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モバイルバッテリーの事故を防ぐ11の鉄則|保管・充電・リコール確認の実践ガイド

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はじめに

モバイルバッテリーの事故は毎年発生しています。

とくに高温放置・寝具まわりでの充電・法定表示不備品の使用が主な原因です。本記事では、読者の皆さまがすぐ実践できる「11の鉄則+仕上げの2ポイント」を、根拠となる公的情報に沿ってまとめました。NITE(製品評価技術基盤機構)や経産省、各自治体の注意喚起とも整合しています。

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要点(チェックリスト)

・丸PSEと製造者表示と定格表示が本体にあるか
・JBRC加盟メーカーか(回収の確実性)
・軽すぎる製品は回避(目安:6g/Wh未満は要警戒)
・半年ごとにリコール情報と照合
・保管は50%前後
0%放置NG
・40℃超・直射日光NG
・寝具下・枕元充電/バッグやポケット内使用NG
・異常(膨らみ・異臭・異音・異常発熱)は即停止→回収

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11の鉄則

1. JBRC加盟メーカー品のみを買う

JBRCは小型充電式電池の回収スキームを運用する団体です。

安全の“認証”ではありませんが、膨張など外見に異常がないものであれば確実にリサイクル回収へ出せる経路がある点は大きな安心材料です。購入前に会員リストでメーカーを確認しましょう。

『JBRC会員』企業リスト
https://www.jbrc.com/member/member_list

海外の格安バッテリー製造事業者はJBRCには登録していませんので、そういう意味でも低品質なモバイルバッテリーを買ってしまうリスクを相当減らせます。

2. 本体にPSE・製造者・定格が明瞭にあるものだけを買う(箱や説明のみ記載はNG)

モバイルバッテリーは2019年2月以降、電気用品安全法の規制対象です。PSEマークの無い製品は販売禁止となっています。

[経済産業省] 電気用品安全法
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html

表示は本体が原則で、他に定格と事業者名が記載されていなければいけません。

箱や商品説明に「PSE認証済み」といった文言は一切信用せず、実物または実部写真にPSEマークや定格・事業者名が確認できないものは買ってはいけません。

3. 軽すぎるものは買わない(非内蔵アクセで目安6g/Wh)

極端に軽い製品は、容量詐称や保護回路・筐体強度の不足を疑います。

例:10,000mAh → 3.7V換算で 37Wh。6g/Whを最低目安にすると約222g未満は要警戒。この閾値は公式基準ではなく安全側のふるいと理解してください(ケーブル一体型は少し重く出ますし、ACアダプタ内蔵型は6g/Whでは小さすぎます)。

4. 購入日・商品名・品番・シリアルを記録する

あとでリコール照合や販売元への問い合わせが確実にできます。領収書注文履歴のスクリーンショットも保存しましょう。

5. 半年に一度はリコールチェックをする

NITE「SAFE-Lite」消費者庁リコール情報サイトを定例チェック。製品名や事業者名、キーワード(“モバイルバッテリー”など)で検索しましょう。

NITE 「SAFE-Lite」
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html

消費者庁リコール情報サイト
https://www.recall.caa.go.jp/

6. 所有は最長3年(できれば2年)を目安に計画的に更新→回収

リチウムイオン電池は使用有無に関わらず経年劣化(カレンダー劣化)します。長期使用ほど不具合時のリスクは上がります。安全第一なら2〜3年で計画更新JBRC回収協力店で回収してもらいましょう。

7. 保管は50%前後/0%での長期放置は絶対NG

長期保管は40〜50%程度が穏当です。完全放電に近い状態での長期放置は過放電による劣化と内部短絡のリスクを高めます。

機器メーカーの保管ガイドも50%保管を推奨しています。

[NEC] 正しく使ってバッテリパックを長持ちさせる
https://jpn.nec.com/products/bizpc/support/information/batterypack/

