新人の頃「違っている!」と叱られたことは大抵の人は数知れずではないでしょうか。叱るほうはその人のポリシーでちゃんと説明してくれる人と、それくらいテメェで考えろって人がいます。この話で一つ思い出したことがあります、それはSyntax Error。
Syntax Error
若い人は知らないと思いますが、パソコンの前身であるマイコンの時代、BASICというインタープリター言語が一斉を風靡した時代があり、NECのPC-8001とかが人気を博したことがあります。
BASICという言語を実行できるようになっていて、それで自分でプログラムを組んだり、他人がつくっものをロードして楽しんだ盧した訳です。
このBASICというプログラム言語のインタープリターが何とも不親切でありまして、苦労して作って入力して実行(RUN)するわけですが、当然のごとく間違いがある。
そのときPCが返してくるのが「Syntax Error」(文法誤り)というつれないもの。
このときBASICのインタープリターは入力されたプログラムの何行目のどこがおかしいと判断したのかわかっているわけです。それなのに「Syntax Errror」かよ。
その後、筆者が作ったインタープリターでは、間違いだと判断した行を画面に表示し、その箇所をキャレット(上向三角「^」)で示すようにしました。
もちろん間違いは実はそこではなくて、他の箇所の誤りが影響している場合もあるわけですが、単に「間違っている」といわれるよりはるかに親切です。
誤りは正しく指摘する
相手が人になると少々事情が違ってくることはありますが、経験の浅い新人だと具体的に指摘する必要があります。
・どこが間違っているか?
・なぜそれがあやまりなのか?
先のSyntax Errorはこの3段階以前の「誤りがあること」だけを指摘しているわけです。
実務でいえば、貴方が新人に資料作りを命じたとしましょう。そして一所懸命につくった資料を見てくれと貴方のところに持ってきました。早速見たところ随所に誤りがありました。さて、どうしますか?
Syntax Error的対応:
○○君、この資料は間違っているぞ(誤りがあるこを指摘する)、と突き返す対応。
普通の対応:
○○君、資料作成ご苦労様。XXページのここと、YYページのここが変だよ(誤り箇所を指摘する)、よく見て直してくれないか。
育成的対応:
○○君、資料作成ご苦労様。XXページのここと、YYページのここが変だね(誤り箇所を指摘する)、その前のページの数字はこうなっているのだから、XXページの君の書いた数字には結びつかないね。こうなっているのかね?(誤った原因を考えさせる)
筆者が現役マネージャー時代の対応は「普通の対応」と「育成的対応」の中間だったように思います。
少なくとも、どこが間違っているのか?なぜそれがあやまりなのかを指摘する、あるいは考えさせるくらいはやっていました。
まとめ
ご意見はいろいろありますし、指導の方法・考えも様々だと思いますが、「間違っている」だけではやはりよろしくないし、何より業務の効率も悪い。
唐突に「Syntax Error」という2語が頭に浮かんだ結果この記事になりました。
これが相手が子供になると、誤りの指摘はとても大切な育成の一つです。
それが我が子でも他人の子でも…。