2020年ANA-SFC修行で海外発券を試算、本当に安くなるのか?

旅行・JGC・SFC
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航空会社のステータス修行、すなわちANAのSFC修行やJGC修行について調べていると一度は「海外発券」という言葉に突き当たると思います。「海外発券は安いぞ」という誘惑の言葉もたくさん見つかります。本当に安いのか?国内発券と同じ条件で比較するとどうなのか?についてANAを例に具体的な実例運賃で検証します。

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海外発券とは何か?

海外発券概要

海外発日本行きの往復チケットを海外(海外サイト)で発券することです。通常は羽田→シンガポール→羽田の往復ですが、海外発券だとシンガポール→羽田(ストップオーバー)→シンガポールとなります。

国内発券では国内の途中経路で24時間を超える滞在(ストップオーバー)はできませんが、海外発券なら前述の羽田(東京)で24時間を超える滞在ができます。

海外発券については当サイトでも一度触れたことがあります。

JGC修行を考えてみる(番外編:海外発券:クアラルンプール)
復習:OKA-SINルート JGC修行でWebを見ているとよく見かけるのがOKA-SINルートというもの。 国内線発券:羽田→那覇 国際線発券:那覇→羽田→クアラルンプール→羽田→那覇 国内線発券:那...

詳細は上の記事をご覧いただければと思いますが、簡単にメリットディメリットについて触れます。

メリット

  • 時期などにもよるが、基本的には国内発券より安く、お盆や正月といったピーク時期では国内発券よりさらに相対的に安くなる(国内発券の運賃が上がるので)。
  • 単に海外都市から日本への往復だけではなく、シンガポール発、東京経由・東京ストップオーバーで北米やオセアニア往復といった旅程も割安で組める。
  • 安い運賃でも一般には(有料かもしれないが)キャンセルや変更が可能なことが多い。

ディメリット

  • あくまで海外から日本への往復航空券なので、その両端、つまり日本から海外、海外から日本へは別途手配が必要(別切り)であり、それが結構高くなる傾向がある。
  • 海外からの往復なので、海外へは最低2回は行かないといけない。

重要な注意

上に示したような海外発券を”Back to Back Ticketing”といいまして、米系航空会社ではおそらくほとんど禁止されている事項です。バレたら正規運賃との差額請求に加えてマイレージ口座の閉鎖(もちろんマイルも没収)とかもあるようです。

JALやANAでは今の所明示的に禁止されていないようですが、いつ禁止になるかもしれませんので、利用の際は予約前に航空会社に確認されるほうが安全です。まあ、「大丈夫、全く問題なし!」とは言わないと思います。「運賃規則上は禁止しておりません」という消極的な肯定の返事でしょうね、多分。

航空券の使用順序等

海外発券といえども国内発券同様に往復航空券では使用する順序などは約款でちゃんと決められています。

(D)(搭乗用片の使用順序)
(1)会社は、航空券に記載された出発地からの旅程の順序に従ってのみ、搭乗用片の使用を認めます。
(2)最初の国際線の運送区間の搭乗用片が使用されておらず、旅客がその旅行をいずれかの予定寄航地から開始する場合、その航空券は無効であり、会社はその航空券の使用を認めません。

全日本空輸株式会社 国際運送約款より引用

ですから、「仮に」海外発券往復運賃が日本から海外への片道より大幅に安いようなことがあっても、海外発券の往路を使わずに復路(日本→海外)だけを使うことができません。

また、運賃によっては、往復の復路放棄なども認めていないケースもあります(ANAのここにあげた運賃ではそれなりの費用を払えば復路キャンセルできるよう場合もあるようですが、LCCなどではかなりの費用をとられるようです)。よく確認をしてください。

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海外発券の実例運賃検証

国内発券の3クラスの場合

国内発券で以下の条件で費用をビジネス・プレエコ・エコノミーで比べてみます。

羽田→シンガポール:2020年03月04日出発のNH834便
シンガポール→羽田:2020年03月07日出発のNH844便

この結果が以下の表となります。
(表はクリックで拡大します)

