コロナ以来、各企業で普及してきている「テレワーク」「リモートワーク」「在宅勤務」の違い

日常生活・猫
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新型コロナ感染症の拡大以来「テレワーク」「リモートワーク」「在宅勤務」という言葉が当たり前になりました。同じような言葉で皆勝手に都合よく使っていますが、一体どう違うの?調べてみると定義も一部まちまちであることがわかりました。都合よく解釈して話が食い違うのも困りますので、基本的なところを知っておきましょう。

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テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違い

メディアの報道では在宅勤務のことテレワークと言ったりリモートワークと表現したり様々です。

テレワーク(英: telework)あるいはテレコミューティング(英: telecommuting)とは、勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、英: Information and Communication Technology)を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語。在宅勤務(WFH)、モバイルワークリモートワーク、フレキシブルワークプレイスとも呼ばれる。また、テレワークで働く人をテレワーカーと呼ぶ。
出典:Wikipedia 「テレワーク」

Wikipediaの解説では両者の違いはよくわかりません。

それどころか、在宅勤務(Work From Home)と同義であるとすらしているように読めますがこれには個人的には異論を呈したいと思います。

在宅勤務とは

ここは筆者として在宅勤務をあらためて定義したいと思います。

在宅勤務とは週の勤務日の一部あるいは全部を自宅で業務を行うことである。

週の一部を在宅勤務する場合は、オフィスにも自席(あるいは自分のワークスペースなど)があるが、週の全部を在宅勤務する場合はオフィスには定席がないことも多い。「勤務」なので通常は会社勤務している人に適用される。

これは非常に明確でICT普及以前の随分昔から存在する言葉です。

筆者の定義だけでは独断と偏見の域を出ませんので総務省の資料を引用します。

(1) 在宅勤務
所属するオフィスに出勤せず、自宅を就業場所とする働き方です。通勤負担が軽減さ
れることに加え、通勤に使っていた時間を有効に活用することができます
出典:総務省「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」 
https://www.soumu.go.jp/main_content/000668432.pdf

育児があるが仕事はできるので自宅で仕事をするとか、足に怪我をして出勤はできないがネット経由で普通に仕事ができるので自宅で療養しながら仕事をするというは在宅勤務です。

また、自宅で午前中仕事をしてから自宅近くの取引先で商談をするなどというのも、一日の一部の時間を在宅勤務したことになります。

所属するオフィスに出勤せず自宅を就業場所とする働き方が在宅勤務です。

テレワークとは

テレワークの定義については総務省のサイトにあります。

テレワークとは、「ICT を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方」のことです。
インターネット等の ICT を利用することで、本来勤務する場所から離れ、自宅等で仕事をすることができます。
在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務(施設利用型勤務)等さまざまな働き方の総称です。
テレワークは、経営課題の解決策として注目されています。たとえば、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現、人材の維持・確保、業務プロセスの革新、事業継続の計画等の効果があります。
出典:総務省「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」 
https://www.soumu.go.jp/main_content/000668432.pdf
※下線は筆者が追加

テレワークは英語で距离が離れていることを表す「tele-」と仕事「work」の組み合わせでできている英単語ですので英語の辞書での定義を調べてみましょう。

Cambridge Dictionaryによる定義:
the activity of working at home, while communicating with your office by phone or email, or using the internet

辞書がごく最近の状況を表していない気もしますが、本来の英語の提議では自宅から働く(在宅勤務)であることの意味のようです。なんかちょっと狭義すぎる気がします。

本家アメリカのいろいろなサイトを見てもtelework とremote workのdifinitions(提議)はなかなかこれ!というものが出てきません。

アメリカ合衆国人事管理局(U.S. OFFICE OF PERSONNEL MANAGEMENT)によればteleworkを以下のように定義しています。

In practice, “telework” is a work arrangement that allows and employee to perform work, during any part of regular, paid hours, at an approved alternative worksite (e.g., home, telework center). This definition of telework includes what is generally referred to as remote work but does not include any part of work done while on official travel or mobile work.
出典:U.S. OFFICE OF PERSONNEL MANAGEMENT “What is telework?”
https://www.opm.gov/FAQs/QA.aspx?fid=b48bf83b-440c-4f1e-a88c-3cdc9d802ac8&pid=75346675-3b92-4aec-831d-58cf5b0e86d2
「テレワーク」とは従業員が通常の勤務時間帯に予め承認された代替職場(自宅、在宅勤務センターなど)で仕事を行えるようにする仕事の取り決めです。このテレワークの定義には、一般にリモートワークと呼ばれるものが含まれますが出張中やモバイル作業中に行われる作業の一部は含まれません。
翻訳:Google翻訳を一部筆者が修正

このように日本で総務省がオフィシャルに定義している意味と、言葉の生まれ故郷であるアメリカのアメリカ合衆国人事管理局で定義している内容とは若干異なります。

総務省のほうは概念として定義しており、アメリカ合衆国人事管理局のほうは具体的なスタイルを定義しています。

テレワークは「ICT を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方」の総称を表しています。

リモートワークとは

総務省のサイトを探しましたが「リモートワーク」の定義はありませんでした。

テレワークリモートワーク在宅勤務の3ワードの中で一番定義があいまいなのがリモートワークのようです。

政府関係のところにはなかなか定義が見当たらないので、他を当たるとリクルート社のサイトに説明がありました。

リモートワークは距离が離れていることを表す「remote」との組み合わせの言葉です。remote controler(リモコン)などが典型的な例です。普段の仕事場から離れて仕事をすることを表すのが適切な解釈のようです。

リモートワークする人は勤め人とは限りません。

カフェなどでPCを使って仕事をする、一昔前でいう「ノマドワーカー」なんてのも立派なリモートワーカーだと言えます。

したがって、コロナ禍で東京都知事が苛立って訴えているのはテレワークリモートワークというより「都民の皆さんはぜひ在宅勤務に切り替えてください」というのが適切ということになります。

だって、リモートワークならば、部署全員が職場を離れてカフェやコワーキングスペースで密になってワイワイやりながら打ち合わせをして資料を作るのも「リモートワーク」と言えるのですが、それだとコロナ対策としては意味がありませんからね。

筆者のブログ執筆は仕事ではなく趣味ですが、仮にこれが仕事であった場合(お仕事依頼はWelcomeです)、自宅でブログを書くのに飽きたしアイデアに詰まったので、PCを持って箱根の温泉に行ってリフレッシュしながらブログ執筆をするというのはテレワークの概念に沿ったリモートワークという仕事スタイルとなります。

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まとめ

テレワークとは「ICT を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方」の総称である。(総務省)

リモートワークとは普段の仕事場から離れて仕事をすること全般を表す。勤め人とは限らない。

在宅勤務とは所属するオフィスに出勤せず、自宅を就業場所とする働き方である。

概念の大きさ順に並べると、テレワーク>リモートワーク>在宅勤務である。

コロナ禍で実施を推奨されているのは「テレワーク」や「リモートワーク」ではなく「在宅勤務」である。

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