SONYからXperiaの新機種が発表されました。巷の噂通りXperia 5 VIの情報はなく、フラグシップのXperia 1 VIとミッドレンジのXperia 10 VIのみとなりました。Xperia 10 VIは少しだけ期待していましたが、蓋をあけるとほとんどの部分でAQUOS sense8に届かない仕様となっています。ミッドレンジを期待していた人にはがっかり仕様。
Xperia 10 VI vs AQUOS sense 8
主要な仕様で比較しましょう。
概要部分の比較
異なる部分のみ取り上げます。CPUはどちらもSnapdragon 6 Gen 1、メモリは6GB、ストレージは128GBと同じで、バッテリーも5000mAhと同じ。サイズはXperia 10 VIは155 x 68 x 8.3mmでAQUOS sense8とは1〜3mmの差ですので、ほぼ同サイズだと言えます。
Xperia 10 VI | AQUOS sense8 | |
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発売日 | 2024年6月28日予定 | 2023年11月9日 |
外部ストレージ | microSDXC (〜1.5TB) | microSDXC (〜1TB) |
ディスプレイ | 6.1”、1080 x 2520px, 60Hz | 6.1”、1,080 × 2,432px、90Hz |
価格 | SIMフリーで7万円前後との噂 | SIMフリー版56,800円 docomo版62,150円 |
ディスプレイのリフレッシュレートは前と変わらず60Hzですが、AQUOS sense8は90Hzです。60と90ではスクロールの残像感や引っ掛かりで差が出るのは間違いありません。これは90Hzにして欲しかった。
価格は噂ではXperia 10 VIは1万円ほどAQUOS sense8より高いですが、Androidは時間とともに急降下しますので大きな差にはならないかもしれません。
カメラ部分の比較
オーディオジャックはどちらも3.5mmの4極ジャックを装備しています。Xperia 10 VIは上部、AQUOS sense8は下部についています。FMチューナー付きのAQUOS sense8では有線イヤホンがアンテナになります。Xperia 10 VIはFMチューナー内蔵かどうか情報がありません。
Xperia 10 VI | AQUOS sense8 | |
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標準カメラ | 48MP、f/1.8、26mm、1/2.0”、PDAF、OIS | 50.3MP、f/1.9、23mm、1/1.55”、PDAF、EIS、OIS、動画撮影時はEIS+OISのハイブリッド可能 |
超広角カメラ | 8MP、f/2.2、16mm、1/4.0” | 8MP、f/2.4、15mm、EIS |
フロントカメラ | 8MP、f/2.0、26mm、1/4.0” | 8MP、f/2.0、26mm、EIS |
カメラでは標準カメラ(広角カメラ)のセンサーがXperia 10 VIは1/2.0″の小ささ。ライバルのAQUOS sense8が1/1.55″、Galaxy A55が1/1.56″となっていますので結構見劣りします。
Xperia 10 VIは標準カメラでOIS(光学式手ぶれ補正)のみでEIS(電子的手ぶれ補正)はありません。これが致命的な弱点になるとは思えませんが差があるのは事実。
静止画ではそこそこOISが効きそうな気がしますが、動画ではどんなものでしょうか。手ぶれ補正で大きな差が出るのは動画ですから。
オーディオ・外部インタフェースの部分の比較
Xperia 10 VI | AQUOS sense8 | |
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サウンド | フロントステレオスピーカー | モノラルスピーカー |
USB Type-C | USB 2.0 | USB3.2 Gen1 Display Port v1.4対応 |
FMラジオチューナー | ?(不明) | 内蔵 |
スピーカーはAQUOS sense8が完敗。AQUOS sense7より音量が大きくなり音もよくなっていますがモノラルです。とはいえ、イヤホンを使えば変わりないですし、実際に大きなインパクトがあるかは疑問。
一番大きな違いはUSBの速度。Xperia 10 VIは理論値480MbpsのUSB2.0、AQUOS sense8は5GBのUSB3.2 Gen1。外部SSDを繋いでそちらにバックアップしたり録画したりするにはXperia 10 VIは遅すぎます。
災害対策で重要なツールになりうるのがモバイル通信が使えなくなってもオフラインで使えるのがFMラジオ。Xperia 10 VIについてはFMラジオの情報が確認できません。Xperia 10 Vまではラジオ内蔵だったのですがねぇ。
ちなみにAQUOS sense8は楽天モバイル版とSIMフリー版についてはラジオは内蔵されていないのでご注意ください。
セキュリティ関連の比較
防水/防塵の等級はどちらも同じIPX5・IPX8/IP6Xで、普通には防水/防塵対応だといえます。
Xperia 10 VI | AQUOS sense8 | |
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生体認証 | 指紋認証 | 顔認証(マスク対応) 指紋認証 |
OSアップデート | 発売日から最大2回 | 発売日から最大3回 |
セキュリティアップデート | 発売日から4年間 | 発売日から5年間 |
準拠MIL規格 | なし | MIL-STD-810G MIL-STD-810H |
AQUOS sense8の初期OSはAndroid 13なので最長Android 16までアップデート提供。Xperia 10 VIは初期OSがAndroid 14なので同じく最長Android 16なので結果的に同じです。
セキュリティアップデートはAQUOS sense8は2028年11月まで、Xperia 10 VIは2028年6月までとやや早期終了です。これだけカバーしていれば十分でしょう。
ミッドレンジスマホを5年以上も使う例は稀有ではないでしょうか。
目を引くのがMIL規格準拠です。MIL規格準拠だから軍用スペックを持っていると思うのは早計ですが、無いよりはあるほうが安心度が高い。
比較結果は一目瞭然…コスパ悪すぎ
残念なことに、Xperia 10 VIがAQUOS sense8に勝るのは、ステレオスピーカーとmicroSDXCの最大容量くらいです。
カメラのセンサーサイズやUSB通信速度(これはとても重要です)、MILスペック準拠、OSアップデート対応回数と期間のどれにおいてもXperia 10 VIが負けています。
発売がAQUOS sense8から半年遅れなのにこれかよ!というのが正直なところです。
SHARPあるいはAQUOSは嫌い!という人でない限り、SONYの大ファン・Xperiaの大ファンという人でない限り、積極的にXperia 10 VIを選ぶ理由はどこにも見当たりません。
AQUOS sense8と比べてコスパ悪すぎます。