2024年10月14日に発売されたSOUNDPEATSのオープンイヤー型完全ワイヤレスヘッドホン「Breezy」。2023年11月22日にはSOUND PEATS GoFree2を紹介していますが、その姉妹版ということで商品のご提供をいただきました。GoFree2との違いを中心にレビューをお届けします。
GoFree2との比較
外観比較
比較の前にBreezyのパッケージを紹介しましょう。
内容はBreezy本体とUSB A/Cケーブル、ドキュメントとステッカーです。ステッカーが入るのは初めてかも?
外観を比較します。
下の写真で右側がGoFree2、左側がBreezy。ケースが小型になって手への収まりが良くなりました。
イヤーフックがBreezy(左)は細くなっており、カーブもGoFree2(右)はなだらかですが、Breezy(左)はカーブが急になっています。
物理的な違い
物理的に最大の違いは2箇所あります。
- イヤーフックが長く細くなり、素材がさらにソフトになった
- イヤーフックとイヤホン本体の角度が90度の範囲で自由に変えられるようになった
GoFree2はイヤーフックとイヤホン本体の角度は固定なので、イヤホン本体のユニット部(音が出る部分)が耳たぶの中で上方の凸凹した部分に当たり、音量が思うように得られないとか低音が出ないといった構造上どうにもならない弱点があります。
そのかわり耳穴を塞ぐものがないので、外の音や話声が聞こえやすく音量を上げすぎない限りは、音楽を聴きながら普通に会話もでき圧迫感・装着感が非常に少ないというメリットがあります。
装着角度には注意
Breezyの角度調整を写真のようにイヤホン本体が耳穴を塞がないようにするのが基本の装着です。
しかしイヤーフックとイヤホンの角度が真っ直ぐに近い角度で装着することも不可能ではありません(写真下)。
すなわちイヤホン本体で耳穴を塞ぐような感じでの装着です。
ですが、この装着はSOUNDPEATSが意図したものではないと推測します。
理由は後述しますが、基本的には下の装着写真のようにイヤホン本体は床と水平に近い角度になるような感じで装着します。
スペック比較
スペック的に大きな違いはドライバーサイズとLDAC対応有無でしょう。
一般にドライバーが大きいほど低音が豊かになります。Breezyは12mmでGoFree2は16.2mmではありますが、安定した装着(前述のSOUNDPEATS提供の装着写真)ですとGoFree2とさほどかわらないというか、ドライバー径が大きい分低音に関してはGoFree2のほうがやや有利です。
LDACについてはGoFree2は対応していますが、Breezyは非対応です。現実の問題としてLDAC対応スマートフォンは決して多くないので大きな問題にはならないですし、LDACであることが重要な用途であれば、そもそもオープンイヤー型(オープンエアー型)を選ばず密閉型を選ぶはずです。
Breezy | GoFree2 | |
---|---|---|
タイプ | ワイヤレス | ワイヤレス |
形式 | オープンイヤー型 | オープンイヤー型 |
装着方式 | 耳掛け式 | 耳掛け式 |
装着後の調整 | イヤホン本体とイヤーフック の角度を90度の範囲で調整可能 | 固定で調整不可 |
本体操作 | イヤホン側面へのタッチ操作 | イヤホン側面へのタッチ操作 |
ドライバー方式 | 12mmデュアルマグネット ダイナミックドライバー | 16.2mmダイナミックドライバー |
HI-RES対応 | - | HI-RES認証取得 |
対応コーデック | AAC / SBC | AAC / SBC / LDAC |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.4 | Bluetooth5.3 |
最大持続時間 | フル充電状態で10時間、 フル充電のケースで 充電することで最大40時間 | フル充電状態で9時間、 フル充電のケースで 充電することで最大45時間 |
重量 (イヤホン片側) | 8.4g(実測) | 8.8g(実測) |
重量 (ケース+イヤホン) | 103g | 71g |
サイズ (ケース) | 82.65 x 54.06 x 27.43mm | 84.4 x 65.3 x 28.9mm |
充電時間 (イヤホン) | 1.5時間 | 1.5時間 |
充電時間 (ケース) | 2時間 | 2時間 |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
低遅延ゲームモード | 対応 | 対応 |
ムービーモード※ | 対応 | - |
専用アプリ | ”PeatsAudio” | ”SOUNDPEATS” |
防水性能 | IPX4 | IPX5 |
装着例
装着例の写真は全てSOUNDPEATSよりご提供いただいたものです。
イヤホン本体の装着角度に着目してください。
これが標準的な装着角度です。
Breezyの良いところ
イヤホン本体の角度調整ができる
なんといってもイヤーフックとイヤホン本体が90度の範囲で自由に動かせること。
これによりGoFree2では難しかったフィット感の調整が少しできるようになりました。
圧迫感がない
オープンイヤー型ということでGoFree2と共通ですが、カナル型のように耳穴への圧迫感がありません。
したがって長時間着用していても全く違和感がなく、時には装着しているのを忘れてしまうことすらあります。装着しているのを忘れてご飯を食べていて、途中であれ?と気がつくとか、大袈裟じゃなくて結構あるあるです。
イヤホンを着けている感が非常に少ないのが大きなメリットです。
