モバイルでいろいろ作業できる環境のためにモバイルノートPCかタブレットが欲しくなる。ノートPCは常時持ち歩くにはやはり重いしほとんどは単体でLTE通信ができない。となるとタブレットか….。iPad/iPad Air/iPad ProのApple族になるか、Surface系のMicrosoft族になるか。両方買うわけにはいかないから悩む!そんな人のため記事です。今回は常時持ち歩きしても邪魔になりにくい11インチ以下でLTE通信可能なモデルで考えます。
iPad、iPad AirとiPad Pro
まずはiPadファミリの現状を見てみましょう。仕様を見て比べてApple Pencilやキーボードをつけたときのシステム価格やトータル重量はいかほどのものか?税抜本体価格で比較している記事はたくさんありますが、現実には仕事などで使うとするとキーボードやペンも必要なので、それらをすべて含んだ税込の実支払価格で比べてみます。
仕様比較
なんだかどんどん両者の差が縮まっているなぁ、と感じますね。
まずは簡単に比較してみましょうか。
いずれも11インチ以下のタブレットタイプのモデルです。
iPad (第8世代) | iPad Air (第4世代) | iPad Pro 11 (第2世代) | |
画面 | 10.2インチ | 10.9インチ | 11インチ |
解像度 | 2,160 x 1,620ピクセル解像度、264ppi | 2,360 x 1,640ピクセル解像度、264ppi | 2,388 x 1,668ピクセル解像度、264ppi |
Apple Pencil対応 | Apple Pencil(第1世代) | Apple Pencil(第2世代) | Apple Pencil(第2世代) |
CPU | A12 Bionic | A47314 Bionic | A12Z Bionic |
ストレージ (GB) | 32/128 | 64/256 | 128/256/512/1TB |
生体認証 | Touch ID | Face ID | Face ID |
バッテリー | 32.4Whリチウムポリマー | 28.6Whリチウムポリマー | 28.65Whリチウムポリマー |
インタフェース | Lightning | USB TYPE-C | USB TYPE-C |
サイズ (mm) | 250.6 x 174.1 x 7.5 | 247.6 x 178.5 x 6.1 | 247.6 x 178.5 x 5.9 |
重さ (Wifi+Cellular) (g) | 495 | 460 | 473 |
重さ (Apple Pencil) | 20.7 | 20.7 | 20.7 |
重さ (Smart Keyboard) | 220 | 295 | 295 |
重さ (本体+Apple Pencil+キーボード) | 735.7 | 775.7 | 788.7 |
PassMark CPU Mark | 12328 | 18847 | 19290 |
Geekbench 5 Singe-Core | 1110 | 1595 | 1123 |
Geekbench 5 Multi-Core | 2555 | 4279 | 4671 |
Geekbench 5 Metal | 5244 | 12435 | 12077 |
antutu | 440000 | 651004 | 708060 |
本体価格(SIMフリー) | 54,780円~ 65,780円 | 85,580円~ 104,280円 | 111,980円~ 172,480円 |
Apple Pencil価格 | 11,880円 | 15,950円 | 15,950円 |
Smart Keyboard価格 | 18,480円 | 21,780円 | 21,780円 |
本体+ApplePencil+Smart Keyboardのシステム価格 | 85,140円~ 96,140円 | 123,310円~ 142,010円 | 149,710円~ 210,210円 |
※価格はすべて税込みです。
「安い!」と思える64GBのiPad(第8世代) であっても、Apple PencilとSmart KeyboardをつけてPCっぽく使えるようにすると85,140円もかかってしまいます。
iPad Pro 11 1TBに至っては結構いい感じの13インチモバイルノートが買えてしまう210,210円とまあびっくりの価格です。
iPadの特徴は、動きがスイスイということにつきます。最下位のiPad (第8世代) でも普通にスイスイ動きますが、iPad Pro 11になるとかなり機敏に動きます。よくMacBook Airと比較対象されますが、体感的にはMacBookを遥かに超えた動きのスムーズさであるのは間違いありません。
Officeアプリについていうと、正直ってiPadOS版のMicrosoft Officeはフルバージョンとはことなりできることに限界があります。これはAndroid版でも同じです。これが最も選択に躊躇するところです。PowerPointでプレゼンするなら何も問題はないですがイチからExcelやWord、PowerPointで資料を作り込むにはかなり力不足です。
位置づけ
これら3モデルの位置づけはストレージなどのスペックからしてもあきらかです。
iPad (第8世代):
エントリーモデルの位置づけ。ストレージも32GBか128GBとかなり心細くて本気で使うとすぐに天井が見えてきます。
iPad Air (第4世代):
エントリーとプロユースの中間。一般的には万能選手的な位置づけでストレージも256GBが選べるようになった。外部メモリカードが使えないので本体ストレージの大きさは非常に重要になります。システム価格では10万円を軽く突破してしまいますので、購入には決断が必要になる。
