コロナ禍により急速に導入が進んでいるリモートワーク。しかし目的が曖昧だとリモートワークすることが目的になってしまい、本来だすべき成果が未達なってしまいます。貴方のマネジメントは大丈夫ですか?
コロナ禍ではやむをえない?
ワクチン開発というけれどいつになることやら、と日本人皆が不安にかられ外出を控えていた昨年前半、とにかく外出を減らせということで急ごしらえのリモートワークが始まった会社も多いと思います。
状況が状況で人の命を守るのが最優先ですから、とにかくリモートワークだ!というのはやむを得ませんし、そのようにすべきでした。
あれから一年半経ってどうなったでしょうか。
政府は出勤率の七割削減というものすごいことを声高に叫んでいます。それはそれで間違いだとは思いませんが、リモートワークという言葉が独り歩きしているような風潮を強く感じています。
TVではリモートワークのセキュリティを高めるシステムなんてのがバンバン流れています。
リモートワークをしないことが悪のような風潮すらあると感じます。
リモートワークは目的ではない
なぜリモートワーク?
コロナ禍ではある程度やむをえませんがコロナ禍を言い訳にして安直にリモートワークを導入していませんか?
リモートワーク(テレワーク)は働き方のスタイルの一つであり、リモートワークをすることは目的ではない。
当たり前のことなのですが、実はこの当たり前が昨年あたりから急ごしらえでリモートワークを始めた企業(経営者や管理職)に大いに欠落している事が多いのではないかと懸念しています。
数字化の危うさ
さらに政府の出勤率七割削減とかいった数字目標が企業に追い打ちをかけます。
リモートワークを導入し、出勤率七割削減に成功すると「やったぞ!」という錯覚に陥りませんか?
筆者も40名を超える部下をかかえていた管理職の時代がありましたが、上位職から数字目標が落とされると(営業職ではありません)それを達成することに目が行ってしまい、数字が達成しただけで仕事をした気になるのです。
数字目標の誤り
数字目標を達成したのはいいけれど、会社がその部署に求めている役割が実はあまり果たせていなかったなんてこともあります。
こうした場合、数字目標の立て方が間違っているのであり、数字目標が業績に直接あるいは間接につながっていない的外れということになります。
管理職あるいはその上位職の目標(数字)設定に誤りがあるのです。
ですから政府の口車のってリモートワーク実施率を自分の成果目標にしてはならないのです。
働き方のスタイル
リモートワークは働き方のスタイルの一つであると書きました。
オフィスワーク、リゾートワーク、在宅勤務などいろいろな働き方のスタイルがある中の一つであり、業績目標の達成に寄与できる働き方の一つです。
コロナ禍で追い立てられるようにリモートワーク導入したのは致し方ないとして、本来はそうしたものではありません。
仕事内容や期待役割により適した働き方があるはずなので、どこそこの会社はリモートワークさせないからブラックだなんてのはコロナ理由以外では絶対にあってはいけないのです。
貴方の部下から『うちの会社はリモートワーク導入しないのですか?」という声が聞こえたことがありませんか?
その時管理職である貴方はなんといいますか?
・仕方ないよ、会社の方針だから。
・お前、リモートワークにすると仕事しねぇだろ。
これは絶対だめです、管理職としての適正に疑問を呈さざるを得ません。
・仕事の内容がリモートに適しているのかどうかを考えさせる(一緒に考えても良い)。
・リモートに適するようにはどうすればよいか、今の枠を超えて考えさせる(一緒に考えても良い)。
部下が自分で自分の仕事を見つめ直すいい機会なのであり、モチベーションを高める機会なのでそのチャンスを逃すべきではありません。
リモートでないほうがいいことは多くある
1%のひらめきと99%の努力
新しいことを考え出すようなことは、1人で鬱々とPCに向かっていてもなかなかアイデアは得られません。
エジソンは「天才とは1%のひらめきと99%の努力」といったそうであります。
貴方は部下に対して「天才だってひらめきなんてのはたった1%であり、努力だけで成り立っているようなものだ」と説いた事はありませんか?
