Googleのクラウドサービスには個人向けのGoogle Oneと法人向けのGoogle Workspace(旧G Suite)があります。Google Workspaceは@gmail.comではない独自ドメインの99.9% の稼働率保証のメールや、Google Oneより高セキュリティのGoogleドライブ、電話とメールによる 24 時間 365 日のサポートなど多くのメリットがあります。これは法人はもとより個人でも非常に有用なサービスです。
Googleのクラウドサービスには個人・一般消費者向けのGoogle Oneと法人向けのGoogle Workspaceがあります。Google Workspaceは法人向けではありますが個人でも1人から契約可能なサービスなのです。
実は怖いGoogle One
概要
Gmail、Googleフォト、Googleドライブのストレージについて、月額制あるいは年額制のサブスクリプションサービスです。容量の中にはGmailとGoogleフォトとGoogleドライブの全てが含まれています。
料金
プラン | 無料 | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
最大保存容量料 | 15GB | 100GB | 200GB | 2TB |
月単位支払い(税込) | 無料 | 250円 | 380円 | 1,300円 |
年単位支払い(税込) | 2,500円 | 3,800円 | 13,000円 | |
ファミリーメンバー | 最大5人 | 最大5人 | 最大5人 | |
Google Meet | 最大連続1時間 | 最大連続1時間 | 最大連続24時間 | |
VPN | iOS/Android向け |
非独占的使用権をGoogleに与えてしまう
Google OneはGoogleに対してユーザーコンテンツの非独占的使用権を自動的に与える
Google One 追加利用規約
https://one.google.com/terms-of-service?hl=ja
上記の「8. プライバシー」のところを熟読してください。
Google は、Google One を提供するうえで必要な場合に、お客様に関する特定の情報をサードパーティと共有することがあります。
出典:Google One 追加利用規約
ユーザーの情報をサードパーティに与えることができるというわけです。
ぶっちゃけ何でもありに見えてしまいますが…真相はわかりませんが、そのリスクがあるということは覚えておきましょう。
Googleポリシーと規約(発効日: 2022年1月5日) 「利用規約」
https://policies.google.com/terms?hl=ja
このライセンスにより、Google に以下のことが許可されます。
・ユーザーのコンテンツをホスト、複製、配布、伝達、使用すること(たとえば、コンテンツを Google のシステムに保存してユーザーがどこからでもアクセスできるようにするため)
・ユーザーのコンテンツが他の人に公開するように設定されている場合は、それを出版、公演、上映、(公開)表示すること
・ユーザーのコンテンツに修正(形式の変更、翻訳など)を加えて二次的著作物を作成すること
出典:利用規約
ユーザーのコンテンツの所有権はユーザー自身にあるが、それをGoogleサービスにアップロードした場合は、Googleはなんでもでき、公開コンテンツについてはGoogleは好きに出版・上映・公演等を行うことができ、そのコンテンツに修正を加えてGoogleの著作物を作ることができる。(非独占的使用権といいます)
これは「アップロードしてもらったGoogleの勝ち」ともいえます。これはよく理解しておくべきです。ユーザーはGoogleに非独占的使用権を許諾したとみなされます。
いや、ありえないでしょう1と思わないといけません。
Google Oneには検閲がある
GoogleドライブやGoogleフォトには平たく言えば検閲が入っていて、誤ってポリシーに反する画像などがUPされた場合、最悪はアカウント削除になります。
Googleポリシーと規約(発効日: 2022年1月5日) 「利用規約」
https://policies.google.com/terms?hl=ja
「ユーザーコンテンツの削除」
「ユーザーによる Google サービスへのアクセスの一時停止または停止」
例としては、児童ポルノ、人身売買または嫌がらせを助長するコンテンツ、テロに関するコンテンツ、および他者の知的所有権を侵害するコンテンツなど
出典:利用規約
注意しなくてはならないのはスマホの写真バックアップにGoogleフォトを使っている場合で、初めてお風呂に入っている我が子の写真がGoogleフォトにアップされてしまい、GoogleのAIが児童ポルノと判断してしまいいきなりアカウント削除されてしまい再起不能になった例を聞いたことがあります。
GoogleフォトやGoogleドライブは著作権を侵害しないのは当然として、児童ポルノ(その気は毛頭なくても結果的にAIがそのように勝手に判断する場合を含む)と思われるものは、ドライブやフォトには入れないこと。特にスマホの写真自動バックアップには要注意です。
Google Workspace
概要
規模の大小を問わず、小は個人・フリーランスや個人事業主・家族経営会社、大は日本で有数の超大手企業までカバーしているサービスです。
