえばブラウザ(Edgeをメインで使っています)、各種SNS、写真撮影、Officeアプリ(Excelなど)、写真ちょい修正(Google PhotoやAdobeのアプリ)でストレスを感じるようなことはなく、両機ともスイスイです。
カメラに関しては、マニュアルモードというかプロモードもたいに撮影パラメータを自分で自在にいじくれるモードはGalaxy S21 Ultra 5Gにはありますが、Pixel 6 ProのほうはどちらかといえばiPhone的で基本はカメラのAIがやってくれて、特定のモードにするとある程度いじれる感じ。
カメラの機能の違いを一口でいえば、Galaxy S21 Ultra 5Gはカメラまかせもいいけど自分でいじりたいときもかなりいろいろ出来るのに対し、Pixel 6 Proは基本はAIが任せで特定のモードでいじれるところが出てくるというiPhone的なカラーが強いといえます。
どちらも性能的には非常に接近しているので、ほとんど静止画と動画のカメラ性能や機能の違いだけだと思っても増間違いではないと思います。
カメラ(静止画)
前項で少し触れましたが、最大の違いはGalaxy S21 Ultra 5Gには240mm相当の10倍光学ズームカメラがあり、それに10倍デジタルズームをかけた100倍2400mm相当というとんでもない高倍率のカメラ機能があることです。
現実のシーンで考えると、普通のミラーレス一眼で高倍率ズームを装着していても、一番良く使う焦点距離は換算24mm前後~70mm前後ではないでしょうか。
一方のPixel 6 Pro。超広角はGalaxy S21 Ultra 5Gよりやや画角が狭目ですがこれで不自由するかというとそうでもないと思います。ミラーレス一眼でも広角端は18mm前後が実用的な限界だと思います(それ以上になると魚眼的になってしまいどうしても画像が不自然になる)。
望遠のほうはGalaxy S21 Ultra 5Gが72mm、Pixel 6 Proが104mmで倍率でいくとメインカメラに対して各々3倍、4倍なわけです。実際Galaxy S21 Ultra 5Gをつかってて望遠の3倍ではちょっと足りない、10倍では大きすぎるという場合は意外に多くて(筆者の場合)3倍に少しデジタルズームをかけて4倍とかにすることが多々あります。そういう意味では4倍は手頃に感じますが、逆の場合もあり4倍だあと大きすぎるとかいった場合もあります。
Galaxy S21 Ultra 5Gの3倍、Pixel 6 Proの4倍、どちらも非常に実用的だと思います。
望遠がなくてデジタルズームに頼らなければいけないGalaxy S21やPixel 6よりは絶対望遠がついているほうが、カメラとしては実用度が高く、Galaxy S21 Ultra 5GとPixel 6 Proでは極端な差はないように思います。
Pixel 6 Proは天体撮影モードというのがありまして、星空に向けてPixel 6 Proを三脚などでがっちり固定して、カメラアプリを起動し[夜景モード]をタップ。しばらくすると「天体写真機能」と表示されるので月マークをタップすると、長時間露光で星空撮影。カメラが微妙に動くような状態(例えば何かの上において手で支えるとか)では「天体写真機能」は出てきません。「天体写真機能」が出てくるとシャッターが御月様から星空マークにかわります。これで長時間露光発動です。
Galaxy S21 Ultra 5Gには天体写真専用モードとかないので、マニュアルモードで自分で長時間露光する必要があります。カメラアプリで[プロ]をタップ。Galaxy S21 Ultra 5Gでは最大ISOは3200です。シャッター速度は最大30秒で設定できます。このあたりで実写しながら調整する必要があります。ナイトモードでは夜景には適していますが天体写真は無理です。
このところ首都圏は夜にキレイな星空が見えることがなくて実写テストができていません。星空がキレイな夜があれば試写して記事にしたいと思います。
カメラ(動画)
Galaxy S21 Ultra 5Gの動画撮影の特徴を説明されている動画がありました。
このディレクターズビューは非常に面白いです。
動画撮影中にはズームじゃなくていきない画角を変えたほうがいいシーンも多いのですが、そのためにピンチアウトしたりしてめんどくさいし、そのムニューンというズームの一瞬を編集でカットしたりしないといけません。
余談になりますが、プロが編集しているテレビドラマ・ドキュメンタリー・バラエティなどでズームを多用しているとかトランジションを多用している例は普通はみかけません。最初は撮影や編集でズームやトランジションを使いたくなるのですが、あとからみるとかなりウザいのです。使うのが効果的なシーンというのはあるので、これぞというときにつかいます。ディレクターズビューはそうした編集の手間を少しだけ軽くしてくれると思います。
ナレーション入りで撮影したいときに、マイクを背面と前面両方使う、背面だけにする(撮影者側の音をできるだけ拾わないようにする)、その逆に前面だけにして背面のノイズをへらすなんてこともできます。これを知って、へ、両側にマイクがあるんだ!と知った次第。
ピクチャーインピクチャーで撮影者側の映像をはめ込んで撮影したり、背面と前面を半分ずつにしたりもその場でできます。
なんとなく撮るのではなく、構成を考えながら撮るときに活躍してくれると思います。
ここまでのまとめ
Galaxy S21 Ultra 5GとPixel 6 Proは性能的は非常に近い。大きさも重さも非常に近い。
最大の違いは10倍光学ズームカメラの有無。
カメラ機能としては、Galaxy S21 Ultra 5Gのほうがよりマニュアル操作や凝った操作ができるが、Pixel 6 Proのほうはいじれる範囲が限られておりiPhone的な色彩が強い。
撮影した写真から不要なものを消す機能は、Galaxy S21 Ultra 5Gはオブジェクト消去、Pixel 6 Proは消しゴムマジックとして搭載されている。