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iPhone・Android・Mac・Windowsで相互にファイル転送する「LocalSend」

モバイル・デジタル一眼
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異なるOS間でのファイル転送に困っていませんか?LocalSendなら、iPhone・iPad・Android・Mac・Windows間で写真やファイルを簡単に送受信できます。完全無料でサーバーを介さないローカルネットワーク内でのピアツーピア転送により、セキュリティも万全。設定方法から実際に遭遇しやすいトラブルの対処法まで、実体験に基づいて詳しく解説します。

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LocalSendとは

パブリックドメインとして現在も開発(バージョンアップ)が進んでいるクロスプラットフォームアプリケーションです。

AndroidやWindowsであればQuick Shareがありますし、iPhone・iPad・MacであればAirDropがあります。これらは大変便利ですが、筆者のようなAndroidとiPhone、MacとWindowsを全部使用している場合、AndroidからiPhoneへ、あるいはiPhoneからAndroidへファイルや写真を簡単に送ることができず大変不便な思いをしていました。

[旅路の部屋] Androidで撮った写真を簡単にMacに飛ばす!これでiPhoneとの差を小さくできる…かも
https://aichanworld.com/wd/2023/12/05/post-30418/

自宅内であれば自宅のNAS経由でファイル転送していましたが、面倒ですし速いとはいえません。できればこれらのデバイス同士で直接AirDropのように簡単にやり取りしたいのです。

そういう訳で探して見つけたのが「LocalSend」アプリ。

このアプリを使用することで、異なるOSの各デバイス相互間(クロスプラットフォームといいます)で写真を含むファイルのやり取りが最も簡単にできるようになります。

[公式] LocalSend
https://localsend.org/ja

特徴

  • サーバーを介さないローカルネット内でのピアツーピア転送
    インターネット上のサーバーを介さないので、データ通信を不要でありギガを消費せず、サーバーからデータが漏洩する心配がありません。
  • クロスプラットフォーム対応
    iOS、iPadOS、Android、Mac(macOS)、Windows、Linuxで利用できます。
  • 広告なしの完全無料のパブリックドメイン
    完全無料のパブリックドメインであり、広告やトラッキングも一切ありません。初期費用やサブスク費用はゼロです。現在も有志により改良が続けられています。
  • 必要なものは共通のネットワーク
    デバイスやPC・Mac同士で相互にアクセス可能なネットワークだけあればOKです。モバイルデータ通信やBluetoothも不要です。PCやMacであればWi-Fiでも有線LANのいずれか、スマートフォンはWi-FiでOKです。

制約

  • 送信元と受信先のデバイスでお互いに相手にアクセスできるネットワークが必要です。

    具体的には家庭内のLANやWi-Fiは通常OKです。職場の場合はその組織のネットワークセキュリティポリシー次第で使えない場合もあります。

    多くの公共ネットワーク(ホテルを含めて)では、セキュリティ上デバイス相互間のアクセスはできないようになっていますので、その場合は使えません。
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使い方

[1] アプリをインストールする

  • iPhone・iPadはAppStoreで「LocalSend」を検索
  • AndroidはGoogle Playで「LocalSend」を検索
  • MacはMacのAppStoreで「LocalSend」を検索
  • Windowsは「LocalSend」のサイト(https://localsend.org/ja)からインストール

[2] 設定する

MacやWindowsではファイアウォールを無効にしておくこと(OSとセキュリティソフト)。下はMac版のLocalSendの受信待機中の画面です。

Androidは特にすることなし。

iOS/iPadOSでは「LocalSend」アプリの権限でローカルネットワークへのアクセスを許可すること。最初の起動時に聞かれるかもしれないので、その際は「許可」にする。後から設定する場合は、[設定アプリ] → [アプリ] → [LocalSend] → [ローカルネットワーク]のスイッチをON(緑)にする。

やることはこれだけです。

[3] 使ってみる

Androidを送信側にして、iPhone・macOS・Windowsを全部受信側にした場合のAndroidの画面の例です。

送りたいものが写真であれば「メディア」アイコンをタップして選択、ファイルであれば「ファイル」アイコンをタップして選びます。

こちらはiPhoneを送信側にした場合の画面の例。ファイルを選ぶとこんな感じになります。

送信すると、受信側にはAirDropのように承諾するか拒否するかの画面が出ますので、問題がなければ承諾します。

操作はこれだけです。

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受信デバイスが送信側の一覧に表示されないトラブルへの対応

