趣味の延長を超えて時にはプロの映像制作現場でも使われることがあるというiPhoneのProやPro Max。一方Android最高の性能を誇るGalaxy S23 Ultra。当ブログではジンバルやサードパーティ製カメラアプリを使う場合は、Galaxy S23 Ultraはダメダメじゃんと書きましたがその最大の理由がフレームレートで60fpsが使えないこと。しかし調べると他にもたくさんあります。
Galaxy S23 Ultraは優秀なのだが…
Galaxy S23 Ultraはハイパフォーマンスでバッテリーのもちも極めて優秀なスマートフォンで一点をのぞいて気に入っています。
その一点とは「FilmicやDJI Mimoといったサードパーティカメラアプリ」に対しては、フレームレートをはじめとする種々の機能の門戸を閉ざしていることです。
FilmicのサポートフォーラムはDJIのコミュニティ(どちらも英語)をちらほら見ていると、なんでGalaxyで60fpsが撮れないのか?といったクレームに近い書き込みが少なからずあります。
これはFilmicやDJIが悪いのではなく、Samsungがサードパーティアプリに対して機能制限しているからに他なりません。
映像制作現場を意識するなら、当然Filmicといった優秀なプロ動画カメラアプリが使われるのは承知していなければならないのですが、そこに対して提供機能を絞り込むというのは、そういう用途には使ってほしくない、あくまでコンシューマーが内蔵カメラアプリで楽しんでくれ、それに関してはトップレベルの画質を簡単にとれるぞ!という意図を感じるのです。
それはそれでメーカーとして筋が通っていますので、FilmicやDJI Mimoを使った撮影にはiPhoneなどのスマートフォンを使えば良いだけの話です。
それに比べるとiPhoneは以前からそのカメラの優秀さ故にプロの制作現場でも使われることがあり、それをAppleも十分承知しているのではないかと推測します。
ソフトウェア開発側としてもハードウェアやOSの細かな実装が様々なAndroidにはいちいちこまめに対応していられないし、背中に手が届く痒さに対応できるとしたら、ハードウェアとOSが限定されているiPhoneのほうが圧倒的につくりやすいはずです。
普通に内蔵カメラアプリで撮るならiPhone 14 ProもGalaxy S23 Ultraも
Filim Legacyでの比較
実際にiPhone 14 ProとGalaxy S23 Ultraにインストール済みのFilmic Legacy(旧・Filmic Pro Ver.6)で撮影関係の設定項目を比較して表にしました。
使っているので知ってはいましたが、あらためて横並びに比較すると愕然とするくらいの驚きを隠せません。
iPhone 14 Pro メインカメラ | Galaxy S23 Ultra メインカメラ | |
OS | iOS 16.6 | Anroid 13 |
対応解像度 | 4K, 3K, 2K, 1080p, 720p, 540p | 4K, 3K, QHD, 2K, 1080p, 720p, 540p |
動画フォーマット | 10-bit SDR, 8-bit SDR, ProRes 709, ProRes 2020, ドルビービジョンHDR | 8-bit SDR |
画質 | Economy, Apple Standard, Filmic Quality, Filmic Extream | Economy, Standard, Filmic Quality, Filmic Extream |
コーデック | H.264, HEVC | H.264, HEVC |
フレームレート (1080p) | 24, 25, 30, 48,50,60,120, 240 | 24, 25, 40, 120 |
オーディオ圧縮 | AAC, AIFF, PCM | 指定不可 |
サンプリング周波数 | 44.1kHz, 48kHz | 44.1kHz, 48kHz |
Bluetoothマイク | 使用可能 | 指定不可 |
ヘッドホンモニタリング | 使用可能 | 指定不可 (Filmic Evaluatorだと可能になっている) |
ジンバル対応 | DJI OSMO Mobile, Zhiyun Smooth(Q3.Q4.4.5), Mobi Cinema Robot | DJI OSMO Mobile, Zhiyun Smooth(Q3.Q4.4.5), Mobi Cinema Robot |
手ぶれ補正 | OFF, OSI+EISが可能 (Standard, Cinamtic, Cinematic+) | OFF, OSI+EISが可能 (Standard, Cinamtic, Cinematic+) |
内蔵カメラアプリでジンバルを使えばいいじゃん!と思われるかもしれませんが、そうなるとジンバル側でカメラコントロールが一切できません。ズームはもとより撮影スタート・ストップすらできませんし、アクティブトラッキングとか無理な話。
現実の使い方を考えると内蔵カメラアプリでジンバルを使うというのは操作面から厳しい選択肢なのです。
本気でジンバルやFilmicなどのサードパーティカメラアプリを使って動画撮影するならば、現状で確実なのはiPhone XX ProまたはiPhone XX Pro Max一択となります。
他のハイエンドAndroidがどうかというと正直なところ試してみないとわからないのが実情です。
ハイエンドですから価格は最低でも十数万円しますから、気軽に試すこともできません。仮にプロだとしてもそうそう経費をじゃぶじゃぶは無駄にできませんから、アマチュアに至っては不可能です。
無難に選択するということで、自ずからiPhoneのProかPro Maxしかありません。