タッチ操作をカスタイズできる
カスタマイズにはPeatsAudioアプリ(AppStoreまたはGoogle Play)で行います。
下のスクリーンショットの設定は筆者の例で、他のイヤホンとあわせてシングルタップで停止と再生、ダブルタップで前の曲と次の曲、左1.5秒プレスで音量を小さく、右1.5秒プレス(スクリーンショットからは切れています)で音量を大きくにしています。
このカスタマイズは非常に嬉しい機能です。
Amazonクーポン(〜2024年11月24日)
SOUNDPEATSよりAmazonで使用できるクーポンご提供をいただきました。
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Beezyで困ること
ケースが開けにくい
ケース表面がGoFree2と違ってさらさら素材であり、なおかつ開く部分に指のひっかかりがほとんどないため、ツルツル滑って非常に開けにくいです。
GoFree2のケースはもっと滑りにくく開ける部分は指のひっかかりがあり、開けにくいと言うことは全くありません。
タッチ操作の反応が遅い
理由はわかりませんが、タッチしてから反応するまでのタイムラグが大きめというか一呼吸おきます。
あれ?と思ってもう一度タップするとダブルタップになってしまうことが度々あります。
イヤーフックの耳へのフィット感
GoFree2に比べてイヤーフックのカーブの膨らみが大きいです。
この膨らみのせいか、筆者が着用するとイヤーフックが耳たぶ後側の耳たぶ付け根(頭皮と耳たぶの境目)にうまくフィットせず浮いてしまいます。
頑張ってフィットさせようとしても、イヤーフックは耳たぶ付け根の上部(頭頂部側)でメガネのツルのように乗っかっているだけで、あとはイヤーフック先端が頭部につくだけでそれ以外のフックの部分は完全に浮いてしまいます。
この点はGoFree2のレビュー記事でも筆者が指摘していますがBreezyも同じです。
改善案の一つとしては、次のモデルではユニット付近には現在のような柔らかい樹脂のみではなく、芯にワイヤーが入って変形しその状態で固定できるようにして曲がり具合を自分にフィットできるとかなり変わると思います。
[関連記事] [PR] SOUNDPEATS GoFree2 完全ワイヤレスオープンエアーイヤホン
残念ながら実現されていません。
やや外れやすい
イヤーフックとイヤホンの角度がまっすぐ近くになるようにすると、低音がすごく豊かになります。
こりゃいいや!と思っているとすぐに外れてしまいます。これが先にSOUNDPEATSが推奨しているであろう装着角度ではないと考える理由です。
なぜだろうと考えたのですが、理由は2つほどありそうです。
- イヤーフックが細くて形が固定なので、耳の形にうまくフィットせずイヤホンを固定できない。
- GoFree2はイヤーフックにもそれなりの太さと重量感があり、イヤホン本体とバランスがとれていましたが、Breezyはイヤホン本体が重さのほとんどを占めるためか、あるいは角度調整の固定が少々緩くてイヤーフックとの角度がずれやすい。
期待したい改善ポイント
イヤーフックのカーブを調整可能に
芯にワイヤーが入っていて個人の耳の形状に合わせて曲がり具合を調整できるようにすると外れにくくなり、イヤーフックが耳から浮いているような落ち着かなさがなくなるででしょう。
BreezyはGoFree2と比べてイヤーフックが細くて、さらにイヤホン本体の重量バランスがイヤホン本体側に寄っています。そのため装着後に頭を何気なく動かすと、だんだんイヤホン本体の自重によりイヤホンが耳から離れてしまい、イヤーフックがイマイチ耳にフィットしないため外れてしまうことになります。
このタイプのイヤホンを今後とも新商品で出されるのであれば、ぜひ改善を望みたいトップ項目です。
イヤホン角度調整をもう少し固く
前述の通り角度調整できるのは良いですが、個体差なのかもしれませんが、角度を固定する力が緩くイヤホン本体の重さで角度がだんだん変わってきてイヤホン本体が下がってきます。
これを避けるためにも、もう少し角度調整の摩擦力を強くしたほうが良いでしょう。
ケースをもっと開けやすく
なんせケースの蓋が滑って開けづらいです。GoFree2のケースのように指の引っ掛かりがほしいところ。
タッチ操作の反応速度改善
もう少し早くならないものでしょうか?
わかっていてもついもう一度タップしてしまいダブルタップになること度々!
まとめ
Breezyの良いところはGoFree2のような軽快な装着感を優先するところ、落ちやすくはなるけれどカナル型の圧迫感なしでほどほどの音量と低音を得られることを、1つのイヤホンで実現したことだと感じます。
イヤホン本体を耳穴に被せる位置に装着することで、GoFree2にはなかった音量と低音の厚みを得られますので、これはいい!と思いましたが、残念なのはそのような位置で装着すると外れやすくなります。
したがって落ちやすい原因に対策をすればこれはかなりいいオープンイヤー型のイヤホンになるでしょう。
開放感重視ならSOUNDPEATS BreezyかGoFree2、音質・遮音性を重視するなら、SOUNDPEATS Capsule3 ProやSOUNDPEATS Capsule3 Pro+といったカナル型でノイズキャンセリング内蔵が良いでしょう。
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本記事ではSOUNDPEATS Breezyはメーカーより商品提供をいただいておりますが、良し悪しについては忖度なしに記載しています。フィット感についてはその形状から個人の耳の形などの大きく左右される可能性があることをご了承願います。