今更感はありますが、Adobe Photoshop2022ではニューラルフィルター(AIを活用したフィルター)が機能強化されています。その一つに風景ミキサーというのがありまして、試してみたらこれが凄すぎてびっくり仰天です。
風景ミキサーとは?
Adobe社の説明によれば、
入力画像と参照画像を組み合わせて新しい合成画像を作成できます。
出典:ニューラルフィルターリストと FAQ (adobe.com)
とあります。
なんのこっちゃ?ですね。
入力画像が例えば庭園だとすれば、それに雪山の風景を参照画像としてPhotoshop2022に食わせると、ニューラルエンジン(AI)が庭園を雪景色にしてくれるというとんでもなくインテリジェントなフィルターです。
初秋の中島公園(札幌)を雪景色に
百聞は一見にしかずなのでやってみましょう。
昨年10月に妻と札幌に行ったときの中島公園の風景です。
木々が色づくまではいきませんが、落ち葉が舞い散る初秋の風景です。
これに「フィルター」>「ニューラルフィルター….」>「風景ミキサー」>「プリセット」で雪山を選びます。
そうするとこうなりました。
比較できるようにしてみます。
中央の白い縦線の「<>」をつまんで左右に動かして下さい。
驚くのは白くなった雪景色だけではなく、池のふちに生えてくる草の色が茶色くなったり細く痩せたりしていること。すごく芸がこまかい。水面に反射している木々もちゃんと雪景色で、空の色も冬らしい青く澄んだ色になっています。
もちろん拡大すればアラはわかりますが、PCの画面やスマホなどで見ていると、これがPhotoshop2022のAIさんが作ってくれた人工の風景だとはわからないと思います。
人類が地上から突然消滅したあとのあべのハルカス
いろいろやってみて前述のように人工物がない風景を雪景色にするのは非常に得意のようです。
ではでかいビル、あべのハルカスを今度は荒れ果てた風景にしてみます。
題して「人類が地上から突然消滅したあとのあべのハルカス」。
これがオリジナルです。昨年10月に妻と行った時に撮りました。
使用したカメラというかスマホはGalaxy S21 Ultra 5G。
これも中島公園と同じですが、選んだプリセットの参照画像が違います。
あの美しいあべのハルカスが見る無残な風景に。
なんとも凄すぎます。
初秋の札幌の大通り公園を雪景色や荒廃した公園跡に
今度は札幌の観光名所でもある大通り公園。
まずは下の写真がオリジナル。
緑の芝生と青空が実に美しい。
それがワンタッチで雪景色に変身。
雪景色と行ってもまだ初冬ですね。東京だと電車に遅れがでるかも….くらい。
次は荒廃した大通公園。
一面赤茶けて緑はなく、ビルも風化して茶色くなり….
こんなふうに自然と人工物が一緒にある場合はあと2~3工夫いりそうです。
初冬の札幌・大通り公園とか行ったこと無いので実際の風景がわかりませんが….
人類が消えてしまった羽田空港
最後は羽田空港です。
申し訳ありませんがJALの機体の写真で細工します。
この大きさのJAL機でウィングレットがあるので737-800です。
駐機しているスポットは草茫々で、ベルトローダー(荷物を機体から外へ運び出す車)は朽ちてしまっています。
奥の方の何もなかった場所には木々が生い茂り、奥の機体もくちて草が生えてしまっています。
空はこの加工のあと「編集」>「空を置き換え…」で夕焼けっぽい空に置き換えました。
ほとんど、ラピュタの世界。
737-800のきれいな真っ白の機体が腐食で穴があいているようにみえますね。
凄すぎ。
凄いですが、これが何に使えるかというとこれ単体ではなかなか….ですが他のフィルターを組み合わせると面白い写真になりそうです。
まとめ
Photoshop2022でニューラルフィルターが強化され「風景ミキサー」機能が追加された。
風景ミキサーを使えば、緑濃い庭園を雪景色にしたり、最新のビルを人類が消え去ったあとの交配したビルっぽくしたりできる。
風景ミキサー単体ではお遊び的だが他のフィルターや参照画像をいろいろ組み合わせてみると思いもかけない画像ができあがる。