手のひらサイズのスマホで一瞬センセーションを起こしたのが「Rakuten Mini」です。UnihertzのJellyシリーズの最初のモデルは2017年にクラウドファンディングを通じてこの世に出ました。以来、Unihertzは着実にこの路線を続けています。昨今の派手な仕様はありませんが、できるだけ小さいのが欲しい人には選択肢に入ると思います。
Unihertzについて
Unihertzは中国の新興スマートフォンメーカーであり、新興であるが故にXiaomiやOPPOといった中国メジャーメーカーとは一線を画したニッチなニーズに向けて、他に類をみない製品を出しています。
設立:2016年
本社:中国 上海
創業者:Stephen Xu(CEO)
事業内容:スマートフォンと関連商品の製造販売
URL:http://unihertz.com/
筆者が過去に使ったことがあるのは、
・Unihertz Atom
・Unihertz Titan
・Unihertz Jelly 2
です。ミッドレンジCPU採用のものでスペック的には最新には劣りますが、なかなか尖った仕様のスマホでした。
Unihertz Jellyシリーズ
普通のサイズのスマホになると、他の中国メーカーなどで安くて競争が激しいのですが、手のひらサイズになるとUnihertzの独壇場みたいなものです。
シリーズのスペック
Jelly Star | Jelly 2E | Jelly 2 | Jelly Pro | |
発売 | 2023年6月 | 2022年11月 | 2020年7月 | 2017年5月 |
価格(USD) | $222.99 | $169.99 | $219.99 | $124.99 |
サイズ (mm) | 95.1 × 49.6 × 18.7 | 95 × 49.4 × 16.5 | 95 × 49.4 × 16.5 | 92.4 × 43 × 1 |
重さ (g) | 116g | 110g | 106.5 | 60.4 |
SoC | Helio G99 | A20 MT6761D | Helio P60 | MT6737 |
Antutu | 367880 (v9) | データ無し | 201889 (v9) | データ無し |
RAM | 8GB | 4GB | 6GB | 2GB |
ストレージ | 256GB UFS 2.2 | 64GB eMMC + LPDDR4X | 128GB UFS 2.1 | 16GB |
microSD | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
ディスプレイ | 480 × 854 3.0インチ Panda Glass | 480 × 854 3.0インチ Corning Gorilla Glass | 480 × 854 3.0インチ Corning Gorilla Glass | 240 × 432 2.45インチ 通常ガラス |
メインカメラ | 48MP、1/2”、 (Samsung S5KGM2) OISなし | 16MP OISなし | 16MP OISなし | 8MP OISなし |
フロントカメラ | 8MP | 8MP | 8MP | 2MP |
5G対応 | X | X | X | X |
Bluetooth | 5.3 | 5.2 | 4.2 | 4.0 |
3.5mmジャック | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
赤外線ポート | 対応 | 対応 | 対応 | X |
FMラジオ | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
NFC対応 | 対応 | X | 対応 | X |
Felica対応 | X | X | 対応(日本モデルのみ) | X |
バッテリー | 2000mAh | 2000mAh | 2000mAh | 950mAh (交換可) |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
指紋認証 | 背面センサー | 背面センサー | 背面センサー | X |
USB | TYPE-C, OTG | TYPE-C, OTG | TYPE-C, OTG | microUSB |
初期OS | Android 13 | Android 12 | Android 10 | Android 8.1 |
防塵防水 | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
最新モデルJelly Pro
世に出てまだ時間が経っていませんが、メインカメラは大きく進化しました。
センサーには48MPのSamsung ISOCELL GM2を採用しましたが残念ながらOIS(光学手ぶれ補正)は非搭載なので、暗くなると厳しいと思われます。
しかし、近年世のスマホが捨て去ったものが残されています。
・microSDカードスロット
・FMラジオ(非常時には役にたつ、携帯網が破綻しても使える)
・3.5mm イヤホンマイクジャック
・赤外線ポート(学習リモコンとして使えるので想像以上に便利です)
一方で小型化と低コスト故に捨てた機能も結構あります。
・5G非対応(5G SIMは使えます)
・Felica(おサイフケータイ)非対応
・メインカメラの光学手ぶれ補正(OIS)非搭載
・ワイヤレス充電非対応
Jelly 2を使っていた時背面の円形指紋センサーの認識率がよろしくなかったのをよく覚えています。それがJelly Starで改善されているのかどうかがわかりません。何せバカ売れしているスマホではなくローコストで局所的に尖ったものをウリにしているのでユーザーレビューも少なくて。
カメラには48MPのセンサーを使っていますが、どこにも4-in-1ピクセルビニングとかそれに類する記述がありません。
現実問題として48MPをそのまま出したのではJPEGファイルのサイズがデカくなりすぎるので4-in-1ピクセルビニングをかけているはず….と思って実写例を探しました。
この中の48MP撮影をみると8000×6000ピクセルでファイルサイズがなんと25MBもありました。
12MPモードもあるようですが、12MPのときは推測ですが4-in-1 pixel binningしているのではないかと推測します。単純に中央の12MPだけ切り取ると、2x望遠というかナンチャッテ2x望遠になってしまいますから。
これだけで済ませようとするとFelica非対応が気になるところですが、通勤をする必要がない現在の筆者はFelicaは必ずしも必要といえません。NFCは搭載しているのでVisaタッチ決済は使えますし、QR決済はもちろん使えるわけでその点に関してはあまり問題ないように思いますが、ここは個人差大。
小さな画面が有利
Jelly 2を使っていた時に思ったのですが、「Jelly 2ですら意外にさくさく動く」ということです。
画面スクロールや表示において、なにせ480 × 854で3インチと小さいので、画面で遅さを感じることがありませんでした。
ただし小さいが故に文字入力は慣れが必要で、中年以降の方は老眼鏡(おすすめは遠近両用)必須だと思います。
一方小さい画面なのでなんとなくスマホをいじって時間がすぎてしまう依存防止になることもあるかもしれません。もちろんJelly Starだけしかスマホを持っていないということは考えにくいので、他にメインスマホがあるはずなのでこれに関してはあまり効果は期待できないかも。
いずれにせよUS$222.99で買えますので試してみるのも面白いかもしれません。