緊急事態宣言下の国って、欧米からみるとどうなんだろう?

緊急事態宣言下の国って、欧米からみるとどうなんだろう?

良くも悪くも耳慣れしつつある「緊急事態宣言」という言葉。「緊急事態宣言」発出中って欧米から見るとどう映るのでしょうか?このご時世では海外に行って聞くわけにもいかなので、言葉のニュアンスから考えてみましょう。

英語では?

調べてみると「State of Emergency」というようです。

1回目の緊急事態宣言の記事がJapan Timesにありました。

同じことを報じたWall Street Journalにも記事があります。

日本に住む日本人であればこれが「緊急事態宣言」であるのはわかると思います。

どういう時に使うのか?

第2次大戦以降で最も衝撃的な事件といえば、アメリカの9.11、同時多発テロ事件です。

米CBCのオフィシャル動画が以下にあります。

タイトルは「9/11 State of Emergency」です。

同じテロですが、次は2015年のパリ同時多発テロ。このときはフランス全土に非常事態宣言(State of Emergency)が発出されました。

いずれも国家の非常事態とも言える状況であり、戒厳令一歩手前のような雰囲気すら漂います(特に9.11の後のアメリカ)。

このように非常事態宣言が出されている国に行きたいと思います(ました)か?

次は英国のテレグラフが報じたスペインの一回目の新型コロナウイルス感染拡大に対する「警戒事態宣言」のときの動画です。

動画タイトルは「Spain on lockdown after coronavirus forces state of emergency to be declared」です。

警戒事態宣言はスペイン憲法116条(緊急事態条項)が定める3つの事態のうち、戒厳事態、非常事態の下位に位置付けられている。
出典:JETRO 「新型コロナウイルスめぐり警戒事態を宣言、厳格な移動禁止措置を発動」

食料や医薬品など生活必需品の購入や医療機関や職場、銀行などへの移動、高齢者や病人などの介護、未成年の保育などの不可欠な活動のための移動を除き、全ての移動が原則禁止
出典:JETRO 「新型コロナウイルスめぐり警戒事態を宣言、厳格な移動禁止措置を発動」

日本の人々の善意に頼る「緊急事態宣言」とは随分伝わる深刻度が違いますよね。

こんな「緊急事態宣言」が出されている国には行かないでしょう?

COVID-19に関しての各国のロックダウンなどの対応を見ると、法制度の違いもあって日本の「緊急事態宣言」はかなりゆるいものであることはこの1年の報道で認識されていると思いますが、良し悪しは別にしてそういうことです。



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緊急事態宣言とオリンピック

東京オリンピックの開催に関する判断は4月~5月になろうと報道されています。

今回「緊急事態宣言」が解除されゴールデンウィークの人手で感染爆発し第4波になって3度目の緊急事態宣言になったら….仮に開催されても「State of Emergency」が発出されている国に選手たちは行きたいと思うでしょうか?

選手どころか、各国のオリンピック委員会や選手団体が行かせたくはないのではなくなると推測します。

日本に居て感じるゆるい「緊急事態宣言」の実態からは想像しにくいものがありますが逆の立場で考えてみましょう。

相手の国の状況はわからないけれど「State of Emergency」という言葉が使われている前述の例から感じる言葉(Emergency)の強さを想像してみて、そういう宣言下にある国に積極的に行きたいとは思わないでしょう?

Emergencyは命の危険を感じさせる言葉です。

政府は、そういうイメージを避けるためにも「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の二段階対応ができるように改正したのだと推測します。

第4波が来てもオリンピック中止を米国・IOCが下すのを避けるために「まん延防止等重点措置」で逃げ切るかもしれません。

まとめ

緊急事態宣言は英語では「State of Emergency」という。

「State of Emergency」はアメリカの9.11同時多発テロ、2015年のパリ同時多発テロのようなときに使用される言葉であり、相当強いニュアンスを持つことを心すべし。



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