水無月といえば旧暦の6月、今で言えば夏真っ盛りを過ぎた8月でしょうか。夏の暑さで水が枯れてしまったということから水無月というと聞いた記憶があります。その水無月という名前の京菓子があります。関東に出店している京菓子店以外では見たことがありません。
旧暦・水無月
水無月=旧暦(太陰暦)で6月というのは学校で習ったと思います。
今の6月といえば梅雨真っ盛りで「水無」どころか「水有」ですよね。まさに「水有月」です(笑)。
では今の暦(太陽暦)ではいつになるのでしょう?
旧暦6月は2021年は7月10日~8月7日。
出典:Wikipedia「6月 (旧暦)」
梅雨明けで台風シーズン前の水不足が懸念され始める時期ですね。
京の夏
京都の夏は暑いです。
京都(市内)生まれで京都育ちの筆者がいうのですから間違いありません。
京の夏は祇園祭に始まり、大文字に終わる。
これは京都が一番暑いのは祇園祭(7月17日が山鉾巡行)から五山の送り火(地元では単に「大文字」といいます、8月16日)までの時期となります。
近年は気候変動で状況が違うと思いますが、筆者が子供の頃はまさにこの言葉どおりです。
京都では「五山の送り火」を通称「大文字(だいもんじ)」といいますが、決して「大文字焼き」とは言いません。京都の人に「五山の送り火」のことを「大文字焼き」というと怒られます。怒られなくても不愉快な顔をされることは絶対間違い有りません。筆者も「大文字焼き」といわれると「それは間違っている!」と反射的に思いますから。
筆者は今で言う京町家みたいな家に三世代で住んでいましたので、お盆になると親戚が集まり、そして8月16日の「五山の送り火」の翌日には帰っていく。
いままでにぎやかだった家がしーんと静まり返りとても寂しかったのを昨日のことのように思い出します。
京都の場合は送り盆は「五山の送り火」とともに街全体で先祖の魂である「お精霊さん」(「おしょらいさん」と読みます)をお見送りします。
多くの宗教行事が観光化していますが(別に悪いことではないですが由来はきちんと知ってリスペクトすべきです)、「五山の送り火」も本来厳正な宗教行事なのです。ですから、五山の送り火の場所の多くは大文字保存会が所有する私有地で立ち入り禁止になっています。
例外が大文字山(如意ヶ嶽とごっちゃになっている例が多いですが、さらに東方にある別の山です)で、ここは普通に登ることができます。銀閣寺の北側から入る登山道が整備されており、大文字の火床も見ることができます。
標高472mの低い山で、筆者は小学生のときに結構頻繁に登っていました(もちろん一人ではありません)。
472mとはいえ甘く見てはいけませんが、でもトレッキングのつもりで登ってみるのもよいかと思います。火床がどうなっているのか、一度自分の目で見てみるのも悪くないと思います。
京の夏菓子「水無月」
ようやく本題の「水無月」というお菓子の話。
水無月(みなづき)は、和菓子の一つ。京都市の発祥。白いういろうの上面に甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けたもので、京都では夏越の祓が行われる6月30日に、1年の残り半分の無病息災を祈念してこれを食べる風習がある。
出典:Wikipedia「水無月 (和菓子)」
筆者は京都生まれですのでよくわかります。
今日の夏真っ盛りを過ぎた8月でしょうか。夏の暑さで水が枯れてしまったということから水無月というと聞いた記憶があります。
下は白いういろうで、上に乗っているのが甘く似た小豆(餡ではありません)です。
もう少しドアップに。
基本的には季節商品でWikipediaの説明通り6月前後が販売の中心となりますが、東京に出店している京の和菓子店「仙太郎」でも購入できます。
仙太郎の「みなづき」:
販売期間:4月7日~8月下旬(店舗により異なる場合がある)
首都圏店舗:東京支社(練馬)、髙島屋横浜店、伊勢丹新宿本店、東武池袋店、三越銀座店、東横のれん街店、京王新宿店
季節限定なので、水無月が食べられる季節になると京の夏は近くなり、五山送り火が終わりそして水無月が終わるとともに京の夏も終わります。
それにしてもなぜこのように白いういろうなのか?
水無月の起源:
平安時代には旧暦6月1日の「氷室の節句」の日に、氷室から氷を切り出して食し暑気払いをする宮中の風習があった。三角形に切った白いういろうはこの氷をかたどったものとも、四角を半分にしたことで1年の半分を示しているとも言われており、また小豆の赤い色にも厄除けの意味があるとされている。
出典:Wikipedia「水無月 (和菓子)」
まとめ
京都には4月ごろから8月ごろまでの季節限定の「水無月」という菓子がある。
白いういろうの上に甘く煮た小豆が乗っている。
東京に出店してる京の和菓子店「仙太郎」でも季節限定で購入できる。