大地震発生時の在宅避難、必要な備蓄は3日では少なすぎる!最低10日を目安に!

住まいと日常
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  1. 8月8日16時43分頃に向灘を震源とするM7.1の地震が発生し、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。これを機にいきなり防災備蓄品を買いに走る人が多いようですね。一般にマンションでは在宅避難が基本です。そして在宅避難ではよく言われる3日では全然ダメ、10〜14日は最低必要です。
筆者は全500戸程度のマンション住まいで、現在はマンション防災会の役員を務めており、年に一度の防災訓練の実施や防災対策の啓発などを行なっています。
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考慮すべき条件

自宅の種類

  • マンションか一戸建てかで備蓄対策はかなり違う。
  • マンションの場合1981年6月1日以降の新耐震基準を満たしているか否か。
  • 一戸建ては古い木造なのか新しい耐震性の高い住宅なのか。

自宅の立地条件

  • 土地は高台の平地なのか傾斜地なのか窪地なのか。
  • 地盤は強固なのか液状化の危険があるのか。

自治体のハザードマップ

  • 河川氾濫などで洪水になったとき何メートルくらいまで水に浸かるかが示されている。大雨ではなくても地震で堤防が壊れる可能性もある。台風と地震同時襲来の可能性もある。
  • 土砂災害に警戒すべき区域であるかどうか。
  • 地震による揺れやすさ。土地の状況により揺れ方がかなり違います。
  • 液状化の危険度。
  • 建物全壊度(土地をメッシュ状に分割し、その区画内にある建物を調査して、その部分の揺れやすさを掛け合わせて、何%くらいの建物が倒壊するかという推定危険度)。
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在宅避難か避難所への避難か

考慮すべき事項で、新耐震基準を満たしており高台平地に立っているようなマンションである場合と、揺れやすい地盤の古い一戸建てとは発災後の対応が全く違います。

在宅避難

新耐震基準を満たしており地盤も問題ないマンション、一戸建てでも倒壊や焼損・浸水・流出の危険性がない場合であれば、原則として在宅避難に備えるべきです。

在宅避難では備蓄が重要になります。

筆者宅(マンション)は自治体からも発災時は原則として在宅避難でお願いします、と言われているので各種備蓄は必須です。

在宅避難が前提なのに備蓄を疎かにして緊急持ち出しリュックだけを備えるのは愚かなことだと言えます。

避難所への避難

建物や土地の状況から発災時にはかなりの高確率で避難が必要になると想定される場合は、メディアでも報道されるような、非常持ち出しの準備が必要でしょう。

重要なものを非常持ち出しに全部いれてしまうと、空き巣狙いの格好のターゲットになります。

いざという時にはすぐに取り出せないといけませんが、いざ出ない場合にはすぐに取り出せない・見つかりにくい場所などにすることも必要です。

通帳や印鑑や重要書類などは銀行の貸金庫に入れることも選択肢となります。

キャッシュレスの時代だからこそ、ある程度の現金や小銭は用意しておきましょう。

どちらともわからない

一戸建てで倒壊や浸水の恐れはほとんどないと思われるけど、近隣には古い日本家屋が多いような場合は火災の巻き添えを食うかもしれませんし、耐震診断でOKと言われても、何度も震度7に耐えられるようには出てきいないと思われます。

基本的に一戸建て住宅では、在宅避難と避難所への避難の両方の可能性を考えるべきでしょう。

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避難所へ行ってはいけない人

「マンション住まいの人」は原則として避難所へ行ってはいけません。

東京都港区の「港区マンション震災対策ハンドブック~在宅避難のすすめ~」概要版から抜粋します。

(出典:「港区マンション震災対策ハンドブック~在宅避難のすすめ~」概要版

マンションは自宅が居住可能であれば原則として「避難所へ行ってはいけない」のです。

・避難所は自治体の住民全員を快適に収容できるようなスペースも備蓄もない
・低地や倒壊の恐れが高い古い家の居住者を収容するので目一杯になる

在宅避難は最低10〜14日程度の籠城覚悟が必要です。

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在宅避難の備蓄品

よく3日とかいいますが絶対足りません。

南海トラフ・東南海・首都圏直下型といった広域大規模な地震において、3日で物流が少しでも回復することは絶望的です。

最低でも10日間できれば2週間の備えが必要です。

水や飲み物・食料やおやつは10〜14日分ストックしておき、賞味期限が近づいたものから普段の食事で消費し、消費した分を買い足すローリングストックが原則です。できれば消費前に消費予定料を買う方が必要ストックが減らなくて済みます。

