16回目の金沢

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先週後半に休暇をとって16回目となる金沢おじさん一人旅をしてきました。

日程は二泊三日。泊まったのは定宿となっている小さなところ。顔を覚えてもらっているので、黙っていても顔パスチェックイン。お店にせよ宿にせよ顔を覚えてもらっていて、常連さんとして対応していただけるのは非常にありがたいことです。

よく聞かれるのですが、そんなに同じところばかり行ってもう見飽きたでしょう?って。

ある意味では当たっています。表面だけの観光のみを考えるならそうかもしれません。私も最初のうちはそうでした。

しかし、今を遡ること500年以上前、加賀一向一揆の時代、百姓をもって治めたる国と言われた時代が一世紀ほど続き、その後、1583年に前田利家公が金沢城入城し、加賀百万石の時代が始まるわけです。

これだけだと、教科書歴史でしかありません。しかし、その地を訪れて数百年昔に思いを馳せるのは、実は非常に楽しいものです。

金沢は京都同様に戦災で焼かれずに済んだ街です。したがって古地図ほぼそのままに道路や一部の建物が残っていたりします。それは京都も同じです。

京都は公家の街、金沢は言わずと知れた武家の街。京都の街は碁盤の目のように道路がきちんと整備されていますが、金沢は金沢城に近づくにつれ、まっすぐな道路は少なくなり、曲がりくねったり曲がり角だらけだったりします。これは攻め込む敵兵士を惑わせるためとも言われています。

江戸の大名の中ではダントツ一位の石高を誇った加賀百万石の国。しかし、それが故に、常に幕府から睨まれていて、いつ謀反を起こすのか幕府側も監視を怠らなかったわけで、いわば密かに思う仮想敵国は他ならぬ幕府そのものだったわけです。

中学高校のときは歴史は大嫌いでした。年号と人名の暗記科目以外の何者でもなかったからです。しかし、大人になって旅行をするようになり、歴史にも興味を持つようになってからは話は違います。

金沢の面白いところは歩ける街だということ。歴史を訪ねて行くには車ではダメです。徒歩、これに限ります。それに金沢市内は駐車場もさして多くなくわかりにくいので、観光には北鉄バス(観光用じゃないほう)と徒歩です。幸いにも金沢の中心部はせいぜい10㎢くらい。つまり一辺が3km程度のわけなので、天候さえ問題なければ十分歩いて回れます。

  • 長い歴史
  • 歩いて回れる広さ
  • 疲れていても市内は北鉄バスがたくさん走っているので不自由ない
  • 日本海の海の幸に恵まれている
  • 加賀の銘酒

そんなわけで、お気に入りの場所で時を過ごし、加賀の国の歴史の一端を学びながら歩き、美味しい回転寿司を頂き(金沢の回転寿司は東京のそれとはまるでレベルが違います、雲泥の差です)、美味しい加賀の銘酒を頂く。

それだけで十分な旅の理由です。

さて、次回は秋かな。

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