飛行機に持ち込めるモバイルバッテリーの最大容量は?

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秋はもうすぐそこまで来ています。当然スマートフォンとモバイルバッテリーもお持ちになるでしょう。鉄道や自動車ならいいですが飛行機の場合は預け入れ荷物や機内持ち込み手荷物には安全確保の観点から厳しい制約があります。モバイルバッテリーにも厳しい制約があります。旅行シーズンを前に今一度確認しておきましょう。

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国土交通省の規定

[国土交通省公式] 機内持込・お預け手荷物における危険物について
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr2_000007.html

この中で以下のドキュメントが公開されています。

[国土交通省公式] 機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例
https://www.mlit.go.jp/common/001425421.pdf

上記からリチウムイオン電池関係を取り出しました。

容量持込みお預け数量制限
携帯型電子機器(本体)
(携帯医療用電子機器(本体) (自動除細動器(AED)、噴霧器 (Nebulizer)、持続陽圧力呼吸装 置(CPAP)等)を含む)
160Wh以下のもの
160Whを超えるもの××
上記機器の予備電池 (モバイルバッテリー等、他の電子機器に電力を供給する目的の ものを含む。)100Wh以下のもの×
100Whを超え160Wh以下のもの×2個/人
160Whを超えるもの××

出典:国土交通省「機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例」

JALとANAの国内線・国際線は上記のとおりですが、海外航空会社は100Wh以下のものであっても持込数量制限を設けている場合があります。

そもそも機内に数多くの大型モバイルバッテリーを持ち込もうとすると、空港の保安検査でかなり調べられたり質問されたりすることが考えられます。他にカメラ機材などがあり撮影旅行といった立派な理由があれば別ですが、そうでない限りは現実的には大容量モバイルバッテリーを何個も持ち込むのは厳しいのではないでしょうか。

携帯型電子機器で本体内蔵バッテリーが160Whを超えるものというと、3.7Vのリチウムイオン電池であれば43,243mAhを超える容量のもの。そんな巨大なスマートフォンはありませんって。しかし、ノートPCならどうでしょうか?

MacBook Air M1 13インチ:49.9Whなので飛行機に持ち込めます。
MacBook Pro M2 14および16インチ:70Whのバッテリー搭載なので飛行機に持ち込めます。
ThinkPad P16 Gen 1(21D6CTO1WWJP1)というものでバッテリーは94Whですので持ち込めます。

さすがに160Whを超える巨大なものはないようで….。

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大容量モバイルバッテリー

昨日の記事(LUMIX GH6を迎えるにあたって準備するものは予備バッテリーとモバイルバッテリーだ)で紹介したAnkerの87Wタイプのものが、信頼できるメーカーで普通に入手できる最大容量でしょう。

Anker PowerCore III Elite 25600 87W
https://www.ankerjapan.com/collections/highcapacity/products/a1291
電池容量 25600 mAh / 94.72 Wh (取扱説明書記載)

上記のとおり、容量は94.72Whなので国土交通省(およびJALとANAもそれに準じています)の基準に照らして100Wh以下に該当しますので、「預け入れは不可で機内持ち込みは数量制限なくOK」となります。

数量制限なしとはいっても常識的に1人1個とかせいぜ2〜3個でしょうか。1個573gもありますので2個持てば1kgを超えます ので、何個も持ち込むと重くて仕方なくなるし、充電だって時間がかかります。Ankerの説明によれば、65W出力のPD対応充電器を使うと約2時間で満充電であるが、12W出力(5V2.4A)であればなんと9時間以上かかるとか

そういう意味では市販の信頼できるモバイルバッテリーメーカーのものであれば、100Wh以下(mAh表示換算では27027mAhのものであれば個数制限なく、27.027mAhを超え43,243mA以下であれば2個まで持ち込めます。「モバイルバッテリー」でそんな大容量のものは一般市販はされていないと思いますが…。

災害対応なども考えてAnker PowerCore III Elite 25600 87Wを2個くらい、65W以上のPD充電器も一つ買っておくと良いですね。

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モバイルバッテリーWhの計算

PCのバッテリーはWhで表されるのが普通ですが、モバイルバッテリーやスマートフォンはmAhが一般的です。

これはモバイルバッテリーやスマートフォンに使われるリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池の起電力(バッテリーの出力電圧ではありません)は3.6〜3.7Vと決まっていて、それを基準としていあるからです。

Wh = 3.7(V) X 容量(mAh) ÷ 1000

Anker PowerCore III Elite 25600 87Wは25,600mAhですので上記の式に当てはめると、
3.7(V) X 25600(mAh) ÷ 1000 = 94.72(Wh)
となり、メーカーの説明書表記と一致します。

実際に取り出せる電力は昇圧損失などがありますので、この数値の6割〜7割程度となるはずです。さらに充電に際しては機器側で降圧しますのでその損失もありますから、まあ、半分程度と思っておけばよいかと。

Whがわからないときはこれで計算すればOKですが、27,027mAh以下のものであれば少なくともJALやANAの国内線は問題ありません。

ちなみに94.72Whで実効容量が6割として56.832Wですから、筆者のMacBook Air 13 (M1, 202)の49.9Whのバッテリーを一回はフル充電できる計算です。

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