SONYラジオの名機、ICF-801のガリが出るボリュームを交換!

4.5
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SONYのポータブルラジオICF-801は2009年12月24日に発売されたAM/ワイドFM対応のMADE IN JAPANの純国産アナログチューニングポータブルラジオです。現在はラジオといえばほとんど中国製ですが、ICF-801は製造終了した現在でも中古市場で人気があります。数少ない欠点はボリューム調整が経年変化でガリガリと音を立てる(ガリオーム)こと。そこで愛機延命のためボリュームを交換しました。

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ICF-801の特徴と定格

当ブログでも一度取り上げています。

定格は以下の通り。

対応バンド;AM/FM (ワイドFM対応)
チューニング:アナログ方式
電源:単2電池3本使用、または電灯線
電池使用時間:アルカリ電池・スピーカー出力でAM180時間、FM170時間
スピーカー:10.2cm, 500mW
イヤホンジャック:モノラルミニ
サイズ:228.7×138×63.7mm
重さ:970g

なんといってもMADE IN JAPANであり、秋田県にある十和田オーディオ株式会社製造のものです。十和田オーディオはソニーのラジオの中上位機種を製造受託している会社で、品質の良さでは定評があります。

ICF-801は、アナログチューニングでの操作の簡単さ、大型スピーカーでポータブルラジオとしてはかなり音が良く170時間という長時間電池駆動という特徴があります。

ICF-801は電源スイッチが独立しており、音量つまみが電源スイッチを兼ねている(左に回し切るとカチンとクリック感があって電源が切れる)わけではなく、回すことも少ないため割と耐久性が高くないボリュームが使われているようで、ボリュームをほとんど回していないのにガリオームになってしまいました。

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分解とボリューム交換

さて、分解ですが昔のラジカセなどと同様に分解そのものは難しくありません。

まず裏蓋6箇所(写真下の赤丸部分)のネジを外します。プラスチック筐体へのセルフタップネジなので優しく緩めましょう。

裏蓋と基盤と表側は配線で繋がっていますので、いきなり裏蓋を力任せにひっぺがすと後悔先に立たずという状態になります。静かに優しく中の様子を見ながら写真下のようにばらします。

今回はボリューム交換だけですので、全てを外す必要はないので下の写真のようにボリュームの部分だけがいじれるようにはずします。

基板そのものを外そうとすると、アナログチューニングメカも外さねばならないのであとあとやっかいですからここはそのままに。

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下の写真で青丸がボリューム本体、赤丸が外すべきハンダの箇所(5箇所)です。

ハンダはハンダ吸取線と半田こてを使ってハンダを溶かして吸い取ります。

下の写真がハンダを吸い取って古いボリュームを外した直後です。何も拭き取っていないのでフラックスで汚れていますが….

ピンセットでハンダづけが完全に外れていることを確認して、少し押すとボリュームが外れますので基板を少し持ち上げてピンセットで取り出し、新しいボリュームを差し込んで元の位置に嵌め込んで半づけします(写真下)。芋ハンダや天ぷらハンダでないこと、ショートしていないことを黙示確認して(できればルーペを使う)修理完了。

あとは元に戻して裏蓋をつけます。

ネジを閉める前に仮組み状態で電池をセットして動作を確認します。

ネジを閉める前にハンドルをつけるのをお忘れなく。

筆者はネジを閉めてからハンドルつけ忘れに気づきました(笑)。

プラスチックの筐体にセルフタップネジなのでネジを閉めすぎないようにくれぐれも注意しましょう。

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使ったパーツ

そもそも元々のパーツがわからないのでネットを探しまくって情報を集めました。どうやら以下のパーツが適合するようです。

メーカー:ALPS ALPINE
分類:可変抵抗器
型番:RK09K1110B1R
操作部方向:Horizontal
取付:スナップイン
取付面〜軸の中心まで:10mm(H=10mm)
操作部長さ(LM1):15mm
外形幅:9.8mm
全抵抗:50kΩ
抵抗変化特性:15A
センタークリック:なし
軸根本のカラー:なし
軸形式:平軸
[購入オンラインストア] コアスタッフオンライン
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純正ボリュームとの違い

とりはずしたボリューム(可変抵抗器)をテスターで測ると全抵抗は42kΩでした。ALPS ALPINEの仕様では全抵抗の誤差は±20%までとされているので、これをあてはめると誤差範囲内であり、規格上は50kΩのボリュームだと思われます。

オリジナルのボリュームの操作部の長さ(LM1)は20mmに対して、RK09K1110B1Rは15mmしかありません。

写真下はオリジナルのボリューム。

写真下は用意したRK09K1110B1Rで、軸が短いことがわかります。

軸の長さが5mm短いための、ボリュームつまみを嵌めるとケースに接触してしまい回転が重くなってしまいますが、それを除けば動作に支障はありません。

ALPS ALPINEのWebカタログを調べても、このタイプで全抵抗50kΩで操作部の長さが20mmのものは存在していません。それどころか「RK09K1110B1R」も載っていません。

操作部の長さが20mmのもので50kΩのものは現在は存在しないようですが、10kΩのものは存在しています。

メーカー:ALPS ALPINE
分類:可変抵抗器
型番:RK09K1110B26
操作部方向:Horizontal
取付:スナップイン
取付面〜軸の中心まで:10mm(H=10mm)
操作部長さ(LM1):20mm
外形幅:9.8mm
全抵抗:10kΩ
抵抗変化特性:1B
センタークリック:なし
軸根本のカラー:なし

RK09K1110B1Rとの違いは操作部の長さが20mmでオリジナルと同じになりますが、全抵抗が1/5の10kΩであるのと、抵抗変化特性がB型になることです。

音量調整として10kΩになることよりB型になることのほうがインパクトが大きくて操作したときの音量変化に心配があります。

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抵抗変化特性(A・B・C)について

抵抗変化特性とは、回転式ボリュームでは回転角度と抵抗値の変化の度合いのことを示します。

一般に抵抗変化特性はA、B、Cと三種ありまして、音量調整でいえばBはボリュームの回転角度と比例して音量が変わりますが、Aは音量が小さい間は変化が少なく、音量が大きくなると変化も大きくなります。CはAの逆です。

人間の耳は音量が小さい場合は少しの音量変化でも気づきますが、音量が大きくなると少しくらい音量が変わっても認識しにくいという特性があることから、ラジオやステレオのオーディオ機器の音量調整にはAカーブのボリュームが使われます。

Bカーブのようにリニアに変化するものは、測定器や電子回路の調整などに使用されます。Cカーブのような特性を持つボリュームはオーディオ機器では音量ではなくトーン調整に用いられることが多いようです。若い頃の電子工作に明け暮れた日々を思い出してもC型を使った記憶はありません。

パーツ屋さんで普通に扱っているのはAカーブとBカーブがほとんどで、Cカーブはレアのように思います。

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それらしいパーツ

さらにネットでパーツを探しました。

メーカー資料を見てスペックや各部寸法・取付のプリント基板のホール(穴)の寸法などこれがあいそうです。

メーカー:Bourns Inc.
シリーズ:Pro Audio PTV09
型番:PTV09A-2020F-A503
操作部方向:Horizontal
取付:スナップイン
取付面〜軸の中心まで:10mm(H=10mm)
操作部長さ(LM1):20mm
外形幅:9.8mm
全抵抗:50kΩ
抵抗変化特性:対数(Bカーブ)
センタークリック:なし 軸
根本のカラー:なし

こちらもコアスタッフから購入できますので、そのうち購入して再度取り替えようと思います。

[購入オンラインストア] コアスタッフオンライン

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