ビジネスクラスで往復だと、以前の記事で書いたように運賃だけで339,000円となり、総額PP単価は26.91円とかなりお高いです。

一番安いエコノミーでも、運賃は55,500円で総額PP単価は14.55円と安いとは言い難く、これなら羽田ー那覇で頑張るほうがかなりお得で楽チンです。

海外発券の場合

国内発券と極力日時などを合わせることと、2度目のシンガポールは1度目から一ヶ月後(ただし春休みにかぶるのでさらに翌週とする)の同じ曜日としました。

羽田→シンガポール:2020年03月04日出発のNH834便<国内発券>
シンガポール→羽田:2020年03月07日出発のNH844便<海外発券>

羽田→シンガポール:2020年04月09日出発のNH834便<海外発券>
シンガポール→羽田:2020年03月07日出発のNH844便<国内発券>

青文字が海外発券部分)

そして、両端の国内発券部分の利用クラスは、海外発券と同じとする(海外発券がプレエコなら国内発券もプレエコ)。

結果は以下の表の通りです。
(表はクリックで拡大します)

全行程ビジネスクラス利用(2往復分)

総額は707,470円となり、得られるPPは26,440PPであと1回プレミアムクラスで羽田-那覇往復すればブロンズ達成となります。総額PP単価は26.76円。
国内発券の総額PP単価26.91円よりほんの僅かに安い程度です。

全行程プレミアムエコノミークラス利用(2往復分)

総額は365,669円となり、得られるPPは15,508PPと2往復のわりには少々寂しい。総額PP単価は23.58円と思ったほど安くないです。
国内発券の総額PP単価24.16円よりこれまた微妙にましな程度。

全行程エコノミークラス利用(2往復分)

総額は155,739円となり、得られるPPは9,936PPとついに1万PPを切ってしまいます。総額PP単価は15.67円で国内発券の総額PP単価14.55円より高くなることに注意してください。

両端エコノミーで海外発券はビジネスの場合

ミックスしてみましょう。日本発券はエコノミーで済ませ海外発券をビジネスで試算します。

総額は361,970円で得られるPPは18,188PP。総額PP単価は19.90円と安くないですが、一度の往復のうちどちらかはビジネスでゆっくりできます。

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国内線(羽田-那覇)ならどうか?

同じ3月4日羽田出発の那覇行き、3月7日那覇出発でプレアムクラスと普通席で試算します。
(表はクリックで拡大します)

さて、両方とも総額PP単価は12.44円(普通席)〜12.96円(プレミアムクラス)です。

プレミアムクラスなら一往復で5,720PPを得られますが、エコノミークラスの国内発券シンガポールだと4,968PPと那覇を下回りPP単価は14.55円となり那覇より高いです。

私が2019年1〜4月にSFC修行をしたときよりも、PPを稼げる条件が随分悪化しました。

巷でささやかれているSFC修行僧封じについて
この記事は、いわゆるSFC修行僧封じと噂されているANAの運賃改定等に対しての記事です。 SFC修行僧封じとは SFC修行で情報を検索すると「ANAのSFC修行僧封じ」なんてのがちらほら。 なに?どう...

私のANAシンガポール往復(利用したのはマイルアップグレードでビジネスクラスですが、予約したのはプレコでPPもプレエコしかつきません)では那覇発のいわゆるOKAーSINにしたというのもありますが、

2019年4月のSFC修行実績:那覇〜羽田〜シンガポール(UPG可能なプレエコ料金)で154,689円でPPは13,170PP、PP単価は11.76円と冒頭のプレエコ試算の半額以下です。

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まとめ

極力同じ日程で比較すると、両端の日本発券が高いこともあって、昔ほど海外発券は得ではない。どのクラスを利用してもPP単価にすると日本発券とほとんど差がないか微妙に安い程度になる。

PP単価だけで言えば、2020年はシンガポールでPPを稼ぐよりよりも、昨年から価格がほとんどかわっていない那覇線のプレミアムクラスを利用するほうがPP単価からみてもかなり有利であり、付帯費用も安上がり。

当ブログの(2019年11月)時点での推奨は、SFC修行に関する限りはシンガポール修行ではなく、国内線プレミアムクラスを使った那覇往復である。

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