iPad Pro 11(第2世代):
プロユースモデル。ストレージは最大1TBまで用意されており、画像編集やDTM、動画編集などもこなせるレベルの性能を持っています。システム価格では最高で20万を突破してしまうので、ここまでいくとhp Spectre x360 13-aw0162TU (LTE通信のできるWWANモデル)が税込み219,780円なので、そちらのほうが遥かにつぶしが利くので投資の価値があるかどうかよく考えなければなりません。
こうして見ると大きく3つに分かれるiPadファミリーですが、どこでもLTE通信で仕事(趣味でもいいですが)ができるようにしたいと思うと、実用的にはiPad AirかiPad Proになりますが、いずれもシステム価格で10万円を超える買い物になりますので覚悟が必要です。
iPadの特徴はどのモデルであってもWifiモデルとWifi+Cellularモデルが用意されており、LTE通信を使おうとすると選べるモデルが限られてしまうことはありません。
持ち出してどこでも使うことにするなら、絶対にWifi+Cellularモデルを買いなさい。SIMはMVNOのデータ系のSIM(通話不可)でOK)ですし、SIMフリーモデルならば本体と同時にSIMを買う必要もありません。
Surface
街中のカフェなどで仕事をしている人を見ると、MacかWindows PCか、さもなければSurfaceかってところで、iPadはあまり多くないです。一つにはSurfaceは社給品ってのもあるかもしれませんね。
SurfaceはiPadと違ってすべてのモデルでLTE通信が使えるわけではありません。
ここではiPadにならって、11インチ以下でLTE通信可能な最新モデルを引っ張り出します。
仕様比較
Surface Go 2 | |
画面 | 10.5インチ |
解像度 | 1,920 x 1,280ピクセル解像度、264ppi |
ペン対応 | Surface Pen |
CPU | 第 8 世代 Intel Core m3 |
ストレージ (GB) | 128 (SSD) |
生体認証 | Windows Hello 顔認証 |
バッテリー | 8,000mAh |
インタフェース | USB TYPE-C |
サイズ (mm) | 245 x 175 x 8.3 |
重さ (g) | 553 |
重さ (Surfaceペン) | 21 |
重さ (Surface GO タイプカバー) | 245 |
重さ (本体+Surfaceペン+キーボード) | 819 |
PassMark CPU Mark | 4336 |
Geekbench 5 Singe-Core | 334 |
Geekbench 5 Multi-Core | 917 |
Geekbench 5 OpenCL | 4254 |
antutu | 不明 |
本体価格(SIMフリー) | 118,338円 |
Surfaceペン価格 | 12,980円 |
Surface Go タイプ カバー価格 | 16,940円 |
本体+ApplePencil+Smart Keyboardのシステム価格 | 148,258円 |
Surface Pro Xについて
現行モデルのSurfaceでLTE通信可能なものは、Surface Pro XとSurface Go 2となりますが、可搬性を考えての11インチ以下モデルはSurface Go 2のみとなります。
さらにSurface Pro Xの最上位である「Surface Pro X Microsoft SQ2/メモリ16GB/512GB SSD搭載モデル SIMフリー」になると241,780円で、ペンとキーボードをつけたシステム価格は274,340円(Microsoft Store)とタブレットとは思えぬ30万円に近づきます。
さらに「Surface Pro X Microsoft SQ2/メモリ16GB/512GB SSD搭載モデル SIMフリー」は本体重量779g、ペンとキーボードで280gなのでシステム重量は1,059gと1kg超え。
Surface Pro X Microsoft SQ2のGeekbench 5スコアは、Single-Core 768、Multi-Core 3005とiPad(第8世代)とiPad Air (第4世代) の中間となり、iPad Pro 11に及びません。
Windows Home Sモード
Surface Go 2はWindows Home Sモードとなっており、アプリはMicrosoft Storeからしかインストール不可、ブラウザはEdge固定、検索はBing固定としておりその分起動を早くしているそうです。
Sモードは解除可能ですが、一旦解除すると戻せません。
Windowsが動くがゆえの良し悪し
iPadと違って、Surfaceは曲がりなりにもWindows HomeなのでOfficeのフルバージョンが動きます。
ただしSurface Go 2のストレージはたったの128GBしかないので、容量の少なさは要注意です。
普通にOfficeが使えることには裏表があります。
○:メインPCと同じようにOffice(Word/Excel/PowerPoint)のフルバージョンが使える。
X;同じOfficeが使えるがゆえに、パフォーマンスの悪さには相当イラつく(これは筆者が店頭で触ってみた実感です)。
多くの提灯記事では、同じアプリが使えるメリットを打ち出していますが、同じアプリが動くがゆえに無意識にメインPCとの比較をしてしまい、その動作・起動の遅さにイラつくことになります。
