大地震発生時、マンション住民は避難所ではなく在宅避難!マンション独自の注意事項は?

住まいと日常
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南海トラフ、東海地震、首都圏直下地震発生に対する備えが叫ばれて久しく、日向沖地震の後、メディアでは避難準備のあれこれなどが報じられています。しかし耐震基準を満たしたマンションでは「在宅避難」が原則となりますが、その生活は普段とは大きく異なります。

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在宅避難への基本的な備え

マンションは在宅避難が原則

筆者宅近隣マンションの方には「自治体の指示よりこのあたりのマンションは在宅避難が原則である」ことをご存知ありませんでした。

基本的には耐震基準を満たしていれば「避難所はもっと困っている人優先なので、ご自宅で安全に居られるのであれば、避難所へは来ないでください」といこと。

東京都では、約 900 万人の都民がマンション等の共同住宅に住ん でいます。耐震基準を満たしたマンション等は、被害が軽微であれ ば在宅避難が可能となります。在宅避難を継続するためには、各家 庭とマンション全体での備えが必要です。
出典:マンション防災 〜日頃の備えと地域での連携が必要です〜 (PDF)

[東京都防災] マンション防災 〜日頃の備えと地域での連携が必要です〜 (PDF)
[台東区公式情報] 集合住宅防災ハンドブック(令和2年度版) 概要版 【地震編】(PDF)
→→自宅に被害がなければ、避難所に行かずに自宅で生活を続ける 「在宅避難」が原則です
[港区公式情報] 「港区マンション震災対策ハンドブック~在宅避難のすすめ~」概要版 (PDF)
→→「大地震が起きたら「避難所」と思っていませんか?」

東京都では、停電時でも水の供給やエレベーターの運転に必要な最小限の電源の確保(ハード対策)や、防災マニュアルを策定し、居住者共同で様々な防災活動を行う取組(ソフト対策)によって、自宅での生活を継続しやすい共同住宅(マンション等)を「東京とどまるマンション」として、普及啓発を図っています。
出典:東京とどまるマンション情報登録・閲覧制度

在宅避難のメリット

  • 避難所では人口密度が高く感染リスクが高くなる、自宅マンションではそのリスクは低い
  • 避難所ではプライバシーがなく精神的に辛くなるが、すみ慣れた自宅では少しでもリラックスできプライバシーも保たれる。
  • 普段から必要な物資をローリングストックしておけば慌てなくて済む。
  • マンションの自治会や防災会による普段からの防災活動で被災生活期を力を合わせて乗り切れる可能性が高い。
  • 同じマンション住民同士で、困っていることも共通する可能性が高く「共助」の活動が期待できる。賃貸マンションでは厳しいかも….。

食糧・飲料水の確保

よく3日とか言われますが全く足りないでしょう。強固なマンションの住民より自宅が居住不可能になった住民に対する救援が優先されます。

さらに広域大規模地震では道路や鉄道の寸断により、物流が途絶えますので、3日程度で必要な食糧などが入手できるのは絶望的でしょう。

自宅マンションの防災会(筆者も役員の一人)では、10日分ほどの備蓄を呼びかけています。

家具倒壊防止

これまた耳タコです。

可能であればお勧めしたいのは壁面収納化です。

よくある突っ張り棒で支えるにはポイントがあります。

手軽でお勧めしたいのは、天井が吊り天井でない場合限定ですが、タンスなどの上部から天井まできつきつに中身を軽くした段ボールを奥の壁際まで詰めることです。

季節外のダウンジャケットや季節外の羽毛布団などを入れておくと収納確保にもなり、定期的にセットし直すので確認できてダブルにお得です。冬場は夏物衣料をしまうと良いでしょう。

書籍など重量物は絶対に入れてはいけません。

我が家で使っているのは、段ボールの中に軽量のジャッキが入っていて、少し天井まで余裕がある高さで壁際まで入れてから、専用ドライバーのようなものでグリグリネジを回すと中のジャッキが上がっていきつっぱります。

揺れで滑りでないようにさえすれば、ジャッキ内蔵でなくてもOKでしょう。少なくとも突っ張り棒より良いです。

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マンション在宅避難特有の備え

実はここからが重要です。

マンション住まいが長い方でも以外とご存知ない方が少なくないようです。

大地震の後はマンションのトイレは使ってはいけない

停電や水道管破損により水道が出なくなることがあるはご存知の通りです。

忘れてはいけないのは「大地震の後は原則としてトイレを流してはいけない」ということ。

万一汚水配管が破損していると、そこからトイレの汚水が漏れて他の住居を汚染してしまう可能性があります。

管理組合や管理会社から「トイレを流して大丈夫」という連絡が来るまでは、使わないようにしましょう。

上層階の人が流すと自分の住居がトイレ排水で汚染されたり、自分のうちが誤って流したトイレ排水により他人の住居を汚染するかもしれません。

非常用トイレを備える

トイレで水を流してはいけませんが、用を足すのにトイレの個室は使って問題ありません。

そういうときに、筆者居住マンション防災会でも推奨しているのがBOSという製品。

これのいいところは、普通の洋式便座がそのまま使えることにあります。

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(Amazon)BOS (非常用トイレ)

間違って水を流さないように、レバーをガムテープや養生テープで止めておくとよいでしょう。

自動水洗便座の場合は洗浄水が流れたり、自動洗浄しないように電源のACプラグを抜いておきましょう。

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これは絶対覚えておこう

風呂に水を溜めておいてそれでトイレを流しても良いのは、一戸建て住宅の話であり、マンションでは下水配管に破損がないことが確認できるまでは絶対にやってはいけない行為です。
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