iPad Proは進化してこれはもうMacを凌いでいる!なんてよく言われています。そういうメディア記事を読んでいると、どちらを買おうか迷ってしまう方も多いと思います。当ブログではWindowsモバイルノートと比べたりしていますが、それじゃMacはどうよ!メディアの記事の中にはMacは不要みなこと書いているのもあるけどさ!というわけで、お金を払う視点で冷静に比較しましょう。
比較するもの
できるだけハードの仕様を近くしましょう。
ストレージはガンガン使うことを前提にすると経験的には1TBがベターです。価格を考えると512GBに抑えたいですがストレージは後から増設や交換ができないのでここは奢りましょう。
iPad Proのメモリは増やせませんが、MacOSの場合は経験的に16GBあると楽になりますし、8GBのときのときおり感じるひかっかりなども相当減ります。32GBまでは贅沢だとしても16GBは決して贅沢ではありません。
iPad Proはその機動性を考えるとWifi+Cellularが大前提だというが筆者の持論です。Macも本当はLTE通信内蔵モデルといいたいところですがそんなものは存在しないのでWifi Onlyです。
・iPad Pro 2020 11インチ 1TB Wifi+Cellular、Magic Keyboard
・iPad Pro 2020 12.9インチ 1TB Wifi+Cellular、Magic Keyboard
・MacBook Air 13インチ 1TB、メモリ16GB、第10世代Core i5-1.1GHz
・MacBook Pro 13インチ 1TB、メモリ16GB、第8世代Core i5-1.4GHz
仕様と価格比較
いつもように仕様比較です。
iPad Pro 11 | iPad Pro 12.9 | MacBook Air | MacBook Pro | |
CPU | A12Z Bionic | A12Z Bionic | 第10世代 Core i5 1.1GHz | 第8世代 Core i5 1.4GHz |
ディスプレイ | 2,388 x 1,668ピクセル解像度、264ppi | 2,732 x 2,048ピクセル解像度、264ppi | 2,560 x 1,600ピクセル解像度、227ppi | 2,560 x 1,600ピクセル解像度、227ppi |
メモリ | 6GB | 6GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB | 1TB | 1TB | 1TB |
LTE通信 | ○ | ○ | X | X |
大きさ(mm) | 247.6 x 178.5 x 5.9 | 280.6 x 214.9 x 5.9 | 304.1 x 212.4 x 16.1 | 304.1 x 212.4 x 15.6 |
重さ(g) | 473 | 643 | 1,290 | 1,400 |
Magic Keyboard (g) | 597 | 687 | - | - |
Apple Pencil (g) | 21 | 21 | - | - |
合計の重さ | 1,091 | 1,351 | 1,290 | 1,400 |
合計の価格(税込み) | 223,410円 | 252,010円 | 192,280円 | 214,280円 |
GeekBench 5 Single | 1123 | 1127 | 955 | 915 |
GeekBench 5 Multi | 4697 | 4701 | 2548 | 3919 |
GeekBench 5 Metal | 11923 | 12209 | 5032 | 7007 |
メディアが報じてきたようにGeekBenchで見る限りはiPad Proはこの仕様のMacBook Air/Proを上回っています。
だからといってiPad ProがMacBook Air/Proの代わりにはなりえないことに注意すべきです。
MacBook Air/ProのOSはMacOS Catalinaで、iPad ProはiPadOSで両者は全くことなるものです。
一番良く使う機能では3つ以上のウィウンドウを同時に開くマルチウィンドウに対応していますがiPadではそれはできません。
iPad Proをつかっていて複数資料を参照しながら文章を書くときに一番いらつくのがこれです。
Microsoft OfficeにしてもMacOS版にはAccessとPublisherがないほかはWindows版とほぼ同じように使えます(VBAなどは一部ことなるらしい)が、iPadOS版は本当にサブセット的なものです。単純計算のEXCELくらいならいいですが、ちょっと複雑になったりWordでも装飾が多くなるとアウト。
経験的にiPadでOfficeを使うのはきわめて限定的なシチュエーションに限られ、決してWindows版やMac版のような使い方はできない。
iPad Proが有利・不利な使い方
まずお断りしておきたいのは、価格と重さと機動性と機能を考えると、総額で25万円を超えるiPad Pro 12.9が有利なシチュエーションは極めて限られていますので、このフル構成では選択肢から外れると言って良いでしょう。
有利な使い方
iPad Pro 11は筆者も持っていますが、旅行や出張時に文章(ブログ記事など)を書いたり、とった写真を吸い上げて大きな画面で確認したりするには好適です。
キーボードなしで宅内モバイルでWebを見たり、Netflixなどで映画を見たりするのは最高です。
そして何より有利なのは単体でLTE 通信ができること。テザリングやモバイルルーターは不要です。
画面が大きなiPhone的な使い方が適しています。
不利な使い方
先に書いたように、マルチウィンドウを必要とするような使い方は無理です。
がっつりとWordやExcelを使いたいときも無理です。
動画編集や画像編集は可能ですが、使い勝手の良さや機能では多くの場合Macが上です(当たり前ですが)。
手頃な買い方
上に挙げた構成はほぼMAXに近いものです。
現実にはMagic Keyboardは必要になれば買えば良いし、ストレージも512GBに押さえても良いと思います。
そうすることで価格は134,8280円にまで下がります。
まあ、それでも十分高いですけど。
MacBook Air/Proが有利・不利な使い方
価格と性能を考えると今のMacBook Airにはほとんど魅力がないといえます。
上記構成で2万円の違いなら絶対Proのほうをおすすめします。GeekBenchの結果を見ても相当違います。
有利な使い方
MacBook Proは文字通り普通にパソコンなので、大抵の仕事はこなせるはずです。iPadOS版Officeのように中途半端ではありません。
自宅の定位置以外、出先でもいろいろやりたいならもうMacBook Proがファーストチョイスです。
不利な使い方
ちょっとかばんから出してメールを確認したり軽く返信したりというのは苦手です。
何より単体でLTE通信できないので、テザリングの準備をしたりモバイルルータの準備をしたりと、簡単そうでも度重なると超絶めんどくさいのでそのうち使わなくなる使い方です。
移動中にMacBook Proを使えるのは新幹線や飛行機などである程度の時間落ち着いて使える場所があるときに限らえます。立ちながらWebブラウズなんてのは無理ですし周りにも迷惑です。
結論(まとめ)
iPad Pro 12.9がいかせる・必要するシーンは極めて限定的で大きいからMacの代わりに使えるわけではない。
手軽に持ち出して原稿などを書いたりするシーンにはiPad Pro 11は手軽でよいし、撮った写真を全部読み込んでバックアップ代わりにしたり、簡単編集してSNSに挙げたりするのは超得意。
iPad Proで本格的にOfficeを使って仕事をするのはOfficeの機能がサブセット版なので難しい場合が多い。
MacBook AirはProが薄く性能が高く安いので存在価値はほとんどなくなっている。
MacBook Proをある程度持ち出し前提で買うなら13インチでメモリ16GB、ストレージは1TBはほしい。それでも12.9インチのフル装備iPad Pro 1TBよりはるかに安い。