旅のお供としてのタブレット、2-in-1ノート、ノートPCの検討の最終回は2-in-1ノートとノートPCについて、実例を踏まえて特徴や向いている人などの話をします。
そのまえにノートPC共通の弱点として、ほとんどの機種はWifiがないとインターネットが使えないということ。タブレットやスマートフォンのように、パワーオンですぐ通信とはいきません。これがいわゆるPCの特徴でもあります。これを忘れないようにしないと、用途によっては単なる箱を旅行にもっていくことになります。
2-in-1ノート
そもそも2-in-1ノートとは何かというと、タブレットスタイルとノートPCスタイルの両方のスタイルで使えるPCのことで、基本的にはWindows OS採用のものがほとんどだと思います。
タブレットとノートPCのいいとこ取りを狙ったものですが、二兎を追う者は一兎をも得ずの諺通り、どっちつかずでどちらの立場でも使いにくいということにもなりかねませんので要注意ジャンルでもあります。
用途や使い方を絞り込んだ場合は、専用のノートPCや普通のタブレットを選んだほうが良いことも多いです。
冒頭に書いたように、2-in-1ノートPCのほとんどはWindows搭載です。それ以外にはchrome OS搭載のものもありますが、アプリや用途が限定されちゃうのでここでは除外します。
2-in-1ノート(Windows)の特徴
- 画面とキーボードを360度折り返してタブレット風にも使えるコンバーチブルタイプ、キーボードが取り外し可能でキーボードを外すとタブレット風に使えるセパレートタイプがある。
- OSがWindowsなので良くも悪くもWindowsの特徴を引きずっている。
- スリープ時のバッテリー消費などは、iPad/iPad ProやHUAWEI MediaPad M5 LTEといった良く出来た純粋なタブレットにはかなわない。下手するとシャットダウンしていてもじゃんじゃんバッテリーが減る機種もある(経験済み)のは、普通のWindowsノートPCと変わらない。
- 中身はWindows ノートPCなので、アプリケーションや周辺デバイスなどはほとんどPC用のものが流用できるので、選択肢が多く価格も安い傾向にある。
- タッチパッド内蔵であり、外付けマウスも使える。更に画面もタッチスクリーンである。タッチスクリーンはスクロールには絶大な威力を発揮する。
- Windows PCに慣れている人にとっては非常に扱いやすい。
- 旅行用タブレットとして使うには良くも悪くも画面サイズが大きい。ビジネスシーン(1対1のプレゼンや商談など)を除けば、このサイズのタブレットを活かせる旅行用とは非常に稀である。むしろ邪魔になることも考えられる。
- ノートPCとしては、同じ性能であれば単機能ノートよりは価格が高くなりがちである。
- 物理的に、普通のPCより可動部が壊れやすかったり、脱着部が壊れやすいことは否定できない。
- Surfaceのようにキックスタンドを使うタイプでは、使うときのフットプリントが多めに必要であり、カフェの狭いテーブルやエコノミークラスの小さいてテーブルでは使いにくい。
2-in-1ノートだからといって、ノートPCとタブレットの両方のいいところばかりがあるわけではなく、どっちづかずにもなりかねない。
2-in-1ノートは旅行に向いているのか?
