ANAが昨日31日のプレスリリースでシンガポール航空との戦略的包括提携契約の締結を発表しました。それって一体何?今回はそのあたりを見てみます。
ANAの包括提携契約は3社目
ANAが包括提携契約を結ぶのはシンガポール航空が初めてではありません。これまでにユナイテッド航空と
1998年にスターアライアンスの属するユナイテッド航空と包括提携契約を結んでいます。
スターアライアンスそのものは1997年に発足し、ユナイテッド航空は発足時メンバー会社です。そしてANAがスターアライアンスに加盟したのは1999年のことです。
2018年にアリタリア-イタリア航空と包括提携契約を結んでいますが、アリタリア-イタリア航空はスカイチームに属しており、アライアンスを超えた包括業務提携です。
そして今回、2020年に同じスターアライアンスのシンガポール航空との包括業務提携です。
提携で何が起こる?
プレスリリースによれば、2021年ウインターダイヤからジョイントベンチャー(JV)を目指しており、ユナイテッド航空は北米、アリタリア-イタリア航空は欧州、そしてシンガポオール航空はアジア-オセアニアでの業務提携となります。
ATI (Antitrust Immunity)適用除外(独占禁止法適用除外)が通れば、対象国である日本・シンガポール・オーストラリア・インド・インドネシア・マレーシアの6ヵ国で共同で事業を展開したり、ダイヤを調整したりすることになります。
ユナイテッド航空やアリタリア-イタリア航空はどうなっているのでしょうか?
ユナイテッド航空の場合、ANA運行グループ便の場合と同様にプレミアムメンバーであればそのステータスや所有ANAカードの種類により35~130%のフライトボーナスマイルが付与されますので、ユナイテッド利用することが多いプレミアムメンバーには嬉しい話です。
アリタリア-イタリア航空は、そもそもアライアンスが異なるので積算もへったくれもありませんでしたが、この提携により他のスターアライアンス加盟会社同様にマイル積算対象になっています。
ではシンガポール航空は?
詳細はこれから両社で協議となるのでしょうが、シンガポール航空はすでにANA同様スターアライアンスメンバーですので、ユナイテッド航空と同じくプレミアムメンバーへのボーナスマイルが期待できると推測します。
日本からシンガポールへのANA便は、成田・羽田・関西・名古屋・福岡から合計毎日14便が飛んでいますが、そのうち成田2便、羽田2便だけがANA自社運航便でのこり10便はシンガポール航空の運行によるコードシェア便です。
先日、ANAが中部からの香港、上海線の運休を発表しANAの中部発国際線はゼロになりましたが、シンガポール航空は中部からシンガポール便を飛ばしています。
北米や欧州のドル箱に力点を起きたいANAにとって近距離であるアジア方面はパートナーと提携することで乗務員や機材などのリソースの活用を図るのでしょう。
話を戻しますが、提携後はステータス保持者はシンガポール航空ではこれまで付与されなかったボーナスマイルが付与されるようになる「かも」しれません。期待して正式発表を待ちましょう。
さすがに路線倍率がANA便同様に1.5倍になるとかいったPP優遇策は考えられません。
まとめ
ANAとシンガポール航空が戦略的包括提携契約を締結し、2021年ウィンターダイヤからの共同(JV)での運行ダイヤやサービスが期待される。
包括提携契約はユナイテッド航空、アリタリア-イタリア航空についで3社目。
シンガポール航空はユナイテッド航空同様に同じスターアライアンス陣営なので、これまではなかったプレミアムメンバーへのボーナスマイル付与がANA運航便と同じように期待される。
さすがに路線倍率をANAと同じく1.5倍にするというのはおそらくありえないと推測。したがってSFC修業への影響は良くも悪くもなさそうです。