筆者のメインマシンはMac mini M1 2020 16GBモデルで発売されたのが2020年11月。現在の後継機はM2搭載で発売されたのが2023年1月です。今年中にはおそらくM3チップ搭載機が出るかもしれません。MacRumorsは「8コア・10GPUコア・24GB-RAMのMac miniMac miniをテストしているかもしれない」と伝えています。一方M3は飛ばして2025年にM4搭載モデルという噂もあります。M1 miniの後継機としてどれを考えるか？
M1 vs M2 vs M3
そもそもAppleシリコンの性能差としてどれくらいあるのでしょうか？
データ出典：https://www.check-mac.com/ja/
ベンチマークは性能の一つの側面を示すに過ぎませんが、何もない状態では判断できませんので一つの尺度であることは間違いありません。
ベンチマークによっては、このCPUのほうばベンチマーク値は高いのに、実際に処理をさせると旧型CPUのほうが速いということもありえます。
| M1 | M2 | M3 | M2 Pro | M2 Pro | M3 Pro | M3 Pro | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 16GB/1TBモデルのmini価格 | 176,800 | 174,800 | 未発売 | 214,800 | 259,800 | 未発売 | 未発売 |
| プロセス | 5nm | 5nm | 3nm | 5nm | 5nm | 3nm | 3nm |
| メモリ帯域幅 | 68.25GB/s | 100GB/s | 100GB/s | 200GB/s | 200GB/s | 150GB/s | 150GB/s |
| CPUコア（高性能） | 4 | 4 | 4 | 6 | 8 | 5 | 6 |
| CPUコア（高効率） | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 6 | 6 |
| GPUコア | 8 | 10 | 10 | 16 | 19 | 14 | 18 |
| Geekbench 6 Signle-Core | 2369 | 2596 | 3125 | 2689 | 2689 | 3125 | 3125 |
| Geekbench 6 Multi-Core | 8576 | 10062 | 11863 | 12084 | 14207 | 13755 | 15619 |
| Cinebench 2024 Singole-Core | 112 | 120 | 137 | 122 | 122 | 139 | 142 |
| Cinebench 2024 Multi-Core | 509 | 555 | 659 | 782 | 782 | 847 | 1059 |
| Cinebench R23 Single-Core | 1503 | 1592 | 1965 | 1695 | 1695 | 1889 | 1928 |
| Cinebench R23 Multi-Core | 7759 | 8558 | 10437 | 12125 | 14855 | 13289 | 15061 |
| iGPU-FP32 (GFLOPS) | 2610 | 3550 | 3550 | 5680 | 6745 | 4970 | 6390 |
| Blender 2.81 (値が小さいほど良い） | 314.0 | 277.0 | データなし | データなし | データなし | データなし | データなし |
| PassMark CPU Mark | 14463 | 15472 | データなし | 21532 | 26294 | データなし | 27304 |
| 効率※ | 431 | 428 | 474 | 404 | 371 | データなし | データなし |
| Geekbench 6 OpenCL | 20144 | 29188 | データなし | 42855 | 50862 | データなし | データなし |
| Geekbench 6 Metal | 33748 | 47562 | データなし | 69941 | 83056 | データなし | データなし |
※効率：Cinebench R23 (マルチコア) ベンチマークでの全負荷時のプロセッサーの効率。 ベンチマーク結果は、必要な平均エネルギー (ワット単位の CPU パッケージ電力) で除算されます。 値が大きいほど、フル負荷時の CPU の効率が高くなります。
面白いのはM3 ProのほうがM2 ProよりGPUコア数が少ないのですが、Cinebench 2024のベンチマークは微妙に向上しており少なくとも低下は見られませんでした。
Mac miniのM3モデルは出るとすれば今年中、ひょっとしたら今年は音沙汰なしで2025年にM4チップ搭載で出てくるかもしれません。それがどうなるかはAppleの中の人にしかわからないので、我々は現状で判断するしかありません。
[GIZMODO] M3登場でもM2のMacを安心して選んでいい理由CPUスペックを見ると無印のM1→M2→M3は順当に進化しています。
ではProシリーズでM2 Pro→M3 Proはどうでしょうか。スペックだけで見るとメモリ帯域は200GB/sから150GB/sに減少、高性能コアが減り高効率コアが増えGPUも減っています。
こうしたスペック面だけで体感パフォーマンスが推測できにくいのが困ったところです。ゲーム主体なのか、動画編集主体なのか、それもAdobe AfterEffectsまで使うのか等々で変わってきます。
Mac miniは現行M2 Proが買い
最大の問題はM3 ProのMac miniが出るかどうかわかないこと、そして出た場合の価格は現行より高くなるであろうことから、考えどころです。
M2シリーズのチップではM1無印になかった「Media Engine」が搭載されており「H.264」、「HEVC」、 「ProRes」のエンコードとでポードをハードウェアで行うことができます。これによりこれらのフォーマットでのエンコード速度向上が期待できます。
用途にもよりますが、価格差を考えるとM1 miniからの移行先をM2 miniでは少し寂しいですというか、ベンチマークの数値を見ても投資コストに対して得られるメリットがかなり少ないと思います。
さりとてMac mini M3は出ても腰中か、それ以前に出るかどうかもわかりません。
Mac mini M1からの買い替えは、Mac mini M2ではなくMac mini M2 Proのほうがパフォーマンスは良さそうだ。M3 ProのMac miniについては現状では不透明すぎる。
M3 ProあるいはM4 ProのMac miniを待った場合
- Mac miniとしてはおそらく望みうる最高のもの
- いつ出てくるのかわからない
- 出てきたとしても価格がM2 Proのminiより高くなる可能性がある
M2 ProのMac miniにした場合
- 今オーダーすれば数日〜1週間程度のCTOで手に入る
- Mac mini M1に比べると格段の進化
- 価格が明確である
- Mac mini M3 Proが出てきた時に少しだけ悔やむ可能性は否定できない