昨日の記事「大型センサー搭載高性能コンパクトデジタルカメラ、どれを買えば良い?」の中で取り上げたRICOH GR IIIとIIIxはとても魅力的なカメラです。筆者もいずれ入手したいと思いますので、今回はその魅力を取り上げます。
GR IIIとGR IIIxはどんなカメラか?
唯一無二の存在、最強のスナップシューター
スマートフォンにほぼほぼ侵略されて敗退したのがミドルレンジ以下のコンパクトデジタルカメラですが、スマートフォンを絶対寄せ付けないクォリティを持つのが1インチ以上の大型センサーを搭載したハイエンドコンパクトデジタルカメラです。
そのハイエンドコンパクトデジタルカメラの中で異彩を放つのがRICOH GR IIIとGR IIIx。
現在製造されているモデルの中で、単焦点のレンズ一体型でAPS-Cサイズのセンサーを搭載した実用的な唯一無二の機種となります。
GRの魅力:
・明るい単焦点レンズ(28mmまたは40mm)
・トップクラスの高速起動(0.8秒)
・軽量(257g)
・9枚羽根虹彩絞りとAPS-Cという大型センサーによる綺麗なボケ
GRの5つのポリシー:
・カタログスペックだけの数字競争はしない
・流行りの機能というだけで搭載しない
・目立たせるだけのデザインはしない
・安易なモデルチェンジはしない
・いつも挑戦し提案する姿勢を失わない
(出典:リコーイメージング GR STORY https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/gr_special/story.html )
GR CONCEPT MOVIE(日本語字幕)
GR CONCEPT MOVIE(日本語字幕) from GR official on Vimeo.
こうした特徴がゆえに「最強のスナップシューター」と称されますが、一方じっくり構えて撮る楽しみも提供してくれるでしょう。
GRの単焦点
コンパクトデジタルカメラは構造上沈胴式レンズ(電源をオフにするとレンズが引っ込むタイプのレンズ)を採用していますのでレンズ枚数が増えたりズーム機構が入るとどうしても大きく(長く)重くなります。
レンズ構成などをGRと昨日取り上げた他の機種の一部と比較してみましょう。
機種 | センサー | レンズ構成 | F値(解放) | 焦点距離(換算) | 絞り | 重さ(電池込み) |
RICOH GR III | APS-C | 4群6枚(非球面レンズ2枚) | F2.8 | 28mm | 9枚羽根虹彩絞り | 257g |
RICOH GR IIIx | APS-C | 5群7枚(非球面レンズ2枚) | F2.8 | 40mm | 9枚羽根虹彩絞り | 262g |
SONY RX100V (RX100M5A) | 1インチ | 9群10枚(非球面レンズ9枚) | W端:F1.8 T端:F2.8 | 24-70mm | 7枚羽根虹彩絞り | 299g |
CANON PowerShot G1 X Mark III | APS-C | 8群9枚(両面非球面レンズ3枚、片面非球面レンズ1枚) | W端:F2.8 T端:F5.6 | 24-72mm | 9枚羽根虹彩絞り | 399g |
上記のレンズ構成を見ると分かる通り、単焦点だとレンズの枚数が少なくてすみますしズーム機構がないので構造がシンプルになり、結果として軽量かつコンパクトになります。
GR IIIは257gで、PowerShot G1 X Mark IIIに比べるとバリアングル機構がないこともあって142gも軽いです。これは手に取ると分かる激烈な差です。バリアングルもファインダーもないので不便といえば不便ですが、一方でフットワークの軽さでは天下一品。高速起動とあいまって最強のスナップシューターと呼ばれる一つの要因でもあります。
また明るいレンズ(F値が小さい)でAPS-Cという大型センサーゆえに綺麗なボケを出すことができます。このボケというのがスマートフォンの小型センサーではとても苦手でAIやソフトウェア処理を駆使してなんとかボケっぽくしているのが現状であり、カメラ的にはかなり邪道なんです。ポートレートで背景は綺麗に円形ボケさせたいのに、スマートフォンで撮ると背景もくっきり目立ってしまい、写真を見る人の視線が泳いでしまったりします。
さらに沈胴式のレンズにおいて、レンズ枚数が少なくズーム機構がないというのは故障のリスクが小さくなることを意味します。シンプルなものほど壊れにくいのは世の道理です。
起動が恐ろしく速い
店頭で実機を触るとわかりますが、起動が恐ろしく速いです。
機種 | 起動速度 |
RICOH GR III | 0.8秒 |
RICOH GR IIIx | 0.8秒 |
SONY RX100V (RX100M5A) | 1.4秒 |
CANON PowerShot G1 X Mark III | 1.7秒 |
RX100Vは筆者所有機種ですが、沈胴式ズームレンズなのでGRに比べるとレンズが全部繰り出し終わるのに時間がかかります。これはPowerShot G1 X Mark IIIも同様ですが、PowerShot G1 X Mark IIIはRX100Vよりもっと遅く感じます。
これらを触った後に、GR IIIやGR IIIxを触ると「超絶爆速」です。たった0.6秒とはいえかなりの体感差ですし、PowerShot G1 X Mark IIIに至っては0.9秒と1秒近いので体感ではっきり分かる差なります。さらに単焦点でありズーム調整とかしなくて良いのでシャッターチャンスを逃しません。
0.8秒という起動時間は、スマートフォンでホーム画面を操作してカメラアプリを起動したり、サイドボタンでカメラアプリを起動するよりも圧倒的に速く、1インチ以上のセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラの中ではおそらく最速だと思われます。
とにかく機会があれば店頭で試してみてください。他機種を触った後にGRを触ると間違いなく驚くはずです。一眼を操作した後でも起動時間のストレスは全くありません。
スマートフォンのカメラの最大の弱点はスナップシュートできないこと。取り出してから撮影できるまでにそれなりに時間がかかってしまうのが最大の欠点といえば欠点。ここにもGRの存在意義があります。
いずれ買いましょう
今はちょっと無理ですが、そのうちGR IIIxを手にしたいと思っています。