この手の記事で世間の多くはビジネスシーンなどを視野に入れたものばかりなので、ここは旅行(出張はビジネスなので除外)というシーンで考えたいと思います。
と、書きましたが…
旅行というシチュエーションにおいて、2-in-1ノーチが普通のタブレットやノートPCより優れている場合というのは、どうにも考えにくい。
のです。
すでに2-in-1ノートを持っているので、旅行にも持って行くというのが大多数ではないかと思います。
経験的実例
セパレートタイプの例(私の場合)
以前、2-in-1 セパレートタイプのASUS TransBook T304UA(Core i5-7200U, 8GB, 256G-SSD)を使っていたことがあります。
これを一月ぐらい自宅で使っての評価は以下の記事にあります。
キックスタンド方式なので、この記事にもありますが、奥行きスペースが想像以上に必要でテーブルの上の皿やカップがやたら邪魔になるのです。
膝の上に載せて使っていて、キックスタンドがちょっとずれたりすると、向こう側にPCがひっくり返り、あわててキーボードを抑えるとディスプレイ(というか本体)が外れて落下するという危険もありました。
旅行というシーンではセパレートタイプの2-in-1ノートのメリットは全く感じません。
コンバーチブルタイプの場合(私の例)
私が買って現在も愛用しているのは、HP Spectre x360 13-ac000というモデル。
こんな風に折り返して、タッチ操作で使うことができます。
タッチパネルはノートPC状態のときも使えますので、スクロールUP/DOWNには絶大な威力を発揮します。
ファーストインプレッションはこの記事にあります。
そこそこハイスペックな割にはバッテリーの持ちも良く、キックスタンドが必要な同画面サイズのセパレートタイプに比べると、ノートPCとして使うときにはテーブルの奥行きフットプリントは2/3くらいで済みます。
このPCですが、実際の使い方としては持ち歩き時も宅内でも圧倒的に普通のノートPCとして使うことが多く、タブレットモードで使うことは稀です。
寝転んでタブレットモードで映画を見るにはおもすぎます。寝落ちしたりすると当たりどころが悪いと危険でもありますし、その前に腕がしびれてきます。
ただ、前回のタブレットでも書いたように、複数名が覗き込んで地図とか表示ししてワイガヤするにはタブレットモード一択です。
コンバーチブルタイプのノートPCはあまりケチらないでそこそこハイスペックのものを買うと、通常ノートとしてのガンガン使える。
ノートPC(私の例)
私の場合Windowsノートは、据え置きタイプのものしかもっていなくて、現実的に持ち歩き可能なのはMacBook Pro (Retina、13インチ、Early 2015)なのでこれで話をします。
以前はMacBook Airも持っていましたが、やはり性能的に貧弱さが目立ってしまうので、結局MacBook Pro一択になりました。
スリムノートというのはちょっとアレなので、重量は少々重めですが、動画編集とかしなければメインPCとしても使用できるパフォーマンスです。
私の場合、メインもMacを使っているので、Apple信者ではないにせよ、少々Mac贔屓ではあります。
昔のWindowsと違って、今はMacでできることとWindowsでできることはほとんど差がありません。
スリムノートでない限りそこそこ重さがあるので、旅行に持っていくのが適切かどうかは議論の余地があります。仕事ならありですが、お楽しみの旅行では多分普通のノートPCはほとんど必要ないと思います。
ノートPCを買うなら、予算の許す限りハイスペックなものを買うこと。パーツアップグレードが出来ないので、他をケチってでもノートPC本体は奢ること。
重さ比べ(私の手持ち機種)
それでは、
- iPad Pro 10.5
- HP Spectre x360 13-ac000
- MacBook Pro Retina 13 Early 2015
で、ACアダプタや保護ケースも含めてバッグに入れる状態で比べてみます。
これはiPad Proにスマートキーボード、保護シェルにApple Pencilを入れた重さです。1kgを切っています。
HP Spectre x360 13-ac000に保護ケースとACアダプタ(+100均ポーチ)の持ち運び重量です。
iPad Proの2倍ですね。
とは言え、2kgを切っています。
MacBook Pro Retina 13 Early 2015に保護ケースと100均ポーチ入りのACアダプタ込みです。
偶然ですが、HP のx360とほぼ同じですね。なんか測り間違いかもしれません、あと0.2kgほどは重くてもよいはずです。
持ち運び重量としてこのあたりを超えないことを目安にすればいいと思います。
まとめ
- セパレートタイプの2-in-1ノートが旅行で活躍するシチュエーションがほとんどない。
- 旅行に持っていくなら、コンバーチブルの2-in-1ノートか、普通のノートが無難。
- 重量目安は保護ケースやACアダプタ込で2kg未満が望ましい。
- 画面サイズは13インチまででないと持ち運びが大変。
- どれを買うにせよ、周辺機器を削ってでも本体スペックを良いものにしたほうが長く使える。くれぐれも本体をケチらないこと。
- あれば便利かも程度の動機ではノートPCやタブレットは旅行に持たなくて良い。その程度の動機だと多分使わないで終わるし、なくてもなんとかなる。
- iOSやAndroidタブレットと違って単体でLTE通信ができるものはほとんどないので、スマホのテザリングかWiMAXモバイルルーターを使うかWifiスポットを使わないと通信できない。いつでも通信したいなら普通のタブレットが良い。
とりとめもなく、下記ちらしてしまいましたが、旅行視点ということでタブレットやノートPCについて考えてみました。
何かの参考になれば幸いです。