私は関西出身ですので、「肉」という言葉が暗黙の了解で意味するところは、間違いなく「牛肉」です。「豚肉」を指す時は明示的に「豚肉」「豚」と言わないと通じないという記憶があります。
一方で関東出身の妻。時と場合によりけりでしょうけど、基本的に「肉」といえば「豚肉」だそうであります。「牛肉」は明示的に「牛肉」というのが誤解を招かないのだそうです。
ですから、我が家の場合、「牛肉」「豚肉」とはっきりと言わないと思わぬ勘違いが起こる可能性があります。
もうひとつ。これは言葉ではなく食習慣。会社で関東出身の同僚に聞くと、「寿司」といえば「まぐろのにぎり」、「刺し身」といえば「まぐろの刺し身」なのだそうで、複数の関東人が賛意を示しました。
そういうものなの?
確かに社会人になって一人暮らしを初めて、スーパーの刺し身売り場に行ったときの驚愕をいまでも覚えています。
「え?刺し身売り場が真っ赤じゃないか!」
そうなんですよね、関東のスーパーでは刺し身売り場の主人公はマグロであり、刺し身売り場の七割くらいはマグロのように思います。
では、関西は?
もちろんマグロもあります。でも、それ以外の白身魚も結構ありますので、マグロ比率は格段に下がります。金沢のスーパーだともっとマグロ比率がさがりますね。そりゃそうでしょう、日本海でマグロはとれないですもの。わざわざマグロを食べなくても、日本海の美味しい魚が沢山あります。
関西人の自分にとっては、マグロ全面禁漁になってもあまり困りません。ツナ缶もなくて平気。
食習慣のことなのですが、関西人から見ると食べ過ぎです、マグロ>関東人
そして寿司ですが、にぎり寿司は明示的に「にぎり寿司」と言う必要があります。京都と大阪で若干違いますが、寿司といえば巻き寿司、箱寿司、ちらし寿司(江戸前の、それじゃなくて、ばら寿司、生物を入れないばらちらし)、そして京都なら箱寿司か鯖寿司。にぎり寿司が寿司という言葉の連想出てくるのは、おそらく一番最後かもしれません。
こうした東西食の違いを言い出せばキリがないので、ほどほどにしますが、スーパーの刺し身売り場が真っ赤なのだけは、未だに生理的に受け入れられません。マグロが嫌いなのではなく、マグロ以外の刺し身をもっと多種置いて欲しいのです。しかし、関東ではマグロ、せいぜい、鯛くらいがメインでそれ以外は…だめっすねぇ。
歳をとると、妙に幼い頃の食習慣が懐かしくなってくる今日このごろなのでした。