Appleシリコン採用のiPad ProといえどもMacやPCの代替にはなりません。それはわかっていても本来のタブレットとして魅力的であるのは疑いないところで、買うにあたってMacBook Airと悩む人も多いかもしれません。今回は両方使っている筆者がそれについて考えるヒントをお届けします。
重さと価格
本記事でAppleシリコン搭載の最新モデルで、Macは「MacBook Air 13インチ M3チップ メモリ16GB ストレージ512GB」、iPad Proは「iPad Pro 11インチ 第4世代 M2チップ 512GB Wifi+Cellular」の2モデルで比較します。
Appleの価格はApple Store Online、それ以外はAmazonの価格です。
(a) MacBook Air 13インチ M3 16GB/512GB、224,800円、1,240g
(b) iPad Pro 11インチ 第4世代 M2チップ 512GB、196,800円、468g
(1) Apple Magic Keyboard、44,800円、596g
(2) Apple Smart Keyboard Folio、27,800円、293g
(3) Logicool COMBO TOUCH FOR iPAD PRO、27,720円、780g
(4) ESR Rebound iPad Pro 11、17,999円、850g
(A) Logicool ワイヤレスマウス Pebble、3,600円、100g
MacBook Airの費用と重さ：
(a)＝228,400円、1,240g
iPad Pro＋キーボード付きケース（マウス無しタイプではマウス追加）の費用と重さ：
(b)＋(1)＝241,600円、1,064g
(b)＋(2)＋(A)＝228,200円、861g
(b)＋(3)＝224,520円、1,248g
(b)＋(4)＝214,799円、1,318g
この構成ですと価格はMacBook AirでもiPad Proでもほとんど差がなく、重さではApple純正だとiPad ProがMacBook Airよりおよそ200〜400gほど軽くなりますが、LogicoolやESRといったサードパーティ製だと同等かそれ以上になります。
ざっくり言うならば、MacBook Airもキーボード付きケースをつけたiPad Proでも価格・重さとも大差ないと思っても差し支えありません。
ハイスペック構成では、MacBook Air 13インチ M3とiPad Pro M2＋キーボード付きケースでは価格はあまり差がないが、重さはApple純正で揃えるとiPad Proのほうが若干軽量。
機能の差
メディアなどで「PCはもう要らない！」といった記事に乗せられてPC（Mac）代わりに使える！と思ってやり始めると失敗する可能性が高いです。
| MacBook Air | iPad Pro | |
|---|---|---|
| モバイル通信 | 不可 | Cellularモデルなら可 |
| Word/Excel/PowerPoint | フル機能版 | 機能制約あり、マクロ使用不可 |
| 動画編集ソフト | フル機能版 | Premiere Proは存在しない、DaVinci Resolveは機能制限がある |
| 各種お絵描き・手書きアプリ | 不得意 | 得意中の得意 |
| 写真加工「Photoshop」 | フル機能 | ブラシやスマートオブジェクトなどで細かい編集を行うときに制約がある |
| メールとブラウザ | フル機能 | 実用上ほとんど差はなく使えるが、Webサイトのエージェント判定でスマホと思われてしまい、巨大なスマホ表示になることもある |
最大の違いは通信機能。Wifiがない場所だとMacBook AirはスマホテザリングかWifiルーター必須ですが、iPadはCellularモデルなら単体通信できます。
アプリケーションは、同じタイトルでデスクトップ版とiPad版があれば、iPad版のほうはデスクトップ版の機能のサブセットであり、デスクトップアプリと同じことはできないと思って間違いがありません。
どちらがどういう人に向いているか
iPad（iPad Pro）が向いている人
・いつでもどこでも隙間時間で通信したい人
・Officeアプリは非常にシンプルな基本的な機能だけあればよくてマクロとは無縁な人
・お絵描きをする人
・キーボードを外してiPad本体で読書や映画鑑賞をしたい人
MacBook Airが向いている人
・通信するのはホテルや出先のオフィスなど限られた場所がほとんどの系
・仕事などでOfficeアプリをフル機能でどこでも使いたい人
・クリエイターで、ロケ先で動画や写真の編集まで済ませたい人
・荷物を1つで済ませたい人
・寝転びながら映画や電子ブックを読む習慣のない人
ベストな解決策
筆者がそうであるように、MacBook AIrとiPadの両方を持つことです。
それでも旅行などでは「MacBook Air」を持ってくるべきだったとか、「iPad Proにすりゃよかった」と毎回のように思いますが….
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