セキュリティは個人向けサービスとは全くことなり独自の管理をすることができます。Google Oneではファミリーユーザーという考えがありますが、Google Workspaceは企業向けのサービスなので、最大300名までのメンバーを登録できますが、費用は単価xメンバー数となります。
企業でなくても1人だけのフリーランスや個人事業主、それらではなく個人でも契約可能です。複数名が仕事をしている会社組織であれば、ユーザー一人一人に対して権限の設定ができます。企業のITシステムなら当たり前なのですが、これは家族で使う時に未成年メンバーの権限を制限するなどにも使えます。
Goolge Oneとの違い
Google Workspace | Google one | |
稼働率 | 99.9%のSLA | 無保証 |
管理コンソール | 高度なユーザー、セキュリティ管理 | なし |
サポート | 電話とメール | なし |
独自ドメイン | 必須(Googleのオプションで設定可能) | 各自の責任 |
Outlookとの同期 | 可能 | IMAPによるメール同期のみ |
カレンダー | 設備や備品予約、外部ユーザーとの共有制限、Microsoft Outlookとの同期 | 個人管理のみ |
ドライブ | 外部ユーザーとの共有制限 | 共有は個人管理 |
Googleの検閲 | あり | なし(安心/自己責任) |
Googleへの非独占独占的使用権供与 | あり | なし(安心) |
この共有に関する制限は、たとえユーザーが自分1人だけであってもミスでフル共有してしまい、自分の大事な情報を見せびらかしてしまうようなことを防げます。すなわち管理コンソールで自分自身に外部ユーザーとの共有を不可にしておけば(デフォルトはそうなっています)、誤って他人に情報やカレンダーを開示することが防げます。
全ての面で管理者の意思に応じた高度なセキュリティ管理ができるのがポイントです。
料金
プラン | Business Starter | Business Standard | Business Plus |
最大保存容量料 | 30GB/ユーザー | 2TB/ユーザー | 5TB/ユーザー |
最大ユーザー数 | 300ユーザー | 300ユーザー | 300ユーザー |
月単位支払い(消費税別途) | 680円/ユーザー | 1,360円/ユーザー | 2,040円/ユーザー |
Google Chat | フル機能 | フル機能 | フル機能 |
Google Meet | 100人まで | 150人まで | 500人まで |
google Site(社内ポータル) | ○ | ○ | ○ |
管理コンソール | ○ | ○ | ○ |
高度なセキュリティ管理 | ○ | ○ | ○ |
Google Workspacの規約
Google Workspace(オンライン)契約
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/terms/2013/1/premier_terms.html
これを読むとGoogle Oneのように非独占的使用権を自動的にGoogleに与えるようなこともなければ検閲もありません。
そりゃそうですよね、社外秘の資料をGoogle Workspaceを使って保管していて、Googleが勝手に第三者に渡したらウルトラ超絶大問題ですよ!
そのかわりアップロードしたコンテンツで何かあったら全て契約者が責任を負うことになっています。あたりまえですが自由度が高い分責任もあるわけです。自由と責任は常に表裏一体のものです。
Google Workspaceは誰に向いている?
筆者は随分前(G Suiteと呼ばれていた頃)からGoogle Workspaceを個人(=ユーザー1名)で使用しています。
一般にはGoogle Oneは個人ユーザー、Google Workspaceは個人ユーザー・個人事業主や通常の個人や大企業まで幅広いです。
Google Oneはお気軽ですがサポートもほぼなく検閲と非独占的な使用権をGoogleに与えるというオマケがついてきます。
Google Workspaceは個人でも契約可能で検閲や使用権をGoogleに与えることもありませんが、自分が個人事業主と考えて責任があるわけです。Google Oneでも最終的にコンテンツに関する責任は全部自分にかかってくるのは間違いないなので、そこは勘違いをなさらないように。
一見するとGoolge Oneのほうが安そうですが、セキュリティ面から安心度が高いのは間違いなくGoogle Workspaceなので個人使用でもオススメはGoogle WorkspaceのBusiness Standardです。独自ドメインの維持に.comや.netでは年間1,400円が必要ですが、メールアドレスはgmail.comというおなじみの(ビジネスシーンでは軽んじられているように思われるので使わない方が良い)アドレスではなく、独自ドメインを持つことができます。
ビジネスに使うアドレスがgmail.comでは相手の信頼は得にくいでしょう。たとえフリーランスや個人事業主であっても「なんだよ、フリーメールかよ、こいつビジネスを舐めてんじゃねぇか?」と思われる可能性もあります。そこはやはりちゃんとした意味のある名前でxxxx.comやxxxx.netのドメインを使うほうがクライアントの印象も良くなります。
個人ユースであってもGoogle Workspace Business Standardを強くお勧めします。
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