実はこれ大きな誤解です。
1%のひらめきがなければ99%の努力は全くの無駄である。
これがエジソンが言いたかったことのようですが、周囲が違った解釈をしてしまったようです。
ひらめきはリアルな会話から
発明とは程遠いですが、ブログネタも会社の同僚との会話などからヒントを得ていることも実は多々あります。
皆さんも経験あると思いますが、仕事のアイデアを思いつくのは仲間同士のつまらないおしゃべりだったりしませんか?
ブレインストーミングとかやっても実際のところ特定のシチュエーション以外ではほとんど無意味であり時間の無駄です。
業績を上げる人は1%のひらめきに気づいてそれを育てあげるために猛烈な努力をしているわけです。
何がいいたいかというと、仕事を変革に導くヒントは1人でもんもんと悩んでてもろくなものはでてこない、周囲との何気ない会話にひらめきのネタが埋もれており、感がいい人はそれに気づくということです。
テーマがある決まっている会議であれば確かにZOOMとかで基本的には問題ありません。
ですが、たとえば会議中にお隣とこそこそ話なんてZOOMじゃできませんよね。
仮にそうした機能があるオンライン会議システムがあっても、リアルな会議でお隣と「あのさ、あの話、ちょっと今思いついたことがるから後でな」とか言ったりできますけど、うーんオンライン会議ではねぇ、ひらめきが消えてしまいます(笑)。
部下の管理と育成はリアルな仕事姿から
先にも書きましたが筆者の少なくない人数の上司だった経験からいいますと、部下の様子を知るのはとにかくリアルな世界あるのみです。
特に心がけていたのは声がけです。
朝の挨拶や帰りの挨拶はもちろん、ちょっとしたときに軽く声をかけたり、座っている背後を歩いてすぎるときになんとなく横目でチラ見して様子を見るなどもあります。
すれ違いざまに「あ、〇〇さん、昨日の書類ありがとうね!」といった仕事の結果を認めると同時にねぎらいをかけることば(人には承認要求というのが非常に強くありますのでそれに応える)をかける。
これらは皆リアルだからタイムリーにできることです。
管理職としてリモートワークワークを進めるポイント
前述したようなリアルのほうが圧倒的にメリットがあるわけですが、オンラインで少しでもカバーするにはどうしましょう?
上司は毎朝でなくても良いので1対1で朝短い雑談の時間を作りましょう。
といっても、普段リアルなオフィスでそういう関係ができていないと取って付けたようなことになります。
リアルで気軽に話しかける関係ができていれば、毎朝の雑談は楽しいものです。
仕事の話なんかしなくていいのです、ゲームでも食事でも昨夜のナイター中継の話でも趣味でもなんでもいいのです。
大事なのはそこから部下の様子を感じ取ること。
会議は必ずカメラをオンにすること。
カメラをオンにすることで、顔色や様子がリアルほどではないけれどわかります。
何より大事なのは仕事の進み具合や成果の共有です。
リアルであればなんとなくわかるものですし、ちょっと通り過ぎざまに「あの件どう?」なんて声がけできますが、オンラインだとあらたまった報告を求めることになります。
仕事の進捗の把握、その日の仕事の成果の把握について管理職の貴方が基本方針を提示し、時には部下にアイデアをださせて部下と合意して進めましょう。
報告なんだから管理職が勝手に決めればいいじゃん!
それはリアルの世界の話。
一方的に求めるだけだと、部下はそのうち適当に(嘘とは言わないまでも)報告っぽいことをして逃げちゃいます。だってそのほうが楽ですもの。
そうではなく、報告してもらうことの意味と報告の内容などを合意しておきます。
さらにいうなら、どういう報告をすれば良いかを部下に考えさせます。
部下に考えさせることで報告のボールは明確に部下の責任になりますし、自分で考え方ことなので自分で責任を持つようになります。
まとめ
だんだん話が発散してしまいましたが、リモートワークは目的ではなく仕事を勧めるためのスタイルに過ぎない。
コロナ対応を除けばリモートワークの有無は会社の評価にはつながらない。
リモートよりリアルのほうが上司と部下という関係ではスムーズにいく。
リモート導入には上司の相当な努力が必要。