国のトップにみるスピーチ・演説・プレゼンテーションをスキルの面から比較

日常生活・猫
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菅首相の支持率は読売世論調査(1月15日~17日)によれば、菅内閣の支持率は39%、不支持率は49%とついに不支持が支持を上回りました。いろいろな要因があろうかと思いますが、大きな要因の一つに「コミュニケーションスキルの欠如」があろうかと思います。

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リーダーに必要なスキル

スキル以前に資質というのもがあります。資質というのは生来の性格などもありますが、スキルは繰り返しの訓練で身についていくものです。

リーダーに必要なスキルの一つに「コミュニケーション力」(特に発信力)があります。

「飲みニケーション力」ではありません(笑)。

巨大な組織においては、その中でも特に自分の思いや意思を非常に大勢の相手に伝える力、発信力が重要となります。成長を続けてきた大企業のトップは皆そのスキルを身に着けています。

菅首相の演説やインタビュー、記者会見を見ていて思うのは、菅首相にはこの部分が決定的に欠落しているのではないかと感じます。それが世論調査における支持率急降下につながっているのではないでしょうか?

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菅首相がもっと鍛えたほうが良いスキル

72歳という年齢なので、今更スキルアップもないような気がしますし、長年トップを支える立場で現在のスタイルでやってこられたので、いまさらトレーニングもへったくれもないと思いますので、反面教師として考えてみたいと思います。

演説・スピーチスキル

菅首相の演説や記者会見をご覧になった方はすぐに何が足りないかおわかりになったでしょう。

そしてすぐにチャンネルを変えたくなりませんでしたか?

世界の他国あるいやトップ企業のリーダーの演説画像と比べてください。

次は、非常に印象的なスピーチで、英国ジョンソン首相がコロナ感染から回復され退院されたときのものです。

最後に、1月7日緊急時他宣言再発出のときの菅首相の記者会見です。菅首相の会見は10:20あたりから始まります。

スタッフが一所懸命作成して練り上げられた原稿をお読みになっているのだと思います。

でも、この「お読みになっている」雰囲気が露骨に伝わると思いませんか?

アメリカの大統領だって演説の際には原稿を使っていますね。

ただし、執務室からのスピーチの際にはテレプロンプターを使って、視線が常にカメラに向くようにしています。

反面教師としてみるなら、次のような点に留意すべき(裏を返せば菅首相にとっての改善点)だと思います。

・視線がほとんど原稿に向いていて、聞き手やカメラをほとんど見ない。
・日本語の特性もありますが、それにしても全体的に抑揚が平坦すぎてメリハリがすくない。
・何がポイントなのか、主張のメインポイントがわかりにくい=伝わりにくい。
・重要な点を強調する技として「間」を取るのも重要ですが、この「間」のとり方もよろしくない。
・「思います」表現を多用する癖があり、これが「自信のなさ」として伝わってしまう。

書き出せばきりがないのですが、

全体的に平坦でメリハリがなく何が言いたいのか結局よくわからない。思います表現が多用され意図せず自信のなさとして伝わってしまう。

ということでしょう。

ちなみに、ニュースキャスター出身の小池東京都知事はさすがにカメラの前でしゃべるのはお上手で首長の皆様のなかでもピカイチでではないでしょうか。

ただし、池都知事は間のとり方がうまくない。ニュースキャスターに間というのはよろしくないことかもしれませんが、原稿を見ずにスラスラ・スイスイと立て板に水のごとくおしゃべりになる。ただおしゃべりすぎて何が要点なのかわからなくなってしまうのが難点です。はっきり言えば喋りすぎです。

教育システムの差

改善されつつあるらしいですが、日本の教育はまだまだ受け身で一方的に教師が壇上で喋り、生徒は一所懸命メモをとり記憶し、時々考えて時々質問に答える。

大学でゼミをとるようになり、ようやく少数メンバーの間での議論をするということを学ぶようになる。

このような教育システムで育つと、大勢の前で発表し自分の思い・考えを相手に伝えるというスキルは身につきません。

自分は政治家にはならない、技術者で生きていくのだ!という人も大勢いるでしょう。

研究者としてやっていくのだ!

大いに結構です。

しかし、技術者あるいは研究者として自分の希望する研究や技術開発をするためには、お金と時間が必要です。

企業の中で自分が思う仕事をやっていくためにはお金と時間と人材が欠かせない。それらを確保するためには他人(=会社の上司やトップ)に自分の思いを伝えて共感を呼び起こさせるコミュニケーション力(スピーチや演説、プレゼンテーションスキル)が欠かせないことを覚えておくべきです。

これができないと一生使いっぱ社員です。

国や都道府県のトップの要件としては、こうしたコミュニケーションスキルが必要です。

それでは日本のトップが皆そうしたスキルにかけているというとそうでもありません。

以下は小泉元首相の会見です。

同じ、日本のトップなのですがスピーチの訴求力という点では菅首相とは雲泥の差があります。

菅首相で不足するポイントをあげましたが、小泉元首相の場合はそれらをすべてクリアしているように思います。

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まとめ

こういうわけで、就任以来の菅首相の会見などを見ていると、この人の再選はないだろうなと思わざるを得ません。

企業でいうなら、このトップに会社を任せて良いのかという株主視点です。

かなり危うい….というのが正直な所。

逆にこれからビジネスの世界でトップを目指そうという方は、ぜひこうしたコミュニケーション力は最低限のスキルとして磨くことを心がけてください。

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