先日、トラブル対応で愛用のhp Spectre x360 13-aw000を初期化する必要が出ました。昔なら丸一日以上かかった作業ですが、2時間ほどで終えることができました。その秘策は日頃からのCloudストレージとNASの利用です。
Cloudストレージの特徴
様々なCloudストレージサービスがありますが、GoogleやOneDriveなど大手サービスに共通して言えるのは、PCやMac、AndroidやiPhone/iPadなどほぼ環境を選ぶことなくネットに繋がれば世界中どこでも使えるのが特徴です。
信頼性が高く容量も大きなCloudストレージは当然タダのわけはなく有償サービスです。
継続的に費用が発生するのがデメリットと言えばディメリットですが、優れたサービスにはちゃんと対価を払うべきです。
ちょっと盲点なのがネット接続の際の通信容量です。自宅の常時接続だと無制限だから良いじゃん!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、一般家庭向け接続は下りは容量無制限でも上りは容量制限があるのが普通です。
制限は会社により様々ですが、J:COMの場合は1日あたり上り30GBとなり、その制限を超えると低速接続となると同時に内容証明郵便で警告が届きます。(実際筆者のところにも一度届いたことがあります)
30GBは十分じゃん!と思うなかれ。
Cloudストレージを使い始めて最初の同期などで写真とかも同期対象に入れちゃうと、超えてしまいます。筆者の場合もAdobe Cloudの同期設定で上り速度制限をかけなかったのが失敗でした。
バックアップなどはCloud業者のほうできちんとやってくれるので、個人のディスクのようにディスクエラーで涙がちょちょぎれることはまずありません。
Cloudストレージの特徴まとめ
・OSやデバイス、場所を問わずに利用できる。
・有償サービスが基本で継続的に費用がかかる。
・モバイルや常時接続を使うので速度はネット環境依存となる。
・家庭の常時接続ネットでも上り容量には制限があり、うっかりするとそれに引っかかる(初期導入時)
・バックアップなどデータ保護は万全(世の中に100%完全はありません)。
NASの特徴
NAS (Network Attached Storage)とは文字通りネット(企業や家庭のローカルネット)に接続したストレージです。
家庭内ではネットの組み方によりますが、家庭内LANにつながっているPC・Macや多くの場合はAndroidやiOSなどからも利用可能です。
NAS というハードウェア初期投資は必要ですが、Cloudストレージのように継続的な費用発生はありません。
ストレージ容量は初期投資の費用次第でいくらでも大きくできます。
家庭内LANなので常時接続の通信容量を気にする必要がありません。何十GBでも好きなように転送できます。
そのかわり自宅の外からアクセスするのは難しいです。NAS により不可能ではありませんが、セキュリティの問題もあるのですべきではありません。ちゃんとネットワークとセキュリティの知識を持った人が日時限定で行うべきものです。気づいたらNASのデータを全部盗まれていたとか、ごっそり消されていたとかあり得ます。
また、外からアクセスするのでデータ転送は上りになりますので、使い方によっては自宅常時接続ネットの上り通信容量を圧迫します。さらにモバイルネットからアクセスするとモバイルの通信容量も食うのでダブルで消費しますからあまりおすすめできません。
自宅で録画した映画をNASに入れて、モバイル環境でそれを見るというはおすすめできかねるものです。
さりとてそうしたものをCloudストレージにあげると例え共有していなくても利用条件に抵触する可能性もあります。
NASはハードウェア故障に備えて複数台を備えておくのがベター。
NASの特徴まとめ
・自宅ネット内で使うにはNASによるがPC/MacのみならずAndroidやiOSで使えるものもある。
・基本的に自宅内のみでのアクセスなので、通信容量を全く気にしないで良い。
・自宅LANの中で使うので高速。
・初期投資(ハードウェア購入)のみであり、継続的な費用はかからない。
・NASの構成によるが、ハードウェア故障などには脆弱(それなりにバックアップNASなどが必要)
CloudストレージとNASの組み合わせ
この両者を組み合わせると良いというのは以前の記事で紹介しています。
写真のバックアップ
昨今、一番大事なのが写真かもしれません。
写真は、PC本体だけではなく必ずNASにもバックアップを取りましょう。7
Cloudにも取るのは「時間がかかる」「自宅の上り通信容量を食う」のであまりおすすめしません。
少しずつアップするならいいでしょうけど、リカバリするには時間がかかりすぎます。
基本はPCに保存してNASにもバックアップですが、バックアップを忘れては意味がありません。
PCに保存した写真はNASへ自動バックアップが取れるようにする。
自動バックアップには以前紹介したこれがおすすめ。
文書やデータファイルのバックアップ
内容次第ですが、写真以上にこちらのほうが大切な物も多いし、アクセスする頻度も高いと思います。
筆者の場合は、スマートフォン(Andoroid)でもExcelでデータ参照したり編集したりすることもありますし、もちろんPCやMacでその同じファイルを見たり弄ったりもします。
ですので、文書やデータファイルはCloudストレージで保管するのが基本だと思っています。
特にOffice 365のファミリー(ExcelやWordなど)ではOneDriveのファイルを直接編集でき、自動保存機能も働くのでOffice 365ファミリーにはOneDriveが抜群の相性の良さです。
OneDriveはコンシューマ用ものもとOneDrive for Businessのビジネス用があります。
コンシューマ用にはなくてBusiness用にあるのがファイルの世代管理。
あーーーー!間違って上書きして元のファイルを壊しちゃった!
こういう失敗で涙した経験は誰でもあるはずです。
OneDrive for Businessなら世代管理機能がありますので、一つ前とか二つ前の世代のファイルを取り出すことができます。
ローカルストレージだとそうはいきませんよね。
筆者は毎月990円で、Officeアプリが5台のPCまで使えて、1TBのOneDrive for Businessが使えるOffice 365 for Businessを愛用しています。毎月990円でOfficeの最新版とOneDrive for Businessが使えるのですから安いものです。
Business用ですが個人でも契約できます。
Cloudストレージのバックアップ
G Suite (Google Workspace) やOneDrive for Businessは信頼に足るものですが、それでも事故は起こります。どちらかといえばユーザーに起因する事故がほとんどだと思いますが。
そういうときのために、Cloudストレージのなかで大事なものは、ローカルのNASやハードドライブにコピーを持ちます。
NASには外付けのドライブをつけられるものがありますので、そうした外付けドライブ(安物HDDは使わないように)にもCloudストレージの中身をコピーしておきましょう。
NAS→Cloudは上り容量制限をうけますが、Cloud→NASは通常は容量制限ありません。
時間がかかってもバックアップは可能です。
転ばぬ先の杖(まとめ)
PCやMacの故障や再インストールで時間を無駄にしないためには普段のデータや写真の保存がポイント。
写真はローカルPC/Macだけではなく、かならずNASにも保存する。
自動保存には「MiniTool ShadowMaker Free」がおすすめ。
写真はCloudストレージに保管するには容量が大きすぎるし、自宅からのアップロードだと容量制限のある上り容量を食ってしまう。
NASは2台を用意し、重要なもの(二度と撮れない写真など)は両方のNASに保管する。手動でやらなくてもNASによってはNAS同士で自動バックアップが取れる。
文書はデータファイルはモバイルで使うことも考えてCloudストレージを主に使う。
Office 365ならOneDrive上のファイルをローカルファイルのように自在に編集・参照できる。
Cloudストレージのファイルは定期的にローカルのNASなどにもコピーしておく。
これらを駆使して、PCやMacにしかないデータを最小限に止めれば、PCやMacのクリーン再インストールも全然こわくはない。