最近耳にするのが「ナンバーレスカード」という言葉。クレジットカード面に従来記載あるいはエンボス加工されていたカード番号、有効期限、所有者名を一切番号を記載せず、必要な時はスマホアプリで調べるというものです。この4月からJALカードとANAカードがナンバーレスに対応したというので調べてみましたら…嘘でしょ？
ナンバーレスカードとは？メリットとデメリットは？
従来はカード表面にエンボス加工で、カード番号・有効期限・所有者ローマ字氏名が記載されていましたが、ナンバーレスカードはエンボス加工や裏面にカード情報の印刷がありません。
メリット①：
完全なナンバーレスカードであれば、家族を含む第三者がその番号を控えてECサイトやゲームサイトで悪用するような心配もかなり減ります。特に子供が親のカードを抜き取って番号を控えてゲームで無断で課金に使うようなこともなくなります。
メリット②：
発行する側にとっても番号のエンボス加工や印刷が不要になるので、与信審査が通った後発行の手間が軽減され発行までの日数が多少は短縮できることになります。
メリット③：
エンボス加工が無いので財布の中で重ねて入れる時に若干薄くなります。
デメリット①：
EC（ネット通販）で使うときに、スマホアプリで番号などを調べないといけないので面倒（店頭で対面利用は従来通りです）。
デメリット②：
財布のカード入れから滑り落ち防止にエンボスの突起が微妙に役立っていた場合、滑り落ちるリスクが高くなるかもしれない。
JALカードの場合
前述のとおり本来のナンバーレスカードは、カードの表裏どちらにもカード番号や有効期限が一切書かれていないものです。
[JALカード公式] New カードデザイン上記サイトを見ていただくとわかりますが、JALカードのナンバーレスは、エンボス加工こそありませんが裏面にはカード番号や有効期限、CVC（署名欄に印刷された3桁または4桁の数字）がしっかり印刷されています。
「ナンバーレス」ではなく「エンボスレス」
一番重要なメリット①がこのカードには存在しません。
JALカードのサイトには「ナンバーレス」とは書かれておらず「Newカードデザイン」となっています。読む方が勝手に「ナンバーレス」だと思い込んでいるだけで「ナンバーありのエンボスレス」が正確です。
ANAカード
ANAカードで「いわゆるナンバーレス」になるのはJCBブランドだけ、ANA To Me CARD PASMO JCB（ソラチカカード）は対象ではありません。
[JCBカード公式] ANA JCBカードJALカード同様にエンボスレスですが、裏面にカード番号や有効期限、名義、CVCがしっかり印刷されていますので、真のナンバーレスではありません。
「ナンバーレス」ではなく「エンボスレス」
ANAの場合はJCBブランドだけが対応で、それもナンバーレスではなく単なるエンボスレスです。
従来カードからの切り替えは？
どちらも対象カードについては本年4月からの新規発行分と更新分はエンボスレスになるようです。
本物のナンバーレスではなく、裏面に重要情報が全部ある「エンボスレス」ですから、あえてカードを切り替えてまで申し込む必要はほとんどありません。
現有カードの期限がきたら対象カードであれば自動的に新しい「エンボスレスカード」になります。
真のナンバーレスは？
いろいろなカードブランドでナンバーレスが出てきていますが、大手で先進的なのはこのあたり。
JCBカード
ナンバーレス対応が進んでいるのはJCBカードです。
[JCBカード公式] JCBのナンバーレスナンバーレスに対応しているのは、「JCBカード S、JCBゴールド、JCBプラチナ、JCBカード W、JCBカード W plus L」となっています。
JCBが良いのは「ナンバーレス」と「エンボスレス」が選べることです。
ナンバーレスは文字通りカード番号などの記載が一切ないものです。筆者のPayPayカードJCBもこれで、所有者名以外のカード番号は一切記載がありませんので、これを第三者が持ち出してもECで使うことはできません。
エンボスレスのほうは裏面にカード情報が印刷されています。ECで使うには便利ですが、セキュリティ上はほぼ無意味です。
三井住友VISAカード
三井住友VISAカードのナンバーレス（NL）は裏面にもカード情報の印刷がない本当のナンバーレスです。
[三井住友カード公式] 三井住友カードナンバーレス（NL）ただしVISAブランドの提携カードは非対応で、三井住友VISAカードの一般カードとゴールドのみが対象です。ANAカードのVISAブランドも非対応です。
JALカード・ANAカードのナンバーレスまとめ
JAL・ANAともに裏面にカード情報が印刷されているのでナンバーレスではなくエンボスレスカードです。
ANAカードのほうはJCBブランドのみ対応でそれ以外は非対応。それも裏面にカード情報が印刷されているのでナンバーレスではありません。
JALカード・ANAカードともに4月からの新規発行分と更新分について新しいエンボスレスカードになります。
＜関連記事＞ 「ポイ活」なんかヤメなさい！「ポイ活」は「浪費」への近道、「節約の敵」だ
