全編iPhone 15 Proで撮影された映画「ミッドナイト」が話題になっていますが、昨年はiPhone 15 Pro Maxで撮影されたApple Eventもありました。いずれもiPhone 15 Pro(正確にはPro Max)の性能をアピールするものです。一般の人がiPhone 15 Proで動画を撮る場合、問題は編集にあります。撮るのはいいけれど、撮りっぱなし…ではストレージの肥やしです。しかし編集は高性能なPCやMacが必要?
解像度
1080p(フルHD)
筆者が普段使いするのは1080p(フルHD)でフレームレートは60fpsです。
1080pで60fpsは筆者がiPhone 15 Pro Maxで動画を撮るときの最低ラインだと勝手に決めています。
ノートPCのディスプレイも今時は最低でも1920 x 1080pxのフルHDをカバーしていますし、Amazon Prime VideoはNetflixなどの配信もフルHDが基本です。
凝った編集をしないのであればこれでとりあえず問題ないでしょう。
フルHD撮影のメリット:
・撮影のストレージが4Kのおよそ1/4で済む
・比較的性能の低いPCでも編集できる
・オンラインでのアップロードが速いしデータ容量も少ない
・高価な撮影機材が不要 ・気軽に撮るにはもってこい
4K
フルHDで撮ることの問題(デメリット)は編集耐性が低いこと。
最終アウトプットはフルHDであっても、撮影を4Kで行うメリットは多くあります。
4K撮影フルHDアウトプットのメリット:
・編集時にフルHDにダウンコンバートしても、最初からフルHDで撮ったものより精彩感がある
・撮影時に広めの画角にすることで、編集でズームしたりパンしたりする効果を出すことができる
特に編集(ポストプロセス)でいろいろな効果を入れられる、画角をいじれるというのは大変大きなメリットです。
筆者宅はJ:COMですが、上り容量制限があり1日30GBが上限です。これを超えている状態が続くと「内容証明」郵便で警告がきます(経験あり)。CATV系のネットは下りはそこそこでますが、上りが決定的に遅くて容量制限も厳しいのが難点です。
8K
8KになるとそもそもiPhone 15 Proでは撮影できません。
筆者のLUMIX GH6も8Kには対応していません。
デジタル一眼だとFUJIFILM X-H2、SONY α1、NIKON Z8、NIKON Z9くらいでしょうか。
カメラも安くないですが、8K動画を編集するPCもかなりのスペックを要求しますので、まあお金のある人はどうぞって感じ。カメラ+PCではかるーく100万円を超えます。宝くじに期待….レベル?
フレームレート
解像度の他に気にすべきがフレームレートがあります。
どのフレームレートが良いか?なんて正解はありません。
24fps(23.97fps)
ズバリ、シネマティックな映像を撮ることができます。
もちろんフレームレートだけではだめで、トーンカーブもフィルムっぽくする必要がありますが、なんとなくそれっぽい仕上がりになるから不思議です(笑)
好みの話ですが、24fpsだとポストプロセス次第でエモい映像を作れる可能性が高いかも。
30fps(29.97p)
おそらく一番よく使割れているのが30fpsでしょうか。大抵のカメラもデフォルトは30fpsになっていると思います。
とりあえずデフォでいいじゃんって感じ。
ぶっちゃけ可もなく不可もなくで特に問題なしかと。
迷ったらこれでOK。
60fps(59.94p)
問題はこれです。
4K60fpsになるとストレージ容量も必要になりますが、映像の動きは滑らかになり、カメラ(スマホ)をパンしたときにカクカク引きずるような動きがほとんどなくなり、スムーズに流れます。
60fpsのメリットは、部分的に30fpsに落とすとその部分は50%のスローとして再生できます。
ずっと60fpsで撮っておいて、この瞬間ってところを30fpsに落として編集すると、ここ一番がスローになります。
スポーツなど動きが速いシーンなら、カメラ側が許せば4K120fpsとかで撮ると編集時に入れられる効果のバリエーションが広がり効果的。
PC・Macのスペック
スペックの高い方から(デスクトップはどうにでもなるので潰しが効かないノートPCの場合)。
動画編集に必要なスペックはゲーミングに必要なスペックに近いのでゲーミングノートPCから選べます。
8K動画編集
これくらいのスペックがないとストレスがあると思います。
- CPUは第14世代のCore i9(Ultraでない)
- メモリは最低でも64GB、できれば128GB
- GPUはGeForece RTX4090
- 画面は16インチもしくはそれ以上
これに合致するものを価格.comで調べるとこれだけしかありませんでした。
- ディスプレイ:18インチ 4K+
- CPU:Core i9-14900HX
- GPU:GeForece RTX 4090 Laptop
- メモリ:128GB
- SSD:4TB
お値段は目玉も飛び出る「899,800円(税込)」です。
MacBook Proではこうなります。
- ディスプレイ:16インチ(4Kより解像度が少し低い3,456 x 2,234)
- CPU:M3 Max(16コアCPU、40コアGPU)
- メモリ:128GB
- SSD:4TB
お値段は「944,800円(税込)」です。
Macはやはり外部GPUがないので映像を弄るパフォーマンスではどうしてもRTX4090をつかったもののほうが有利です。
8K撮影&編集はお金がある方がやれば良い話ですね。プロならば設備に費用をかけるのはありですが、趣味の世界でここまでやらなくてもねぇ。
4K動画編集
さすがに8Kのようなスペックは必要ありません。
- CPUはCore i7(Ultraでない)の第13〜14世代でスペックの高いもの。
- メモリは最低でも16GB、できれば32GB
- GPUはGeForece RTX4060かRTX4070以上
- 画面は16インチもしくはそれ以上
筆者の好きなHPだとOMEN 16のなかから好みの構成で選ぶとよいかも。価格ゾーンは20万円台半ば前後と手が届く範囲に落ちてきます。
このレベルならMacBook ProのM3でもOKで、MacBook AirのM3でも何とかなる範囲(対象きついかも)ですが、M3 Pro搭載のMacBook ProになるとWindowsの2倍くらいの予算が必要になります。
フルHD
今時ならばそれこそスマホでもタブレットでも切った貼っただけの編集ならなんとかなるといえばなんとかなります。
MacならM3のMacBook AirでOK(メモリは多い方が良いので16GB)。Windowsならストレス少なく編集したいならGPUを搭載した各社のゲーミングPCから選びましょう。オフィス用途PCではグラフィック能力が全然たりません。
GeForceのGPUを積んだここ1〜2年以内のモデルで、CPUはCore i7以上、メモリは多いほど良いって感じであとは予算次第。