ハンディファン(携帯扇風機)は昨年7月比で200%以上売れているそうです(TBS NEWS DIG)。外を歩くとハンディファンを使っている人を多く見かけます。しかし日本古来のツールである扇子というのは多くの面でハンディファンを上回っており、今こそ扇子を見直すべきです。
ハンディファンは売れに売れ….
TBS NEWS DIGによれば 、昨年7月比で200%以上売れているそうです。 しかし巷でハンディファンを使っている人は圧倒的に女性、それも比較的若い女性が多いように思います。日傘同様男性の利用者は女性より少ないようにに思います。
この写真のような風景は珍しくなく、さらには日傘を併用している方も見かけます。
35度を超える気温で使うとアブナイ
ELECOMは、2023年7月31日にX(Twitter)で、次のようにポストしています。
使うのであれば、ミストスプレーや濡れタオルを併用しないといけません。
ミストスプレーを首筋にシュッシュしてハンディファンや扇子で風を当てると気持ち良いであろうことは想像できます。
熱風を浴びているようで気持ち悪くなるくらいだと、次のステップとしてやってくるのは熱中症ですのでハンディファンを使うのをやめて、濡れタオルや濡れハンカチで首筋を冷やすなどしましょう。
体温よりずっと低い温度の風であれば体温を下げる効果がありますが、体温と同じとかそれ以上だと逆効果というわけです。
同じ理由でベビーカーにハンディファンをつけて風を送るのは赤ちゃんに大変危険ということになります。
ちなみにベルチェ素子などで体の接触面を穏やかに冷やすとか、少し冷やされた風が来るようなものだと効果はあるかもしれません。
ハンディファンの欠点
便利に思えるハンディファンですが欠点が多数あります。
- リチウムイオン電池を使っており、落としたり高熱の車内に放置したりすると、発煙・発火の危険が高い(コンクリートの地面などに落としたハンディファンは使わず正しく廃棄)
- 廃棄するときにゴミとして捨てられない(ゴミ収集車や処理場で発火して火事になる)
- 内蔵リチウムイオン電池を正しく処分できるルートが少ない
- 重い
- 充電が必要
- 嵩張って荷物になる
- 音がうるさいことがある
正直なところ、いいことは何もありません。
(製品評価技術基盤機構[NITE]公式)携帯用扇風機「1.損傷したバッテリーが破裂」
結構ショッキングな再現試験結果の映像ですのでぜひご覧ください。
扇子のススメ
そこで見直したいのが日本古来の「扇子」です。
扇子には次のようなメリットがありハンディファンと対極にあります。
- 電源は一切不要
- 自ら発火して火事になる心配がない
- 長年使ってボロくなったら普通の可燃ゴミとして捨てられる
- 軽くてコンパクトなのでバッグの中で邪魔にならない
- ほぼ無音なので、静けさを要求されるような状況でも使用できる
扇子といっても価格は1,000円台から10,000円を超えるものまでピンキリでですが、おすすめは日本の伝統技術で作られた数千円程度のものが、価格と性能?のバランスが良さそうです。
ある意味工芸品でもありますので、上を見ればキリがありません。
扇子を通販で買うのは絶対NGです。 やはり実際にあおいでみないと風の具合がわかりません。
感じ方は十人十色ですが、客観的にみてハンディファンで風を受けている人と扇子で言ったり優雅に仰いでいる人とどちらが涼しそうに見えるかと言えば、筆者は後者だと思います。
扇子を長持ちさせるには?
いいものを買えば長持ちするとは言え、やはり配慮が必要です。
- 用もないのに閉じたり開いたりしない(ドラマでよく見るような…..)
- 使わない時は扇子袋に入れる(特にバッグに入れるとき)
扇子は最初に紙(あるいは布)がに端のほう(「天」といいます)が傷んできてぼろくなってきます。
これは上記2点を守ることで寿命が伸びます。
さらに使い方でも心がけるべきことがあります。
扇子の骨の付け根を束ねている部分(「要(かなめ)」といいます)に紐が通っていることが多いですが、その紐をもって振り回したりしないこと。
扇子を開くときや閉じる時は必ず両手で静かに丁寧に。映画やドラマで見かけるように片手でバサッとやったりしないことです。
この夏はハンディファンから扇子に持ち替えませんか?