HUAWEIがハイエンド・スマートフォン・ブランドのMateとPを売却するという情報を耳にしました。え?まじっすか?ということで情報を追ってみました。
Googleが使えないHUAWEI
アメリカが国家安全保障上の理由からHUAWEIを米国から締め出した結果の一端がスマートフォンにも及んでいて、現在のHUAWEIスマートフォンでは、GMS(Google Mobile Service)が動かない(搭載されていない)という状況になっています。
AndroidスマートフォンはGoogleあってのAndroidであるのは間違いなくて、その前提の上でいろいろなアプリが開発されGoogle Playを通じて配布・販売されています。
GMSが使えないAndroidってやはり相当厳しいようです。
ITmedia Mobileに記事がありました。
筆者の愛機「HUAWEI Mate 20 Pro」はGoogle PlayとAppGalleryの両方が使えるので、常用アプリの主なものでなくては困るものがAppGalleryにあるかどうかをしらべてみたところ、以下のものがありませんでした。
Word、Excelの単体アプリ(Officeの統合版はある)
OneDrive (PersonalではなくBuisiness)
Google Drive (Google Workspaceアクセス用)
Evernote
Spotify
radiko
Yahoo!乗換案内
tenki.jp
PayPay
Amazon
価格.com
Enpass
…等々
これはほんの一例なのですが、PayPayが使えない、Evernoteが使えない、OneDrive for Businessが使えない、ビジネス向けのGoogle Workspaceを使えるGoogleDriveがないとか、もう話もなりません。
GMS(Google Mobile Service)が使えないAndroidは単なる玩具でしかない
影響度は人によって違うとは思いますが、多かれ少なかれ困ることがあるはずです。
やはりHUAWEIスマートフォンのGoogle締め出しは影響はかなり大きくて、Google抜きのAndroidは非実用的です。
MateとPの売却を計画
筆者が調べたのはReutersの記事です。
この記事によれば、HUAWEIのハイエンドスマートフォンで使っているプロセッサKirin(HUAWEIの設計によるもの)チップが米国の圧力で生産できなくなり、結果としてHUAWEIハイエンドスマートフォンに搭載しているKirinチップが入手困難になることも理由としています。
これ以上の情報は今の所ありませんし、同記事によればHUAWEI自身がKirinの製造を行うことも考えているようです。
仮にチップ供給問題が解決しても、Googleのない玩具のAndroidではニーズがついてこないでしょう。
新品スマホに入っている「Googleなんちゃら」ってアプリが全滅なんですよね、少なくとも。
HUAWEIのハイエンドは性能が凄い
筆者はHUAWEI Mate 20 ProでHUAWEIスマホ初体験でしたが、それは申し訳ないけれど当時のXperiaやAQUOSは足元にもよれない性能の良さでした。
・バッテリー持ちがとても良い
・パフォーマンスも良くストレスなし
・カメラもマクロ、夜景、料理などスマホが苦手とするものでも非常に良い
これの後継はSIMフリースマートフォンではHUAWEIしかありえないのが現状なのですが、Googleが使える最後のハイエンドがHUAWEI Mate 20 Proなんですね。
個人的には筆者はこの先Androidスマホをどうすればよいのだろう?とため息しか出ません。
米中関係が融和に向かう兆しは皆無ですし、それどころか中国の傍若無人な振る舞いに対して、ついに欧州も我慢ならず、英国は最新鋭空母クイーンエリザベスをアジアに派遣し搭載機F-35Bを日本で整備、海外領を持たないドイツですらフリゲート艦を日本の南西諸島(中国が虎視眈々と狙っているところ)へ派遣という情報もあります。
スマートフォンは今や日常生活で非常に重要なツールであるが、それを中華製スマートフォンに頼るのは、今の地政学的状況においてあまりにリスクが高すぎるといわざるをえません。
PとMateが非中国圏に売却されれば、例えば台湾企業とかに売却されればそこでGoogleが使えるスマホを再登場させる可能性はありますが、中国がそんなことを許すはずがありません。
状況は相当絶望的。
まとめ
HUAWEIは米国の中国への圧力からスマホでGoogleが使えなくなり、従来Androidでできたことが新しいHUAWEIスマホではほとんどできなくなり、単なる高価な玩具になりさがってしまった。
HUAWEIのスマホはとても素晴らしい性能をもっておりコスパも良く他の追従を許さない。それが故に日常生活で不可欠なものになるのであるが、そうした重要なものを中華製に頼るのは非常にも危険な状況にある。
米国の圧力によりKirinチップも供給が困難になってきている。
こうした背景でHUAWEIはPとMateを手放そうとしている。