「ポメラ」の新機種「DM250」が2022年7月に発売されたが、他にテキスト書きマシンを検討してみよう

「ポメラ」の新機種「DM250」が2022年7月に発売されたが、他にテキスト書きマシンを検討してみよう

 プロのライターや記者の一部の方には根強い愛用者がいるらしいテキスト書き専用マシン・ポメラの新機種「DM250」が2022年7月に発売されています。ポメラはDM100のあたりから興味はありましたが筆者は今のところ買ってはいません。今回は他のデバイスとも比較して購入を検討されている方一助となればと思います。

DM250について

 前任機種のポメラ DM200が発売されたのは2016年10月で、前々任機種のDM100が単3電池駆動であったのに対し内蔵リチウムイオンバッテリー駆動になり、ディスプレイも5.7インチSVGAから7.0インチWSGVAへと拡大、USBも1.1から2.0となりました。

 最新機種のポメラDM250はストレージが128MBから1.3GBへ拡大され、さらに同等容量の1.3GBのバックアップエリアと670MBのゴミ箱が内蔵されましたので合計約3.3GBほどのストレージとなります。

[公式] キングジム pomera DM250
https://www.kingjim.co.jp/pomera/dm250/

 連続使用時間はDM200の18時間から24時間となり、USBコネクタもmicroUSBからUSB TYPE-C(PD充電非対応)となり、ポメラのためにmicroUSBケーブルを持ち歩く必要性も無くなりました。といってもUSB TYPE-C対応は当然であり今更ウリにはなりません。

 テキスト書き専用マシンとしての特徴の一つがATOK for pomeraの内蔵です。ATOKの日本語校正支援機能は定評のあるところで、さらにATOK for pomeraは「角川類語新辞典.S」「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」を内蔵しています。

 

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 ちなみに本家ATOKの最新版はサブスクリプションになり、ATOK Passport [プレミアム] はWindows/macOS/iOS/iPadOS/Androidの全てに対応し「広辞苑 第七版」「大辞林」「ウィズダム英和辞典 第4版」「ウィズダム和英辞典 第3版」「三省堂 故事ことわざ・慣用句辞典 第二版」「敬語のお辞典」を内蔵しており、さらに10台までのデバイスで使用可能です。辞書の内容としてはATOK for pomeraはATOK Passport [プレミアム]とは異なります。

 ポメラを愛する人は、ポメラのテキスト入力特化という言わば密室性に惚れているのであり、住環境でいえば狭い個室での缶詰執筆を好むということに例えられるかもしれません。この特化性のために他の全てを捨てたのがポメラです。

 余計なものは一切ない潔さでありますがその割には価格が高すぎます。ニーズが多くないためどうしても生産台数が少なくなり1台当たりの単価が上がってしまうのでしょうか。正直なところ、現代版ワープロ専用機に5万円も払うのかという疑問が残ります。安いPCが買えてしまう価格ですし、あと少し足せば第10世代のiPad(64GB)が買えてしまう価格です。実売3万円程度なら筆者も買うかもしれませんが、現在のDM250の価格では買ってみようという気になりません。

 もっともメーカー側にしてみれば、高級万年筆みたいなもので価値がわからない人には買ってもらわなくてかまわない、本当に必要としている人・価値がわかる人に使ってほしいということなのかもしれません。



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テキスト書きの他の手段

 ポメラはテキスト書き専用ですが、それ以外のパソコンやタブレット・スマホになると汎用デバイスになりますので使い勝手にも相当差が出ます。

 ポメラは購入して最小限の設定ですぐに使えるようになりますが、WindowsやMac、スマホやタブレットはそうではありませんので最低限の手間と知識が必要になります。ポメラは昔存在してたワープロ専用機の現代版であり、すぐに使える・誰でも使えるテキスト書き専用機です。

専用機と汎用機

 「昔ワープロ今ポメラ」とも言えるテキスト書き専用機のポメラ。それに対して汎用機で何でもできちゃうパソコンやタブレット。これらの間には超えられない壁があります。特に専用機に関してはそれを必要とする人が使ってこそ生きてくるのであり、専用機であるが故に使いこなせる人を選ぶという性格を持っています。

 何か文章を書くときに、頭の中に全部材料があって書ける人ならばポメラで全く問題はありませんが、筆者を含め多くのライターさんは何かを参照して書くことも多いでしょう。実際、この記事もiPad Proで書いていますが、ステージマネージャを活用してメモアプリの隣のSafariのウィンドウでポメラの仕様を調べて書いたりしているわけです。参照するものがネット上にある情報であれば、ポメラで文章を書くのにスマホやタブレットで調べることになり結局スマホやタブレットの世話になることになります。

 文章を書いているときにメール通知などがくると気が散るというのは大いに理解できます。しかしiPadであれば集中モードがあり、設定次第でホーム画面のアイコンを必要な最低限だけを選んだり、通知もさせないようなことも可能です。必ずしも汎用機は気が散るというのは当たっていません。ちなみに筆者の場合はある程度ノイズがあったほうが好きでタイプが進みます。

WindowsやMac

 ポメラのウリの一つは電源オンですぐに使えるということです。シャットダウン状態から起動競争するとパソコンは話になりませんが、スリープ状態からのレジュームであれば機種によってはポメラより速いくらいですので必ずしもパソコンが遅いとも言えません。

