動画撮影の記録先として外付けSSDを選ぶ場合のSSDのフォーマットは何を使っていますか?買った直後だとexFATになっていることが多く、大抵はそのまま使っているでしょう。一方でWindowsやMacで使わないならばAPFSが良いという話もあります。今回は動画撮影のみに焦点を当ててMacで測定しました。
測定環境
今回速度測定したの環境は以下の通りです。
OS:macOS Sonoma 14.6.1
SSD:Samsung T7 2TB(付属のType-CケーブルでMac本体のType-Cに直結)
測定ソフトウェア:Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test Ver.3.4.1
macOSのディスクユーティリティで、APFS(GUIDパーティションマップ)とexFAT(GUIDパーティションマップ)で「消去」した直後の状態で「Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test 」で測定しました。
あくまで動画を直接記録するメディアとしての「Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test 」での測定ですので、同じOSやSSDであっても使い方によっては、あるいは速度測定アプリによってはこの通りではない可能性もあります。
測定結果
APFSはMacやiOS/iPadOSでSSDを使うために最適化されたフォーマットだというのが基本的な理解で間違いありません。
しかし、動画撮影記録・再生といったGB単位の大きなファイルを連続ライト/リードするような使い方ですと必ずしもAPFSの特徴が生きるとは限らないと思ったのがこの検証を行うきっかけです。
またMacの場合はmacOSのバージョンによりかなり差があるようです。
APFSの場合
APFSの場合の「Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test 」のスクリーンショットです。
Blackmagic RAWのフォーマットはとりあえず関係ないので傍へ置いて、iPhoneの内蔵カメラアプリ、Apple純正Final Cut CameraアプリやBlackmagic社製のBlackmagic Cameraアプリで可能は最高画質のProRes 422 HQでは4320pの25fpsまではいけますが、30fpsはアウト。
いわゆる4K(横3840px)は2160pですので4320pは8Kを意味します。
読み書き両方を考えると8K25pが限界というのがこの「Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test 」の判定。
H.265(HEVC)では赤バツはありませんね。
exFATの場合
同じく「Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test 」のスクリーンショットです。
読み込みのほうはAPFSと同じですが、書き込みは8Kは全部OKになっています。
注目すべきは書き込み速度で、exFATのほうがAPFSより1.65倍高速になっています。
現実には4K60p(2160p60)まで緑チェックが付いていれば実用上は問題ないと思いますが、これほどの差があるとは思っていませんでした。
まとめ
macOS 14.6 Sonomaで「Blackmagic Blackmagic Disk Speed Test 」を使って連続書き込み・読み出しの速度テストをすると、筆者がテストした環境においては読み込み速度は大差ないが書き込み速度は6割以上exFATが速くなった。
注意:macOSのバージョンによりexFATとAPFSの速度はAPFSが速い場合もあれば、本記事のようにexFATが速い場合もある。本テストはあくまで冒頭記載環境にのみ適用可能な参考数値である。
exFATにはAPFSのようにパスワードをつけて暗号化はできないが、WIndowsでもAndroidでも使えるメリットがある。
APFSには暗号化できるというメリットがあるとはいえ、暗号化はハードウェアによる高速なものではなくCPUが頑張るタイプの暗号化ですので、パフォーマンスが落ちることは間違いないので暗号化の利用は要注意。
筆者のオススメは、動画記録用のSSDはexFATを基本にしデータ保存などは入れずに動画撮影時の記録専用SSDにする。