SIMフリーのAndroid端末を買い替えようかと悩んでいるけど、ハイエンドで10万円前後あるいはそれ以上するものなんてのは不要で中の上くらいでいいんだけど….という方、多くないでしょうか?筆者もメイン端末はiPhone 13 miniとiPhone 13 Pro Maxに移したので、Androidの重要性は下がっています。いろいろみているとMotorolaの端末って意外にいいんじゃね?
(アイキャッチ画像はWikipediaより)
motorolaとは?
筆者が学生だった昔には、motorolaという会社はIntelと並んでマイクロプロセッサを作っていた会社でした。
当時はMC6800とかMC6809といった8ビットマイクロプロセッサがありまして、特にM6809というマイクロプロセッサはIntelの当時の8085といったプロセッサに比べてスマートなアーキテクチャとアドレッシングモードで惚れ込んで回路設計から基盤設計、実装まで全部自分一人でやって「マイコン」を作っていました。
それはともかくmotorola。
実は携帯電話事業でも一時期はブイブイ言わせていて、WIkipediaによれば「1998年にノキアに抜かれるまでモトローラは携帯電話端末の世界での市場占有率は世界1位だった」そうです。
そのあとはNokiaとか伸びてきて、一時は筆者もNokiaの端末を使っていた時期がありました。
2011年1月4日にMotorolaの携帯端末事業を分社化した”Motorola Mobility“が発足、その一年後の2012年5月22日にはGoogleにより”Motorola Mobility“が買収され、さらに2年後の2014年10月30日にはレノボにより買収されました。
Googleはレノボへの売却にあたって「特許の大半をGoogle側に残した上で、中国のパソコン大手レノボ・グループに29億1000万米ドルで売却することで合意」したという、美味しいところだけしゃぶってペッと吐き出した感じ。その結果として今のPixelシリーズがあるのかもしれませんが。
昔は代表的なアメリカの企業でしたが、今は香港に本社を置くレノボの子会社となっています。
motorolaのスマートフォン
安いスマートフォンだと中国本土企業であるOPPOとかXiaomiが日本市場でも有名であり、当ブログでもお使いの方は多いとおもいます。
筆者も過去にOPPOを使ったことがありますが、確かにコスパは高い!です。
中華スマホが嫌いでなければ(筆者は純粋に個人的な好みで今は買わないようにしています)、もうこれらを選択肢から外す理由はあまりなさそうです(情報漏洩のリスクは相対的に高くなるのは覚悟が必要かもしれませんが)。
それ以外ではSIMフリーとなるとあまり選択肢がないのですが、OPPOやXiaomiの影に隠れて地味ですが結構いけそうなのがmotorolaです。
他社にあるようなハイエンドで十数万円もするようなイケイケどんどんスマホはmotorolaにはありませんが、冒頭に書いた通り中の上、あるいはそれ以下の普及モデルが得意なゾーンとなります。
Motrolaスマートフォンのラインナップ(2022年4月、日本市場向け) | ||
edgeシリーズ | Motorolaの中では上位となるシリーズ | 3万円台半ば〜8万円台 |
razrシリーズ | 折りたたみスマートフォン | 10万円台半ば(例外的に高い!) |
moto gシリーズ | 最もスタンダードなシリーズ | 1万円台後半〜3万円前後程度 |
moto eシリーズ | スペックは重視しないベーシックなシリーズ | おおむね1万円台 |
一般的には現実的な選択肢はmoto gとedgeでしょうか。
普通に使えればいい、高性能は別に必要としないならばmoto g、そうはいってもそこそこの性能は欲しいならedgeでしょう。
edgeのSIMフリーは、最新モデルでSnapdragon 8 Gen 1搭載のedge 30 Pro、Snapdragon 778搭載のedge 20、MediaTek Dimensity 800U搭載のedge 20 fusionの3モデルがあります。
価格的にはedge 30 Proは8万円を超え、edge 20は4万円台半ば、edge 20 fusionは3万円台前半となっています。
性能と価格のバランスでお手頃なのはedge 20とedge fusionです。
もう一つの良い特徴がOS(Android)への手の加え方が少ないのがmotorola。
結構各社なりに特徴を出したくていろいろ変更を加えているメーカーが多い中で、motorolaはGoogle Pixelのようなネイティブではないけれど、かなり素直なAndroidのようです。
余計な機能を付け加えていないので、そこに起因するトラブルやアプリとの相性が悪くなるリスクも減ります。これは地味ですが重要なこと。
edge 20 vs edge 20 fusion
いつものように比較表を作りました。
データは2022/04/17時点です。
edge 20 | edge 20 fusion | |
価格(上新電機Web) | 43,575円 | 35,415円 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 778G | Dimensity 800U |
Geekbench Single-Core | 785 | 572 |
Geekbench Multi-Core | 2937 | 1719 |
Antutu | 527183 (V9.3.2) | 366613 (V9.2.3) |
RAM | 6GB | |
ROM | 128GB | |
外部ストレージ | X | microSDXC (〜512GB) |
ディスプレイ | 6.7インチ 2400×1080 OLED | |
リフレッシュレート | 144Hz | 90Hz |
望遠カメラ | 8MP, F2.4, 79mm相当 | X |
広角カメラ(メイン) | 108MP, F1.9, 1/1.52″センサー | 108MP, F1.9, 1/1.52″センサー |
超広角カメラ | 16MP, F2.2, 17mm相当, 1/3.06″ マクロ対応 | 8MP, F2.2 マクロ対応 |
バッテリー | 4000mAh | 5000mAh |
充電器 | 30W TurboPower充電器付属 | |
USB | USB2.0 | |
大きさ | 76 x 163 x 6.99mm | 76 x 166 x 8.83mm |
重さ | 163g | 185g |
おサイフケータイ | X | |
生体認証 | 指紋認証(サイドボタン)、なんちゃって顔認証 | |
防塵防滴 | IPX52 | |
イヤホンジャック | X | 3.5mm |
motorolaさん、なんとも悩ましい2機種を作ってくれたものです。
価格や基本スペックからはedge 20がedge 20 fusionより上機種なのは明らかですが、バッテリー容量と外部ストレージ対応のところで逆転しています。
・全体的なスペックはedge 20が上。
・3倍光学望遠カメラはedge 20にしかついていない。
・CPU性能はedge 20のほうが結構高い。
・重さはedge 20のほうが23g軽い。
・ディスプレイのリフレッシュレートはedge 20のほうがかなり高い。
・バッテリー容量はedge 20のほうが少ない。
・外部ストレージ(miroSD)スロットはedge 20にはない。
・イヤホンジャックはedge 20にはない。
イヤホンジャックくらいはまだいいとして、バッテリー容量と外部ストレージは逆じゃないかと思うのが正直なところ。
結局どっち?
悩ましすぎて100%これ!という結論はありません。
基本的に筆者的にお勧め度が高いのは基本性能が高いedge 20です。edge 20 fusionは望遠カメラがついていないのは痛い。
バッテリー容量はedge 20のほうが1000mAh少なくmicroSDも非対応。それ以外のスペックでは全てedge 20のほうが優っています。
ただ、バッテリー容量を増やすと大きく(分厚く)重くなるのは不可避です。バッテリーはモバイルバッテリーをうまく使うことで4000mAhと5000mAhの差なら一般的には吸収できると思います。
しかしmicroSDは吸収できません。
とにかく写真をいっぱい溜めるとか、音楽ファイルや動画をたくさん入れるような方は他のことをあきららめてedge 20 fusionに走るしかありません。
どちらにしてもおサイフケータイ不要でSIMフリーな中堅機種なら検討の余地があります。