超小型のおサイフスマホというと台数限定で無料配布された楽天モバイルのRakuten Miniを思い浮かべるでしょうが、実はUnihertzのJelly 2というクラウドファンディングでスタートした端末のほうが遥かに使い勝手や性能が上です。3月21日からずっと外出時のおサイフ・定期券として使ってきたのであらためてレビューします。
Unihertz Jelly 2とは
正式社名(英語)は「Shanghai Unihertz E-Commerce Co., Ltd」といい、中国の上海に拠点を置くスマートフォンメーカーで、Kickstarterを中心としたクラウドファンディングで、世界最小のスマートフォン(Jellyシリーズ)とか、世界最小タフネススマホ(Atomシリーズ)などを世に送り出しており、人気のあるものは予約で購入もできるようです。
当ブログでもUnihertz Jelly 2について取り上げています。
特に小さなおサイフケータイとしても話題になったRakuten Miniと意識的に比較しています。
・Antutuスコアは、Rakuten Miniは9万台、Jelly 2は13万台。
・バッテリー容量は、Rakuten Miniは1,250mAh、Jelly 2は2,000mAh。
・RAMは、Rakuten Miniは3GB、Jelly 2は6GB。
・ROMは、Rakuten Miniは32GB、Jelly 2は128GB。
・microSDは、Rakuten Miniは非対応、Jelly 2は対応。
・FMラジオは、Rakuten Miniは非搭載、Jelly 2はFMチューナー内蔵。
・イヤホンジャックは、Rakuten Miniは非搭載、Jelly 2は搭載。
小さなボディですが、スペック的にはエントリーモデルの上位を超えてミッドレンジに近いものです。
特にストレージはRakuten Miniはまさかの今更の32GBでmicroSD非対応、一方Jelly 2は128GBでさらにmicroSD対応です。
筆者はそれまではSuica端末としてはiPhone 8をメインスマホとともに持ち歩いていましたが、3月20日~21日にかけてのモバイルSuica大規模メンテナンスでiOS端末からAndroid端末へもSuica機種変更が可能になった(従来はiOSからAndroidは解約するしかなかった)のを機に、定期券を含むモバイルSuicaをJelly 2に移行しまして、以来2ヶ月Suicaや非接触決済の端末として欠かさず持ち歩いています。
手によく馴染む大きさで、自動改札でもかざしやすいので重宝しています。
2ヶ月間使ってみての良し悪し
Jelly 2の良いところ
小型でコロンとしたスタイルは手によく馴染む
容積だけを比べると薄型のRakuten Miniのほうが小さいです。
ですが、Rakuten Mini(所有しています…回線は解約しました)と比べてJelly 2のほうがよく手に馴染みます。
どちらも手のひらサイズの小型なのですが、自動改札などにかざす(タッチする必要はありません、数センチに近づけるだけでOKです)には、ある程度厚みがあるほうが安定してかざすことができます。
画面サイズ以外は普通に使えるスペック
Rakuten MiniはRAM3GB/ROM32GB/microSD非対応というどうにもならない削ぎ落としスペックなので、おサイフ以外にはほとんど使いみちがないですが、Jelly 2は違います。
画面サイズ以外は普通にエントリーモデルの上位スペック~ミッドレンジあたりに位置するものであり、RAM6GB/ROM128GBと十分。そのうえmicroSD対応で、今は廃止されつつあるイヤホンジャック装備でFMラジオも内蔵です。
画面が小さいのは悪いことばかりではありません。
スマートフォンで一番バッテリーを食うのは画面(ディスプレイです)なので、画面が小さいというのは省電力の上でとても有利なのです。
Rakuten Miniだと使わないときは機内モードにしないと非常に不安なのですが、Jelly 2はメインとして使わないが故にというのもありますが、普通に1日持ち歩いても60%を切ることはまずありません(筆者の使い方では…)。
