スマホに不可欠な生体認証。コロナ禍でマスク不可欠の現在は顔認証より指紋認証のほうが人気があります。その指紋認証には大きくは画面内センサーと背面センサー等があります。どちらが使いやすいのでしょう?
生体認証の種類
スマホの生体認証で現在普及しているのはiPhoneに代表される顔認証と、Androidで主流の指紋認証があります。
顔認証
顔認証はiPhoneに代表されるドットプロジェクタを使った3D顔認証と、普通のフロントカメラを使って顔を撮影する2D顔認証、いわば平面的なんちゃって顔認証があります。
前者は精度が高く、写真でごまかすことはまず不可能です。iPhone SEを除くiPhone X以降のiPhoneで実装されていますし、筆者が以前使っていたHUAWEI Mate 20 Proも3D顔認証を搭載していますがAndroidではレアです。
後者は立体的に顔の形状を認識するわけではないので綺麗に印刷された顔写真などでも通ってしまう可能性が高く、結果的にセキュリティレベルが低いので利用はおすすめできません。もしオンにしているならオフにすることを筆者はおすすめします。
精度は高く認識も速いですが、いかんせんマスク顔ではNG(対策あり)というのは困りもの。
指紋認証
iPhone SEとiPhone 8以前のiPhoneおよびほとんどのAndroidで搭載されているのが指紋認証です。
今回はこの指紋認証を話題にします。
指紋認証はマスクは関係ないですが、これから寒くなると手袋を外さないといけない、手が乾燥して荒れてくると認識しないといった問題点があります。
さらに指紋認証では機種により認識速度や精度に相当な差がありますし、それらは店頭で試すことも難しいのでなおさら問題です。
買ってから、指紋認証が遅いとか精度が悪いいったことは凄くストレスがたまります。Androidスマホの中でもっともよく使うのが指紋認証の機能なのでこれが使い物にならないとヤヴァいのです。もう投げ捨てたくなること請け合います。
指紋認証のセンサー
指紋認証には大別すると、ディスプレイ内の固定された場所にセンサーが埋め込まれている画面内センサーのタイプと、背面に独立したセンサーを備えたタイプがあります。
上の写真左はGalaxy S21 Ultra 5Gで画面下部の赤枠の中に超音波指紋センサーが埋め込まれています。
写真右はGoogle Pixel 5a(Spigenのケース装着)で赤枠の中が指紋センサーです。
バリエーションとしてはサイドボタン(スリープ・ウェイクボタン)にセンサーを埋め込んだものものあります。
画面内センサー
画面内指紋センサーには指紋を2Dの模様として認識する光学センサーと、凹凸も含めて3D情報として認識する超音波センサーがあります。
超ざっくり比較します。
速いとか遅い、安いとか高いとかいった表現は光学式と超音波式の相対的な比較であり絶対的なものを示してはいませんのでご注意ください。
項目 | 光学式 | 超音波式 |
---|---|---|
コスト | 安い | 高い |
認識精度 | 低い | 高い |
認識速度 | 遅い | 速い |
認識エリア | 狭い | 広い |
保護シート適応性 | あまり保護シートの種類を選ばない | 保護シートを貼ると認識が悪くなる |
スマホの例 | ほとんどの画面内指紋認証のAndroid | Galaxy S21シリーズ、AQUOS R6等 |
超音波式は保護シートの影響を強く受けますので、原則としては保護シートを貼らないのがベストです。
Galaxy S21では出荷時点でディスプレイ保護シートがそれとわからないくらい綺麗に貼り付けられていますので、それを知らずに市販のシートを買い求めて貼り付けて指紋認証が非常に悪いというクレームがドコモショップなどに入ることが少なからずあるそうです。
ドコモショップの店員さんによればお買い求めの際に、予め保護シート貼付されておりその上にさらに貼り付けると指紋認証が効かなくなることがあるので貼り付けないようにと注意をするそうです。
二重にしないまでも、超音波指紋センサーに対応を明記した保護シートでないと多少なりとも精度や速度が落ちるのはほぼ間違いないところなので、超音波指紋認証のスマホでは出荷時貼り付けシート以外は使わない、出荷時のものが剥がれてきたら諦めてそのまま使うのが吉かと思います。
実際問題、今のスマホに画面はそう簡単に傷は付きませんが、ポケットの砂粒とか鍵やコインなどとこすれると意外に簡単に傷だらけになるこもあるそうなのでご注意ください。
背面センサー
このタイプのセンサーは静電容量式指紋センサーが一般的です。
機種により速度や精度の差は非常に大きいです。
Unihertz Jelly 2(所有しています)の認証精度がよろしくない(アップデート前はほとんど使えなかった)のはユーザーの間では有名です。
一方、筆者が所有しているGoogle Pixel 5aの背面指紋センサーは非常に高速で精度も高く、Galaxy S21 Ultra 5Gの超音波式画面内指紋認証より速度・精度は高いように感じます。
異端児のサイドボタン認証
以前、SONY Xperia Z5というサイドボタンに指紋センサーが埋め込まれたものを使っていました。
今のXperiaは知りませんが当時のX5は最低最悪。
指紋登録しても認証精度が悪い!
この件以来サイドボタン埋め込みの指紋認証は個人的には敬遠しています。
まとめ:画面内と背面のどちら?
背面センサーは机上においた状態では使えないのが難点ですが、手に持っている状態では持っている手の人差し指が自然に触れる箇所にセンサーがあるので、非常に使いやすいです。
一方画面内センサーは机上においた状態では簡単に使えますが、手にとった状態だとGalaxy S21 Ultra 5Gのような大型スマホ片手ではやや不安定になりますので、落下を防ぐためには例えば左手で持って右手の人差し指で認証するといった両手認証が安定します。
どちらかが飛び抜けているというわけでもないです。
項目 | 画面内センサー | 背面センサー (側面センサーも含む) |
---|---|---|
机上において使う | 無問題 | 利用不可 |
手にとって使う | 大型スマホだと両手が必要 | 手にとった時に自然に 人差し指が触れる |
トレンド | 最近はコレが主流 | レアになりつつある |
スマホの例(筆者所有) | Galaxy S21 Ultra 5G | Google Pixel 5a |
画面保護シート適用 | 超音波方式では要注意 | 無問題 |
機種による差 | 方式による差はあるが あまり大きくなさそう | やや大きい |
ハズした時の後悔 | あまりひどいのは 聞いたこと無い | 特に側面センサーは要注意 外す可能性高し ぶん投げたくなる! |
あまり指紋センサーの方式でスマホの機種を選ぶことはないと思いますが、迷った時の参考にしてください。
くれぐれもサイドボタンセンサー(側面センサー)には注意してください。
できれば選ばないことを勧めたい。
おまけ:精度を上げるには?
指紋認証の精度を上げるコツを一つ。
Androidでは指紋を5つまで登録可能でが、5つ全部登録する人はレアかと思います。
そこでオススメしたいのは一番良く使う指(大抵は左右の人差し指ですね)を2つ登録するのです。
つまり右手の人差し指を2つ登録するのです。
できれば乾燥気味のときと比較的湿気が高いときの両方などがあるとかなり楽に認識できるようになります。時期をずらせて2本登録するとかなりいい感じになります。