8. 40℃超の場所に短時間でも置かない

真夏の車内、直射日光の当たる窓際などは短時間でも高温になり、事故の再現例も公表されています。

9. 直射日光下に長時間置かない

外部要因による加熱はリチウムイオン電池のの大敵。屋外イベントに持っていく時や窓際での放置に注意しましょう。

10. 枕・布団の下で充電しない/バッグ・ポケット内での使用(給電)をしない

寝具は熱がこもりやすく、就寝中は異常に気づきにくいため危険です。自治体の火災事例でも寝具・落下衝撃・熱こもりが繰り返し指摘されています。

充電・使用(給電)するときはかならず人が近くにいる、異常をすぐ知ることができる場所で行うことが大切です。

旅行中にホテルで朝ごはんの間に充電する、寝ている間に充電するのはやめましょう。朝起きたら充電を初めて、朝ごはんで部屋を開けるときは充電器をコンセントから抜きましょう。

11. 膨らみ・異臭・異音・異常発熱は即停止→隔離→回収

使用を直ちにやめ、可燃物から離し、販売元・事業者に連絡して回収ルートを確認しましょう。もし異常のあるバッテリーを販売元や事業者が回収拒否した場合は、自治体の清掃事業窓口に相談し、異常のあるモバイルバッテリーの回収方法を確認してください。

大抵の場合は、自治体と契約している廃品回収業者の中で対応してくれそうなところを教えてくれると思います。この場合の回収は有料です。

NITEの事故事例やメールマガジンでも、充電後の放置中に発火した例が報告されています。

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仕上げの2ポイント(実践度を一段上げる)

A. 購入前に“写真で”本体表示を確認

商品ページの本体写真に「丸形PSEマーク」「届出事業者名」「定格(Wh)」が鮮明に写っているかを必ず確認します。写っていない/曖昧な場合は買わないようにしましょう。

ECサイトの写真には写っていなくても、メーカーの商品サイトの写真には写っている場合もあります。

商品写真では確認できず、ECサイトの商品説明だけ書かれている場合は本体に表記がない場合もありますので買わないようにしましょう。もっとも、このような商品の製造事業者はJBRCに加盟していないのが普通だと思います。

B. リコール情報の定期確認の習慣を作る

NITE「SAFE-Lite」消費者庁リコール情報サイトをブックマークし、半年ごとの定期チェックをカレンダーに書くなどしてルーチン化しましょう。

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g/Wh(単位容量あたりの重さ)で “怪しさ” をふるいにかける

(1) 製品の表示から定格電圧(多くは3.7V)容量(mAh)を確認
(2) Wh = 定格電圧 × (mAh ÷ 1000) を計算
(3) g/Wh = 製品重量(g) ÷ Wh

→ ケーブル内蔵やACアダプタ内蔵出ない場合、6 g/Wh未満なら要警戒(容量詐称・筐体や保護回路の不足が疑われます)。これは公式基準ではなく安全側の経験則です。

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FAQ

Q. JBRCに入っていれば安全なの?
A. 回収の利便性が主目的で、安全の保証ではありません。本体表示(PSE・事業者名・定格)と合わせて総合的に判断しなければなりません。ECサイトで販売されることが多い、海外製の格安モバイルバッテリーメーカーはJBRCに加盟していないのが普通ですし、PSEマークがないものもあったりするので、そうした低品質商品を買ってしまう予防にもなります。

Q. 保管はなぜ50%?
A. 高充電・空に近い状態どちらも劣化が進みやすいため、メーカーの保管指南では50%前後が推奨されています。特に0%が超時間続く深放電はリチウムイオン電池の内部短絡・加熱・発火の原因となることが多いので、長期保管時は定期的に残量を点検してください。0%で電気がないから安全だと思うのは大きな誤りです。

Q. どこで最新の注意喚起や事故傾向を見られる?
A. NITEの注意喚起・メールマガジン(モバイルバッテリーの高温放置再現映像など)が参考になります。

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参考リンク

NITE SAFE-Lite(事故・リコール検索)
https://safe-lite.nite.go.jp/

消費者庁 リコール情報サイト(検索・通知)
https://www.recall.caa.go.jp/

経産省:モバイルバッテリーの規制対象化(PSE)
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html

NITE:高温放置での発火再現・注意喚起
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20240712.html

東京消防庁:住宅でも注意!リチウムイオン電池関連火災
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/lithium_house.html

NEC:長期保管は50%・過放電の注意(バッテリパック解説)
https://jpn.nec.com/products/bizpc/support/information/batterypack/index.html

JBRC 会員企業リスト
https://www.jbrc.com/member/member_list/

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