画面は小さいけど大抵のことはできる
絶対的に画面が小さい(854×480ピクセル)ので、アプリやWebによっては右が切れてしまうこともありますが、ちょっとメールやLINEを見たり短い返信を打つにはほどんど問題ありません。
RAM6GB/ROM128GB/microSDという少々リッチ仕様を使い切れない気がしますが(笑)大は小を兼ねます。
携帯音楽プレーヤーにぴったり
イヤホンジャックがありFMチューナー内蔵で、さらにROM128GB+microSDなので、携帯音楽プレーヤーとしてもぴったりです。
レディースジーンズの前ポケットにもすっぽり
筆者はウェストが細くてジーンズだと28といったサイズになるため、メンズではサイズがなくてローライズのレディースを買うこともしばしばです。
レディースジーンズはメンズに比べてポケットが小さいので、スマートフォンを入れるには不適です。特に昨今の大きくなったスマートフォンをすっぽり入れるのは無理で、街でもヒップのポケットからスマートフォンがはみ出している女性を多く見かけますよね。
しかし、Jelly 2はその小型故にレディースジーンズの前ポケットにすっぽり入ります。
おサイフケータイとしては怖いものなし
仕様としては普通のFelica搭載スマートフォンなので、SuicaはもとよりFelicaを使った非接触決済、Google Payでの非接触決済、PayPayなどのQRコード決済、モバイルTカードなど今の所非対応のものはなさそうです。特定キャリアモデルに依存するような機能は別として、SIMフリーのFelica端末で使えることは全部できます。
Jelly 2の困ったところ
モノには必ず良い面と悪い面があります。
二ヶ月使ってきて悪いことは一箇所を除き何も感じません。
指紋認証がほとんど認識しない
唯一の欠点がこれです。
facebookのUnihertz Jelly 2グループでも話題になったことがありますが、どうにこうにもいけません。
センサーが悪いのか指紋認証のソフトの出来が悪いのかわかりませんが、今まで使った数多くの指紋認証対応スマートフォンの中で指紋認証は最低の最低です。
先日ファームアップデートがありましたが、対応項目にはありませんでした。
現状、指紋登録した直後は認識するのですが、いつの間にか認識されなくなる。登録時にセンサーの汚れを落として登録して、認識しなくなったので汚れを落としてもだめ。いったいどうなっているんじゃ!と言いたいですが、とにかく指紋認証については最低最悪です。
今、どこで買えるか?
Unihertzのサイトで予約販売となります。
日本向けとそうでないものがあり、日本向けにだけFelicaが搭載されていて技適が通っていますので、誤って他のグローバル版を買わないようにしてください。
筆者はauサブブランドのUQ、SoftBankサブブランドのY!モバイル、docomoのMVNOであるiijmioのSIMを入れましたがどれもOKでした。
楽天モバイル? 知りません、アンチ楽天モバイルなので。
価格はUS$219.99(送料込み)となります。
グローバル版はUS$20安いUS$199.99なのですがこの価格差がFelica対応の差なのでしょう。
2万数千円程度ということになります。
これにiijmioなどの信頼できるMVNOのSIMを入れれば運用経費も安いです。
サブスマホなら2GBプラン(858円/月)か4GBプラン(1,078円)で十分ではないでしょうか?
画面が小さいので、メインスマホのように暇があったら取り出して見るなんてことも考えにくいです。
実際、筆者もそういうことはあまりありませんので、4GBプランです。
まとめ
Unihertzの世界最小(フットプリント)のFelica搭載スマートフォンは、セカンド決済端末として非常に有用である。
スペック的にはRAM6GB/ROM128GB/microSD対応、antutu13万台と並のエントリーモデルより上である。
画面が小さいが故にヘビーな使い方もなく2,000mAhのバッテリーでも1日は余裕でお釣りが来る。
あくまで決済端末としてのセカンド用途推奨でありMVNOをおすすめ。
購入はUnihertzからUS$219.99(日本向け仕様)である。