一人暮らしでない限り立派なPC作業用の専用個室を持てる人は日本の住宅事情ではかなり恵まれていると言えます。子供部屋はあれども仕事用あるいはPC作業用の専用部屋なんかない人が多いと思います。しかし専用個室があればベストという訳でもなく、家族が集うリビングの一角にPCコーナーを作るメリットもあります。
個室のメリット・ディメリット
仕事はもとより趣味PC用にも自分の部屋ってあればいいなぁと思いますね。子供部屋はあっても趣味部屋は持てないのが今の日本的都会住宅の宿命。
リモートワークの普及により仕事用の個室が必要になってきたので、郊外の安くて広い物件で個室の持てる戸建て住宅に引っ越した方も少なからずいらっしゃるようです。
自分専用の部屋があれば….というのは理想でありいつかは叶えたい夢の一つ。
仕事には好適
自宅を建てる・購入する時点で自宅で仕事をしている方の場合は、当然それなりの仕事スペースを自宅内に設けるでしょう。仕事をするのには個室があったほうが集中できますし、Web会議の際にも周囲を気にする必要がありません。仕事の資料を置くにも自分専用の部屋であれば、重要な書類を来客に見られたり誤って家族に廃棄されたりするリスクも小さくなります。
PC部屋にも好都合
PC部屋という以上はノートPC一台だけのわけがなく、種々の周辺機器などが沢山あるわけで、それらは毎回押し入れから出して接続して終わったら外して仕舞うようなことはできません。PC部屋があればいちいち片付けなくても大丈夫なのですが、ともするとケーブルやら機材やらで部屋がひっくりがえってゴチャゴチャになることがあるので要注意ではあります。
キッチンが遠い
これがディメリットかどうかは賛否両論かもしれませんが、ちょっとコーヒーを飲みたくなってもわざわざ1Fのキッチンまで行って、コーヒーをこぼさないように2Fの仕事部屋へ持って上がる。飲み終えて自分で持って降りないと叱られてしまうということもあります。
オフィスでも給湯室が自分のデスクの隣にあるわけはないのですが、コーヒーカップを持って階段上下は不要なのが普通ですし、フロアが広いと給茶器(湯とお茶がでる)がフロアの何箇所かに置かれていたりしますので、戸建て住宅で1Fがキッチン、2Fに仕事部屋があるなんてときはオフィス以上にコーヒーなどの飲み物補給が不便かもしれません。
家族との距離が遠い
筆者が感じる最大のディメリットがこれです。仕事にせよPCにせよ個室に閉じこもりっきりになる傾向が強くなります。まして仮眠のためにベッドとか置いた日にはもう部屋から出てこない。部屋から顔を出すのは外出・通勤・風呂・食事・トイレのときだけなんてことなり、家族の仲に亀裂が入るでしょう。学齢期の子供がいれば父親不在家庭となり大問題。
家族という単位で暮らしている以上、日常的に家族間の会話やコミュニケーションは欠かせませんし、言葉を交わさなくても様子を見ていて「疲れているのかな」「元気がないな」「なんだかウキウキして嬉しそうだな」といった空気を読むことができ、そこから相手への思いやりが出てきますし、そうでなくても会話のきっかけになるのが普通です。
仕事なら通勤していればそもそも家にいないのですから、家で仕事をしていても仕事中は姿が見えないのは仕方ありません。しかしPCを使う・いじるために一日中個室に引きこもっているようだと、家族の一員としてのいかがなものかと疑問を呈さざるを得ません。仕事と趣味の両方で部屋にこもっているなんて最悪だと筆者は思います。
PC専用コーナーのメリット・ディメリット
筆者はPCコーナー派
筆者の場合固執ではなくPCコーナーで、リビングの壁面収納の一部をPCコーナーにしています。兵器面収納はパモウナという会社のもので、ユニット組み合わせ+ハーフオーダーでピッタリサイズのものを作ってくれます。
上の写真は壁面直後設置完了後整理した直後の写真です。中央のテレビの左側がPCエリアになっており、この上下は全てPC関係の収納になっています。現在はモニターは人ん周り大型のものにし、テレビも買い替えていますが、基本的には変わっていません。
現状のPCとその周囲はこんなふうになっています。
