非常にコンパクトなM4/3の標準ズームに「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」というのがあります。2011年7月に発売され今は生産終了でディスコンとなっていますが、非常にコンパクトで軽量なので、筆者のOLYMPUS PEN E-P7にはナイスな相棒レンズの一つとなります。
仕様と価格と使い心地
仕様と価格
公式ページは既に消えていて、アーカイブ的にページのPDFが掲載されています。(リンクに見えるところがあってもクリックできませんのでご注意ください)
[公式] OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R
https://jp.omsystem.com/cms/record/dslr/14-42_35-56_2_r/index.pdf
発売 | 2011年7月22日 |
発売時の価格 | 36,750円 |
中古価格(執筆時点) | キタムラでAグレード中古が11,200円~11,700円程度、ヤフオクだと半額程度。 |
焦点距離 | 14-42mm (換算28- 84mm) |
F値 | F3.5(W端)~F5.6(T端) |
レンズ構成 | 7群8枚 (非球面レンズ3枚) |
絞り | 絞り羽根7枚の円形絞り |
最短撮影距離 | 0.25m(14~19mmの時) 0.3m (20~42mmの時) |
マウント部素材 | 樹脂製 |
重さ | 113g |
大きさ(レンズ収納時) | 56.5mm(直径) X 50mm |
レンズ最大伸長時の長さ | 実測約72mm |
フィルターサイズ | 37mm |
カラー | ブラックとシルバーの2種 |
[Impress] オリンパス、マイクロフォーサーズ用ダブルズームレンズをリニューアル
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/456853.html
キタムラのAグレード中古でも1万円程度という格安レンズですが侮るなかれ!です。
使い心地
沈胴式ズームであり、収納状態では使用できないので手動で定位置まで繰り出す必要があります。
この点は「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」も同じです。
「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」の場合は、収納状態からレンズを左にカチンと音がするまで回すとレンズが繰り出されて14mmの位置でとまり、ロックをはずさないと収納位置には戻りません。そのままの状態で14mm〜42mmの間を任意にズームでき撮影不可能なズーム域外(収納方向)になることはありません。
ズームリングは非常にスムーズ、ピントリングも非常になめらかで気持ち良いです。
類似レンズ
W端が14mm(換算28mm)と物足りないのがあるのは正直なところで、できれば12mmから欲しかったところですが、筆者は「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」も持っていますので、まあ、良いかと。
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R <所有>
→ φ56.5mm X 50〜72mm(伸長時は実測)、113g
LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. <所有>
→ φ55.5mm X 24〜47mm(伸長時は実測)、70g
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
→ φ60.6mm X 22.5〜43.5mm、93g
c <所有>
→ φ61mm X 26.8mm〜46mm(伸長時は実測)、95g
普通サイズのズームに比べるととにかく軽量なのでシルバーモデルはE-P7シルバーに非常によく似合いましてお手軽ですが、「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」も含め他のレンズは100gを切りかなり軽量で小型です。
「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」は70gとめちゃくちゃ軽いレンズです。T端が64mm相当でものたりませんが、W端が12mmからあるので結構役に立ちます。嵩張らないし軽いので100均のクッションポーチに入れて持つと良いです。
「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」や「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」は手軽ではありますが、手動沈胴式なので電源オンからズームを繰り出すという一手間を要しますから速射には不向きです。
「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」はディスコンですが現在は電動ズームの「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」というレンズがあります。コンパクトですが電動ズームとピントリングはどちらもリングに似せたバネで戻るスイッチなので、感覚的に回らないもどかしさがあります。単に慣れの問題だとは思いますが。
同じくパンケーキ電動ズームの「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」を持っています。こちらのほうは構えた時の人差し指が当たる位置にズームスイッチがあるのでとてもスムーズにズーム操作ができます。重さも約95gで「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」より軽いし、電源オンから撮影可能になるまでは手動操作の「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」より短い時間でOKです。MTFチャートを比較すると「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」よりは「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」のほうが良いと思います。ただ最大直径が大きめ(電動ズームなので)なのが難点といえば難点ですが非常に使いやすいレンズ。
実写例
こちらのほうはカメラ店の実写レポートをリンクします。
メーカーの実写例はいいことし書きませんが、カメラ店の実写例は注意点よりは参考になる情報もあります。
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R
http://photo.yodobashi.com/olympus/lens/m14-42_f35-56iir/
「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 14-42mmF3.5-5.6IIR」を改めて実写リポート
https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/111022878/
まとめ
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rは発売時3万円台半ば(希望小売価格)であったが、今はAグレード中古が1万円程度で購入できるコスパの高いレンズ。
パンケーキレンズではないが、113gと非常に軽いのが特徴。
E-P7は基本的には小型の単焦点のほうが似合うと筆者は思うが、写りの良い小型ズームは一本あってお損はしない。