この記事は、窒化ガリウム(GaN)採用により超小型化に対応した61W PD対応充電器であるRP-PC112のユーザー視点でのレビューで記事です。
RP-112概要
冒頭にも書きましたが、RAVPOWER RP-112は従来のシリコン半導体に代わり、窒化ガリウム(GaN)を採用したパワーデバイスです。
それって何がいいの?
・電力変換ロスが少ない
・高速
・小型化
まあ、いいことばかりですが、なぜ実用化が遅れたかというと、製造時の歩留まりの低さにありました。しかし、製造技術の進歩により歩留まりも向上し、製造インフラとして従来のシリコンのものを活用できるということから、ここにきてようやく実用的な製品が出てきました。
RAVPOWER RP-PC112は、まだ現状では数少ないGaNを採用したACアダプタです。
仕様
入力 | AC 100V-240V, 50/60Hz, 1.5A |
出力 | 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A, 20.3V/3A |
最大出力 | 61W |
出力ポート | USB Type-C |
充電規格 | USB Power Delivery 3.0 (PD3.0) 対応 |
大きさ | 49 × 49 × 32 mm |
重さ | 105g |
充電がPD対応している機器(上記容量以内のPCやタブレット等)であれば急速充電対応として利用できるわけです。
同社のホームページ情報では、以下のデバイスで充電必要時間を確認したものが掲載されています。充電時間等は同社ホームページ(前掲)をご覧ください。
<Mac>
Apple MacBook Pro(15-inch, 2018)
Apple MacBook Pro(Retina, 12-inch, Late 2016)
Apple MacBook(Retina, 12-inch, Early 2015)
<iPad/iPhone>
Apple iPad Pro 2018(11インチ、12.9インチ)
Apple iPhone XS Max
Apple iPhone XS
Apple iPhone XR
Apple iPhone X
<PC>
Dell XPS 13 (9360)
<Android Smartphone>
HUAWEI Mate 20 Pro
Samsung S10
Samsung S9
Samsung S8
実機を手にして
AmazonでRP-PC112をポチりまして翌日には手元に届きました。
色使いがANKERによく似てますなぁ。
手のひらにすっぽり隠れるサイズです。
プラグは折りたたみ式です。
大きさ比べ(小型USB充電器と比較)
手持ちの他の類似ACアダプタ(従来のシリコン技術のもの)と比べてみます。
左から、
・cheero Quick Charge 3.0 USB AC アダプタ CHE-315-WH
・Anker PowerPort II – 2 PowerIQ (24W 2ポート USB急速充電器)
・RAVPOWER RP-PC112
・Anker PowerPort ll PD – 1 PD and 1 PowerIQ 2.0
です。
上の写真と同じ順です。
左から二番目の「Anker PowerPort II – 2 PowerIQ」より22gほど思いだけで大きさはほぼ同じ。あえて言えば、それよりは少々分厚く、少々四方の大きさが小さい感じです。
大きさ・重さはほぼ同じですが、「Anker PowerPort II – 2 PowerIQ」は24W、「RAVPOWER RP-PC112」は61Wなのでその違いは歴然です。
すごいな、窒化ガリウム(GaN)技術。
大きさ比べ(HP Spectre x360の充電器)
次に、私のモバイルPCの一つ、HP Spectre x360の充電器との比較です。
黒い方がHPのオリジナル。
厚みはほぼ同じで、大きさ(面積)は約半分程度です。
HPのアダプタの最大容量は65Wなので微妙に不足していますが、あくまで最大容量なのでほとんど問題はないはず….です。
CPUフルパワーで充電もほぼ空からのフルパワーチャージとかのときに充電が遅くなるとか何らかの支障がでることが考えられますが、Spectre x360をフルパワーで動かしてフルパワーチャージなんて自分の使い方だとほとんどないはずです。
使ってみた
iPhone 8, iPad Pro 10.5
使用したのはApple純正のLightning USB-Cケーブルです。
当然のことながら、全く問題なく充電できますし、充電しながら操作もOK。RP-PC112、ケーブル、本体ともに特に異常はありません。
充電速度が速くなったかどうかがわかるほどバッテリーが減っていませんでしたので、そこのところはよくわかりません、すみません。ただ、体感としてはやや速くなったかなとは思います。
HP Spectre x350 13-ac000
HPのノートPCでは、純正以外のACアダプターを接続するとその度ごとに「製品に付属のHP製電源アダプターを使用することをおすすめします。」と警告が出ます。
これは対策があるようです。
rename “C:\Program Files (x86)\HP\HP System Event\USBCMSG.exe” to “C:\Program Files (x86)\HP\HP System Event\USBCMSG_bak.exe”
https://h30434.www3.hp.com/t5/Notebook-Hardware-and-Upgrade-Questions/USB-C-Charging-for-HP-Spectre-x360-15-ch004na/td-p/6660077/page/2
要するに
C:\Program Files (x86)\HP\HP System Event\USBCMSG.exe
をリネームしろってことです。
実際使ってみましたが、上記メッセージ以外は問題ありませんでした。
というか、アダプタがこれほど小型になると超楽チン。
MacBook Pro Early 13-inch, 2015
あれ?
はい、そのとおりです、充電はMagSafe2のタイプで、USB TYPE-Cではありません。
しかしPD対応アダプタが使えたという話も多くあります。
なので、ケーブルを入手。純正では存在しませんが、いかにも純正っぽい作りです。
Magsafe2のところにはちゃんとLEDもついています。
実際これで使っていました。Spectre同様特に支障なし。
こんな感じで60Wのアダプタとして認識されていますね。
Magsafe/Magsafe2コネクタですが、中は単なる結線ではなくICチップが入って、Mac本体と通信しています。なのでピンだけ真似しても絶対充電されません。
一方PD対応の充電器(RP-PC112)もPDプロトコルにしたがってデバイスと通信するわけで、くだんのケーブルはどうなっているのか興味があります。あるいはPDのプロトコル(PDO)とMacのMagsafeのプロトコルとは何か共通点でもあるのでしょうか?そんなことは考えにくいですが….。
ちなみに、オリジナルのものは60Wです。16.5V/3.65Aなので電圧的にぴたりじゃないですが…
HPのほうは問題ないでしょうけど、こちらのほうはどうなんでしょうか。あくまで試してみただけです。それにMacBook Proは重いので普段は持ち歩きませんし。Airが欲しいかも。
使うならちゃんとUSB TYPE-C PDでの充電に対応したモデルで使いましょうね。良い子は….。
まとめ
- RAVPOWER RP-PC112は従来の60WクラスのPD対応ACアダプタを置き換えて、大きさ・重さともに劇的に小さくなるため持ち運びが非常に容易になる。
- 60WクラスのPD対応なので、iPhone(8以降)やiPad、PD充電対応モバイルPCへの充電がこれ一つで済むので、荷物が軽くなる。
60Wの小型PD対応アダプタを探しておられる方、これですよ、これ。これしかありませんって。