iPhone 15 Pro/Pro Maxで動画を撮る場合、編集耐性が高いと言われるビット深度10bit、クロマサンプリング4:2:2、音声は非圧縮のリニアPCMにしたい場合があります。iPhoneの各種ビデオカメラアプリでこれが可能なのでしょうか?今回内蔵カメラアプリを含む5種類のアプリで実際に撮影して動画ファイルを解析して調べました。
環境と対象アプリ等
使用したのは筆者所有の*「iPhone 15 Pro Max 512GB、iOS17.6.1」*です。
対照アプリは以下の5種類。
Final Cut Camera(Apple純正)
MAVIS(Mavis Broadcast)
ProCamera(Cocologics)
Blackmagic Camera(Blackmagic Design Inc)
フォーマットは各アプリが対応している範囲内で以下から可能なものを実施。
Apple ProRes 422
Apple ProRes 422 LT
Apple ProRes 422 Proxy
HEVC(H.265)
また可能な場合は以下についても実施。
HDR
Apple Log
動画ファイルのパラメーターは以下のアプリで調べました。
Mediainfo(iPhoneアプリ) DaVinci Resolve Studio 19(Blackmagic Design Inc)
解析結果:HEVC(H.265)の場合
以下の表(イメージ)をご覧ください。1024pxのイメージにしていますのでクリック(タップ)すれば大きくなると思います。
ほとんどの場合は、ビット深度8bit、クロマサンプリング4:2:0、音声はAACでしたがいくつかそうでないものもあります。
ビット深度が10bitになる:
・内蔵カメラでHDRオンの場合
・Final Cut CameraでHDRオンの場合
・ProCameraでHDRオンの場合
・Blackmagic CameraでRec.2020-HDRまたはApple Log – HDR
クロマサンプリングが4:2:2になる:
・Blackmagic CameraでApple Log – HDR
オーディオがリニアPCMになる:
Final Cut Camera(HDRオンオフは関係無し)
Blackmagic Camera(音声単独でフォーマット設定できるので、32bitフロート設定にしました)
ほとんどは8bit 4:2:0で撮って出しや簡単な編集には良いですが、これだと本気でやるには編集耐性に欠けるといえます。
解析結果:Apple ProResの場合
ProResはApple ProRes 422というくらいですから、クロマサンプリングは4:2:2であるのは明白で、4:2:2にするのにビット深度8bitということもなかろうとは思いますが念の為に調べました。
まとめ
内蔵カメラとFinal Cut CameraはProResは422 HQのみサポートしていますので、ストレージ容量的に現実的とは言いがたく、これをつかうのであれば内蔵ストレージは最低512GB、できれば1TBが望ましいです。
現実的なところではProCameraのApple ProRes 422 LTあたりが手の打ちどころ、頑張ってApple ProRes 422くらいかと思いました。