飲料水最低3L/人・日4人家族の14日分では144L、
2Lボトル72本、
6本入りが12箱。
500mlボトル冷蔵庫が使えないので開栓したら水は早くに腐り始める、絶対に直接口をつけない。
500mlの小ボトルも必要、目安は2本/人・日、
4人家族14日で24本入り5箱。
飲み物缶入り野菜ジュース24本入り2ケースほど。
紙パックは保存日数が短いのでだめ。
200ml程度の缶入り一択。
食料10〜14日分をローリングストック非常用食料ではなく、普段から食べている缶詰やレトルト食品やインスタント食品を多めにストックして、食べた分を補充。
おやつ好みのものを適量甘いものはカロリー補給になり、気持ちを和らげます。
ペットグッズ餌・トイレ用品流通復活は人間最優先。最低で2ヶ月分、できれば3ヶ月分くらいストック。
カセットコンロとガスボンベ多すぎると危険危険物ですので多量すぎるのは火事の元です。秋冬に鍋料理をしてローリングストック。
耐熱ポリ袋(アイラップ)鍋とお湯だけでご飯をたく、普通のポリ袋は耐熱性が低くてNG。
無洗米5kg * 2袋〜3袋普段のお米を無洗米に切り替える。非常時に大切な水を米を洗うのに無駄にできない、普段からの水質汚染の原因を減らす。
非常用トイレと防臭袋7回/人・日4人家族14日分では約400回分、10日分で280回。BOS一択。(マンションでは必須)
トイレットペーパーとティッシュペーパー、生理用品1〜2月分くらいは必要衛生用紙の約30%は静岡県内で製造されており、南海トラフ地震ではこれがすっぽりなくなる可能性あり。
LEDランタン・LEDライトLEDライトは部屋に一つLEDランタンには常に電池を入れておき1年間で無条件交換。
ポータブルラジオ(FM)と携帯ラジオ(FM)AMは入りにくいので、AMラジオをFで聴けるFM補完放送が聴けるワイドバンドラジオ手回しラジオは労多くして得るものが少ないので推奨しません。まして手回しで携帯充電とか絶対無理
乾電池Amazonの単1〜単4を箱買い、ラジやライト用使用期限1年前になったらローリングストック的に使い新しく買う。バラやパックより保管しやすく割安。
モバイルバッテリー10,000mAh以上のものを1人1個。Anker以外の中国製は絶対不可。常に目につくところに置く(万一の発煙発火のため)
ポータブルバッテリー(できれば)常に充電状態にしておく
処方薬2週間分くらいは余分に余分には処方してもらえないでしょうから、定期通院を少しずつ前倒しにしたりして余分をストックします。
現金通信停止や停電でキャッシュレスが使えない小銭や少額紙幣をある程度用意しておきましょう。何十万円とかは不要ですが数万円程度はね!できれば千円札と小銭のほうがいいです。
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マンションでは大地震直後はトイレは使用禁止

排水管がダメージを受けており、汚水が階下のお宅に漏れる可能性がありますので、管理組合などから使ってOKの指示がでるまで使用禁止です。

そのためには自宅トイレの便器にセットできるような非常トイレが必要となります。

防臭袋(ガスバリア性能の高い袋)も必要です。普通のポリ袋では悪臭が漏れてきます。排泄物の悪臭は時間が経つほどえげつないものになるのは想像に難くありません。

人間の尊厳を守るためにもトイレ対策は不可欠です。

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災害時にも温かい炊き立てご飯を食べる方法

詳細は以下の動画を見ていただきたいですが、耐熱温度120度という耐熱性のポリ袋(アイラップ)と無洗米を使います。

通販で買わなくても、大きなスーパーのポリ袋売り場などにおいてあると思います。

筆者も実際に試しましたが、簡単かつ想像以上に美味しいご飯ができます。好みでゆかりとかおむすび山のようにご飯に混ぜて頂けるものを入れても良いでしょう。湯煎調理なので油ものはだめですが、シーチキン(スープ煮)とかもいいと思います。

本当に思った以上に美味しく食べられます。

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継続は安心につながる

ここで紹介したような備蓄(ローリングストック)が必要量あるお宅は防災会役員の経験からしても非常に少ないです。

マンション住まいの方は建物は大丈夫の可能性が高いですが、ライフライン回復までには時間がかかります。

どこかで地震がおこったから買いに走るのではなく、平時にこそローリングストックの備蓄品を炊くわけて、いざというときの不安要素を減らしましょう。

防災対策は一朝一夕にはできません。

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