写真にちらと右端だけ写っている電子ピアノはStudiologicのNuma Compact 2です。以前はYAMAHA MOXF6とNuma Compact (一つ前のモデル)を2段重ねにしていましたが、両方とも売っぱらいましてNuma Compact 2のみとしました。
このレイアウトは4年間使ってきて結構気に入っています。となりにテレビがあってテレビを見るには全く不自由しませんし、壁面収納が非常に良くできていて、ルーターやネットワークスイッチやケーブル類のごちゃごちゃをうまく隠すスペースがあります。プリンターもモニターの上の開口部の一つ上に収納されています。思ったよりごちゃごっちゃしないのでいいのです。
ただ、家族からもPC画面が丸見え(背中側がダイニングキッチン)なので、Amazonのサイトとか見ていると「次は何買うの?」といった茶々が入ったりします(笑)。
仕事には不向き
周囲で家族が会話したり笑ったり怒鳴ったり、食事の支度のいい匂いがしてきて気が散ったり、Web会議ではリビングやダイニングだと背景に色々生活感漂うものが映り込んだり、家族の会話やペットの鳴き声がきこえてきたりして困ります。筆者は単于打つのような環境ですから、ごく稀にあるオンライン会議では子供の部屋を借りたりします。
たまに持ち帰り仕事がある程度ならいいでしょうけれど、ずーっと在宅勤務とかフリーランスで家で仕事をしているようなケースで、独立した仕事エリアがないのは結構ネガティブなインパクトがあると思われます。
趣味コーナーにもイマイチかも
PC部屋がない場合は、どうしてリビングなど普通の部屋の一角を占拠することになりますので、ある程度見栄えがするように綺麗に見せる工夫も必要になります。特にPCというのは厄介なやつで専用のコーナーが必要なくらいだとノートPC1台のわけがないので、ケーブルやら周辺機器やらが散乱することになります。
本人には快適であっても散らかされると迷惑ですし見てくれも悪いので夫婦喧嘩の種になりえます。
飲み物の補充が楽
部屋の構造にもよりましょうが、リビングの一角に自分のコーナーがあるようなケースでは、ちょっと立ち上がって歩けばキッチンでコーヒーを入れてPCコーナーに持って行くことは容易いですし、飲んだ後片付けも簡単です。
家族とのコミュニケーションをキープできる
なんとっていもこれです。コミュニケーションが深まるわけではなく距離が遠くなるのを防げるといったほうが正しいかもしれません。PCを使っている背後で家族が会話していて、「お茶飲む?」「ありがとう!」という会話は普通に飛び交います。筆者もPCでたとえばこのブログ記事を書いているときに「お煎餅食べる?お茶入れるよ」といった妻の声がかかりますのでありがたい。
家族の会話がなんとなく聞こえてくるので疎外感はかなり少ないし、家族から見てもすぐ近くで声をかけて反応が得られる距離に居るので安心感もあります。
ベストソリューションはないが妥協はありうる
結局、個室が唯一無二の解決策でもないし、PCコーナーがベストでもありません。
筆者の理想は両方の中間です。四角いリビングの一角にPCコーナーを作るとなかなか周辺機器やらいろいろなものを置くスペース確保に苦労します(筆者の現状がこれです)。しかし、リビングに隣接した凹んだスペースとかがあれば、そこを流用して仕舞うのもありだと思います。
筆者の壁面のPCコーナーがどこか窪んだ場所にあれば理想的だったのですがねぇ….。マンションはきっちりした間取りが多いのでそういうデッドスペースは普通は存在しませんので仕方ない。
こんなのもいいかなと思ったのがこの写真です。
リビングの一角のちょっと外れた場所とかにあるといいかもしれません。
PCの買い替えはお金はかかるとはいえ十分実現可能な範囲ですが、住み替えはそうそう簡単ではないですし相当額のお金が必要になります。リフォームだって同じこと。他の理由があって家のリフォームをするついでにPC部屋を作るのはありでしょうけど、PC部屋を作るためにリフォームというのはかなり考えにくいです。
現状を嘆くのではなく、いかに現状を使いやすくするか….ですね。