筆者が解決に一番手間取ったのが、iPhone(iOS18.5、iPhone 15 Pro Max)を受信側にしたときでした。送信側のAndroid(Android15、Galaxy S25 Ultra)に待てど暮らせどiPhoneが表示されないのです。

こうしたことも含めてトラブル対応策を記載します。

可能性1:OSやセキュリティソフトのファイアウォール

WindowsやAndroidのセキュリティソフトでファイアウォールが有効になっていると、送信デバイスからの最初の通信(インバウンド・パケット)が拒否されて繋がりません。

iPhone/iPadの現在のOSではファイアウォールと明示されているものでユーザーが設定を変えられるものはありません。

Mac(macOS)では、[Appleメニュー] → [システム設定] → [ネットワーク] → [ファイアウォール] が標準の項目にあります(macOS15.5の場合)のでこれをオフにします。サードパーティ製のセキュリティソフトを使っている場合は、そちらのファイアウォールも忘れずにオフにします。

一覧に出てこない場合は、Windows・Mac(macOS)・Androidのファイアウォールはオフにして試してみてください。

可能性2:LocalSendアプリのアクセス許可設定

筆者は最初これにひっかかりました。

AndroidとWindowsは送受信ともに問題なかったのですが、他のデバイスからiPhoneに向けて送信しようとしても、一覧にiPhoneが出てこないのです。

LocalSendアプリにローカルネットワークへのアクセス許可を与えていないのも、この不具合の原因となります。

[設定アプリ] → [ アプリ] → [LocalSend] → [ローカルネットワーク] のスイッチをON(緑色)に切り替えます。

これで解決する可能性もありますが、筆者の場合うまくいったのは一回だけであり、その後は全然ダメでした。

可能性3:OSのバージョンとWi-Fiルーターの相性

相性なのか何なのか、iPhoneでiOSをアップデートしたらWi-Fiが切れがちになるとかいうトラブルもiPhoneでは良くある話です。LocalSendアプリに関してもこれが原因である可能性があります。

iPhoneのネットワーク設定をリセットしましょう。

[設定] → [一般] → [転送またはiPhoneをリセット] → [リセット] → [ネットワーク設定をリセット]

一番最後の選択では、くれぐれも「ネットワーク設定をリセット」以外を選ばないように慎重に作業を進めてください。間違えるとiPhone全体がリセット(全削除)されたりeSIMが消されなりします。

「ネットワーク設定をリセット」では設定済みのWi-FiとBluetoothのペアリングが削除されます。

たくさん設定していると面倒ですが、筆者はネットワーク設定のリセットでLocalSendがiPhoneで使えるようになりました。

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余談:類似アプリ「Send Anywhere」

似たようなアプリで「Send Anywhere」というのがあります。こちらも簡単なのですが、いちいち送信側に表示されたQRコードあるいは6桁コードを受信側に読ませる・入力する必要があり面倒です。

もっと嫌なのが、一回送受信するたびに長い広告が延々表示されること。これが嫌ならお金を払ってねというよくあるタイプです。

さらにサーバー経由ですので、速いとはいえないしセキュリティも心配です。

LocalSendに比べると、自宅のネット以外でもやり取りできるのですが、そういうことがさほど多いとは思いませんし、たまにある程度ならGoogle Driveを使えば解決できます。

筆者としては、無料プランですと広告があまりにも酷く多くて辟易しますのでお勧めしません。

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まとめ

LocalSendは、異なるOS間でのファイル転送という長年の課題を解決する優秀なアプリです。完全無料でありながら広告もなく、サーバーを介さないローカルネットワーク内でのピアツーピア転送により、セキュリティとプライバシーも確保されています。

LocalSendの主なメリット

  • 完全無料: 初期費用・サブスク費用一切なし
  • クロスプラットフォーム対応: iOS、Android、Windows、Mac、Linuxで利用可能
  • 高いセキュリティ: サーバー経由なし、データ漏洩リスク皆無
  • データ通信不要: ギガを消費しない
  • シンプルな操作: AirDropライクな直感的インターフェース

注意点

  • 同一ネットワーク内でのみ利用可能
  • 公共Wi-Fiなど制限のあるネットワークでは使用不可
  • iOSでは初回設定時にローカルネットワークアクセス許可が必要
  • Windows/Macではファイアウォール設定の調整が必要な場合あり


混在環境でデバイスを使用している方には、間違いなくおすすめできるアプリです。設定に少し手間がかかる場合もありますが、一度設定すれば非常に便利に使えるようになります。

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