以前、Surface Go (前世代)を店頭でいろいろ試してみて、相当イライラして筆者としては買う価値はないと思いました。WinodowsをiPad Pro並の性能とコンパクトさで持ち歩けるのはまだまだ先の話です。
Windowsで持ちあるくならSurface Pro Xよりhp Spectreをおすすめ
本気でWindows PCを持ち歩いてLTE通信もしたくて、なおかつメインPCに近いパフォーマンスを得たいなら、筆者が以前記事にしているhp Spectre x360 13インチがおすすめです。
筆者が持ち歩くのは、普通はiPad Pro 11 (第1世代)にSmart Keyboard Folioをつけている状態です。
普通はこれで十分なんですが、フルスペックWindowsの機能というかOfficeの機能やAdobe Photoshop、Premierなどの機能が必要な場合は、hp Spectre x360 13インチを連れ出します。
このACアダプタは海外メーカー特有のバカでかいものなので60W USB TYPE-C のアダプタを使っています。
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これは非常に小さいので持ち運びには全く気になりません。
iPad Airとhp Spectre x360の両持ちがいいと思います。SIMはhp Spectre x360 13インチのWWANモデル限定のDIS for SBMの容量無制限SIMを入れ替えればOKです。
スペック横並び比較
前出のiPad (第8世代) の代わりにSurface Go 2を表に入れて比較してみました。
Surface Go 2 | iPad Air (第4世代) | iPad Pro 11 (第2世代) | |
画面 | 10.5インチ | 10.9インチ | 11インチ |
解像度 | 1,920 x 1,280ピクセル解像度、264ppi | 2,360 x 1,640ピクセル解像度、264ppi | 2,388 x 1,668ピクセル解像度、264ppi |
ペン対応 | Surface Pen対応 | Apple Pencil(第2世代) | Apple Pencil(第2世代) |
CPU | 第 8 世代 Intel Core m3 | A47314 Bionic | A12Z Bionic |
ストレージ (GB) | 128 (SSD) | 64/256 | 128/256/512/1TB |
生体認証 | Windows Hello 顔認証 | Face ID | Face ID |
バッテリー | 8,000mAh | 28.6Whリチウムポリマー | 28.65Whリチウムポリマー |
インタフェース | USB TYPE-C | USB TYPE-C | USB TYPE-C |
サイズ (mm) | 245 x 175 x 8.3 | 247.6 x 178.5 x 6.1 | 247.6 x 178.5 x 5.9 |
重さ (Wifi+Cellular) (g) | 553 | 460 | 473 |
重さ (Apple Pencil) | 21 | 20.7 | 20.7 |
重さ (Smart Keyboard) | 245 | 295 | 295 |
重さ (本体+Apple Pencil+キーボード) | 819 | 775.7 | 788.7 |
PassMark CPU Mark | 4336 | 18847 | 19290 |
Geekbench 5 Singe-Core | 334 | 1595 | 1123 |
Geekbench 5 Multi-Core | 917 | 4279 | 4671 |
本体価格(SIMフリー) | 118,338円 | 85,580円~ 104,280円 | 111,980円~ 172,480円 |
ペン価格 | 12,980円 | 15,950円 | 15,950円 |
キーボード価格 | 16,940円 | 21,780円 | 21,780円 |
本体+ApplePencil+Smart Keyboardのシステム価格 | 148,258円 | 123,310円~ 142,010円 | 149,710円~ 210,210円 |
実際に使ったサクサク感と性能では、あえてSurface Go 2を買う理由はみあたりません。
Windows環境を持ち歩きたいのであれば、自宅メインPCとの速度差・使用感の差はかなりの覚悟が必要です。
人間そんなに簡単に割り切れるものではありません。
まとめ
iPad (第8世代)/iPad Air (第4世代)/iPad Pro 11 (第2世代)の中で、キーボードをつけて外でもそこそこ仕事あるいは作業ができるようにしたいのであれば、iPad Air (第4世代)またはiPad Pro 11 (第2世代)のWifi+Cellularモデルを選ぶべきである。
常時持ち歩きに邪魔にならないのは11インチが限度。
Microsoft SurfaceでLTE通信可能な11インチ以下のモデルはSurface Go 2のみであるが、スペック的に相当見劣りがする。システム価格はiPad Air/iPad Proの価格と変わらないので、利用時の快適さ・サクサク感では文句なくiPad AirやiPad Proの圧勝。
出先でも気軽にWindowsが使えるのがSurfaceのメリットであるが、逆に同じソフトが同じように動くが故に無意識にメインPCとのパフォーマンス比較をしてしまいSurface Go 2のような低スペックだととんでもなくストレスが溜まってくる。
当サイトのオススメはタブレット+キーボードならiPad AirかiPad Pro。Windowsを持ち歩くのならばhp Spectre x360 13のWWANモデル(LTE対応)。