一人で新幹線・飛行機に乗る時の席はどこを積極的に選びますか?人それぞれ好みと事情がありますので、一律にどこがベストという話はありません。新幹線と飛行機、座席のクラスによっても事情が違います。今回は一人で乗る場合についてそのあたりを見ていきましょう。そして次回の一人旅では快適な機内・車内の時間をお楽しみ下さい。今回は2回目の飛行機編です。
ワイドボディとナローボディー
飛行機の場合は機体の大きさや種類により座席配列(シートコンフィギュレーション)が変わりますし、飛行時間によっても乗客としては選択基準が大きく変わります。
ワイドボディとはB767(セミワイドボディ)、B777、B787、A340、A350、A380のように通路が二つある大型機もしくは中型機で主脚は3軸6輪、または2軸4輪です。
ANAやJALでは座席配列は主に3-4-3(3列-4列-3列)、2-4-2、3-3-3、2-4-2などです。
ナローボディとは、B737、A320など中型機もしくは小型機で脚は2軸4輪または1軸2輪です
座席配列は3-3が一般的です。
窓際席(Window Seat)と通路側席(Aisle Seat)、そして何がなんでも避けたい中央席(Middle Seat)に大別できます。
座席クラスでいえば、国内線ならば普通席・エコノミー席とプレミアムクラス(ANA)、クラスJまたはファーストクラス(JAL)。国際線ならば普通席、プレミアムエコノミー、ビジネスクラス、ファーストクラスにわかれます。
国内線
JALの国内線ファーストクラスやANAのプレミアムクラスでは、窓際であってもシートピッチが広いので通路に出るのにさほど苦労はありませんから、好みの方でいいと思います。
離着陸の景色を楽しみたければ窓際ですが、とんで仕舞えば普通は雲しか見えません(羽田発着だと運が良ければ富士山が間近で見えることもある)ので新幹線のように車窓の風景を眺める楽しみというのはほぼないに等しいです。
到着して降機のとき、通路側であればシートベルト着用サインが消えたらすぐに立ち上がって、頭上のオーバーヘッドコンパートメントから自分の手周り品を取り出して降りる準備ができますが、窓際とか真ん中だと大抵の場合は通路側の人が降りないと荷物が取れません。乗り継ぎ時間が短いときなどは、最初から通路側をとりましょう。
余談ですが、JGC回数修行では1日に数レグ飛ぶのは当たり前で乗り継ぎも余裕たっぷりではないので、いつも通路側をとっていました。
国内線では3時間を超えるフライトは非常に少ないので、途中でトイレに立つことも少ないでしょうから、トイレが近い人以外はトイレを気にする必要もないかもしれませんし、機内で飲み物も飲みすぎないようにすればOKでしょう。
そういう意味では機内で紙コップで出されるのみものよりは、保安検査を抜けてからペットボトル飲料を買い求めて機内では少しずつ飲むようにするほうが懸命だと言えます。
単純に離着陸の風景を楽しみたければ窓際、乗り継ぎがタイトなどの理由で一刻も早く降機したい場合は通路側です。
国際線
国際線は下手すると国内線より短い福岡-台北などを除けば短くても3時間程度、長いと12時間あるいはそれ以上になりますから、途中のトイレは不可避ですし、時間も長いので飲まず食わずということもできません。機内は乾燥しているので脱水になりかねません。
エコノミーやプレミアムエコノミーではトイレをとるか、ゆっくり寝るほうをとるかの二者択一です。
トイレをとるのであれば間違いなく通路側です。通路側のメリットはトイレに出やすいだけではなく、CAさんに頼み事をしやすいし飲み物や食べ物も受け取りやすいのです。わざわざボタンを押して呼ばなくても通りがかったCAさんにお願いすることができます。ただし、窓際の人がトイレに立つ時には足を引っ込めたり、立ち上がったりする必要がでてきますので寝ていると起こされてしまいます。
ゆっくり寝るなら窓際一択です。ただし隣の人が爆睡しているとかテーブルを出して食事中、パソコン仕事をしている状態で自分がトイレに行きたくなると地獄を見ることがあります。パソコンなら大きな問題にはなりませんが、食事だと結構こまります。ひたすら我慢。窓際席の人は通路側の人がトイレにたったときに一緒にトイレにたつ(連れション)するのが一番です。
筆者は海外一人旅(出張や個人旅行)ではそのようにしていました。運が良いと隣・その隣にだれもいないこともありますが、それはかなり運が良い。
窓際でトイレに行きたくて悶絶してろくに寝られないよりは、窓際の人が席を立つのに一時的に起こされるほうが遥かにマシだと思います。3時間を超えるフライトでは必ず一度はトイレにいきますし、10時間を超えるとなおさらです。
通路側でない窓際か中央に座る人のマナーとしては、食事の前にはかならずトイレに行っておくこともお忘れ無く。食事中に通路側の席で食事をとっている人の前を無理やり通るのはかなり無茶です。
ビジネスクラス、今のビジネスクラスは隣の人を邪魔せず通路に出られる配列が一般的ですので気にする必要はありません。スタッガード配列とヘリンボーン配列があります。ましてファーストクラスは機材によってはほぼ個室のようなもののようです(乗ったことない!)ので、隣を気にする必要皆無です。
ビジネスクラスは自分の席の右または左にもテーブルなどのスペースがあるのが一般的で、前の席とは人の座るシートが交互になっています。フラットにしたときに自分の足先は前の人のテーブルや小物置き場の下側にあたるわけです。
スタッガード配列(千鳥状配列)はANAの例では以下のようになります。
上の写真は筆者が2019年に乗ったJALのSKY SUITE(機材は787-9)で、厳密にはスタッガード配列とは少し違いますが、どの席からも直接通路に出られますのでトイレの心配なし。
ヘリンボーン配列は座席が斜めに配置されている方式でJALの例では以下のようになります。
シートを機体に対して斜めにおくことでフルフラットにしたときのレッグスペースを稼いでいます。
これはこれでいいと思いますが、個人的にはスタッガード配列のほうがゆとりを感じられる気がします。
ヘリンボーン配列だと何かぎゅっと押し込めらた感じ。
ともあれビジネスクラス以上は無問題です。