 筆者はDM250を所有していないので、YouTube動画でポメラ DM250のパネルを開いてから入力画面になるまでの動画をいくつか探して計測しましたが5秒ちょっとです。一方、筆者のMacBook Air (M1, 2020) はスリープ状態からですと、パネルを開けるともうロック(ログイン)画面が出ていますので、アプリ起動を考えると起動速度的にはかなりいい勝負かと思います。

 

 この動画をみるとパネルを開いてから入力画面になるまでに意外に時間がかかっています。MacBook AirやiPad Pro・iPad miniの即時性になれきってしまった筆者にはこの空白の5秒はきつそうです。

 画面の大きさに関してはポメラの狭いスクリーンでは文章の一覧性にやや難があると筆者は感じます。その点WindowsやMacであれば13インチであっても、ポメラとは比較にならない一覧性を得られます。文章を見直す場合で出来るだけ広く見たいと思うのですが、ポメラは書いた後の校正はPCなどでやることを前提にしていますので、まず下書きの下書きを書くような使い方だと思います。

 入力に関しては先の通りWindowsやMacではATOK Passport [プレミアム] が使えますし、軌道に関してはスリープからのレジュームであれば機種によっては即時に近いものもあります。ただし、多くの場合ポメラより多少なりとも重いし、当然ですが大きいのはやむをえません。

iPad

 iPadそのものにはキーボードはありませんが、筆者はiPad Pro (M1, 11インチ, 第3世代)ですが、これにLogicoolのCombo Touchをつけています。キーピッチはポメラと同じ17mmであり、フルサイズの19mmよりは少しコンパクトですが少し使えばすぐに慣れるので全く問題ありません。

iPadのケースをロジクール Combo TouchにしたらiPad Proを使う時間が増えた!
https://aichanworld.com/wd/2022/12/29/post-26507/

 

iPadのケースをロジクール Combo TouchにしたらiPad Proを使う時間が増えた!

 バッテリー駆動時間も長く、画面も11インチありますので文章を書くには十分な大きさ。起動時間は早いというかiPhoneと同じで筆者の場合でいえばCombo Touchを開けばすぐに使えます。実際、この記事はiPad Pro 11 第3世代にLogicool Combo Touchを使って書いていますが非常に快適です。

 

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 気軽に持ち歩けるテキスト書き用としては汎用機の中では有力候補であり、おそらくダントツに優れていると思います。先に来た通り集中モードを利用すれば執筆中にメール着信で邪魔されることもありませんし、バッテリー駆動時間も15〜16時間と十分です。どうしても専用機という強い必要性がない限り、iPadはテキスト書きマシンとしてはかなり優れていると実感します。筆者は使っていませんが、ATOKの動作対象機種に入っていますので導入すれば使えるようになります。

スマートフォン

 これは画面が小さいし、iPadのようにキーボード付きケースを使うわけにもいかないので、テキスト書き常用マシンには相当無理があります。使うとしてiPhoneであればPro Maxのサイズは必要です。

 筆者は書き物を文字装飾前のプレーンテキスト状態で、隙間時間にiPhone 13 Pro Maxを使って見直したり誤字誤変換を修正したり、少しだけ書き足したりすることはありますが、一から書くことはまずありません。といってもフリックだけでは限界があるので折り畳みキーボードを一緒に持ち歩いています。

 

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 二つ折りキーボードのiClever IC-BK26はiPhone 13 Pro Maxとともに持ち歩いており、いざという時のテキスト作成セットになっております。折りたたみキーボードですので邪魔にならず広げるとキーピッチはポメラと同じ17mmです。ミニスマホスタンド付属ですので、一緒にポーチに入いれてバッグに常駐させています。

Chromebook

 決してPCの代わりにはなりえないのがChromebookですが、ソフトウェアのメンテナンスがほぼ不要であることと、価格が安い(ハイスペックでなければポメラDM250より安い)しバッテリー駆動時間も長いことから、主にテキスト書きマシンとしては可能性が高いと思います。

 テキスト書き用途をメインにするのであればハイスペックは不要ですので安いものですとポメラの半額くらいで買え、画面は最低でも10インチはありますのでテキスト書き用途には十分です。

 Chromebookはテキスト書きに関してはオフラインでもGoogleドキュメントを使って内蔵ストレージへの読み書きで文書作成は問題なく行えます。写真などの挿入はローカルに保存してあるものに限定されますが、そもそもポメラでは写真を挿入したりできないのでそういう点では問題なし。

 好みによりますが難点になりうるのはATOKが使えないことですが、それでChromeOSの日本語入力がお馬鹿さんかというとそんなことはありません。検討すべき対象に入れて良いでしょう。

 

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まとめ

 昔ワープロ、今ポメラであり立派なテキスト書き用の専用機で、向いているのは他の機能はいらないというニーズの高い人に好適なデバイス。文章作成に際して色々ネットで資料を参照するような人には向いているとは言い難い。とにかく文章を書くことしかできないデバイスがポメラ。

 汎用機の有力候補はiPad。起動はポメラより速く汎用性があるが、集中モードを使うことで一時的に通知を抑制したりホーム画面のアイコンを文書作成に必要なもの以外表示させないことができる。キーボードは折り畳みのポータブルキーボードでも良いがLogicoolのキーボード付きケースが使いやすい。

 もう一つの候補がChromebookである。最近は学校用途(GIGASCHOOL構想)で使われるケースも多くLenovoやASUS、高級機種ではHPなどを中心に地味に充実している。テキスト書き用としては有力候補。



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