消費喚起を狙いとして呼びかけが始まった毎月最終金曜日に15時を目処に仕事を切り上げようというプレミアムフライデー。
はっきり言ってナンセンスです。
週末なので早く帰れる人はとっくに早く帰っているでしょう。自分の仕事は終わっているのに義理残業するなんざ今どき超ナンセンス。義理残業をしないで評価が下がるような職場ならとっとと転職したほうが身のためです。無理に15時に切り上げても、翌週の残業が数時間増えるだけってケースも多いのでは。もちろん業務効率化をすすめるにしても限界があります。
この制度を考えたお役人たちは、カスタマー・ファーストやCSなんざ一切関係ない世界で生きているので、「窓口なんざぁ、15時閉めれば勝ちさ、やってくる利用者は追い返せ」ということでしょうか。
しかし、一般の企業は取引先がありお客様があります。休日でもないのに営業時間前に閉めるわけにはいきません。結局、15時退社ができるのは、もともとフレックス勤務を導入している会社や部門、内勤スタッフの一部でしょう。
プレミアムフライデーなんて下らないことを考えるより、土曜日に重なる祝日を月曜日に振り返るようにするというほうが余程効果が高いのは間違いないです。
- もともと、設定されている休日なので年間休日数が新たに増えるわけではない。
- 三連休になることで、小旅行などの消費は間違いなく喚起できる。
土曜日と祝日が重なることで、本来なら2日分のレジャー・外食消費が期待できるところが1日分しか得られない。
祝日は「国民の祝日に関する法律」て規定されています。これの第三条に『「国民の祝日」が土曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」および「日曜日」でない日を休日とする。』という第3項を追加すれば良いのです。WBSの報道によれば2017年の祝日が土曜日と重なることで2,600億円の経済損失があるとか。算出根拠などが明示されていないので眉唾ではありますが、少なくともレジャー・外食は土曜日と重ならない時よりも減ります。週の真ん中にポツンと祝日があるより、三連休になるほうが圧倒的にレジャー支出は増えるはずですものね。日本経済は基本的に個人消費が低迷しているので盛り上がらない。ぜーんぶ、投資に回るならいいですが、日本人は投資にも消極的。間接的には銀行預金や保険などが投資に回っていますが、せいぜいその程度で、下手すりゃ何の経済効果ももたらさない死に金のタンス預金。そいつを引き出す一つの策が三連休。
もっと有給休暇消費しろという声もありますが、欧米先進国は国にもよりますが有給休暇は100%近く消費し、なおかつ10〜15日程度の祝日がある。さらに、残業も基本的にはしない。GDPをそうした年間実総労働時間で割って比較すると、ある種の生産性比較ができますね。探してもなかなかこの数字が見当たらないのですが….。
ともあれ、「国民の祝日に関する法律」の改正で土曜日と祝日が重なったときも振替休日ができるようにしてほしいです。