昨日の記事で2022年7月に発売された「ポメラ DM250」とその代替手段について、パソコン、iPad、スマートフォン、Chromebookなどについてざっくり検討しました。今日はその続きみたいなものですが、前回で有力候補となったiPadとChromebookについて実際の機種と良し悪しを検討しましょう。
代替デバイスの条件
条件を決めないと話になりませんので、重量や価格、バッテリー駆動時間などで縛りを入れます。
・重量は1kgを超えて欲しくない
・価格はポメラ DM250の実売価格(Amazonでは41,484円)と同じ程度かそれ以下が望ましい
・バッテリー駆動時間は24時間と言うのは流石に無理なので10時間は欲しい
・候補としてはiPadとChromebookから選ぶ
・主な用途はテキスト書きとし、それ以外の機能は付随的なものとして重視しない(これ大切!)、つまり欲張らないと言うこと
・2020年1月以降の発売機種であること(それ以前だと古すぎる)
これらの条件に合いそうなiPadとChromebookを探します。
iPadの場合
iPadはそもそも価格が高いので出だしから不利です。テキスト作成に主要な用途を絞ると、ストレージは64GBで十分でスペック的にもハイエンドのProは不要ですので、現在Apple Storeで販売中の機種ではiPad (第9世代)の64GB Wifiモデルが一番安くて良いと思います。
・モデル:iPad 第9世代
・重さ:487g
・ディスプレイ:10.2インチ
・バッテリー駆動:最大10時間程度
・発売:2021年9月
・Amazon価格:45,400円
・価格.com最安:45,400円
iPadだけではテキスト書きはできないので、キーボード付きケースが必要でこれには筆者が愛用しているLogicool Combo Touchがタイピングの心地がよく、Smart Connector経由で接続しますので充電やペアリングは一切不要で装着すればすぐに使えます。
Apple純正にも類似のSmart Connector接続のキーボードがありますが、こちらはCombo Touchと異なりタッチパッドはありません。
・メーカー:Logicool
・製品名:Combo Touch
・型番:iK1057BKA
・重さ:610g
・Amazon価格:22,500円
・価格.com最安:22,500円
・メーカー:Apple
・製品名:iPad(第9世代)用Smart Keyboard – 日本語(JIS)
・重さ:245g
・Apple価格:24,800円
iPad Pro 11 (第3世代)でLogicool Combo Touchで使っていますがテキスト書きという点ではとても使いやすいです。キーピッチも17mmありますし、キーボードは電源不要(iPadから供給)です。キーボードユニットは不要であれば外して軽くして持ち歩けます。
ネガティブポイント:
問題は重さと価格でありまして、キーボード込みにすると487g+610gなので1,097gとなり1kgを超えます。実際、ここまでくるとMacBook Airに近づいてしまいます。使い心地は経験的に最高だと思いますが重いのが玉に瑕。価格も合計では67,900円(執筆時点のいAmazon価格)でDM250の実売を26,000円ほどオーバーしてしまいます。
重さに関しては少しだけ軽くできます。キーボードにApple純正のSmart Keyboardを使えば合計の重さは487g+245gで732gとなり365gほどCombo Touchより軽くなり、DM250より120gほど重いだけになります。ただしキータッチは今一でペチペチという音がテーブルや机に意外に甲高く響きます。筆者が使った経験からCombo Touchのほうが格段に上となりますので、テキスト書きということでタイピング重視するなら個人的にはあまりおすすめはしません。
Chromebookの場合
自動更新ポリシーに注意
Chromebookで注意したいのがChrome OSの自動更新ポリシー (AUE) です。すなわちセキュリティ対策や不具合対策などでアップデートが提供される期限が機種ごとに決まっていますので注意が必要です。
https://support.google.com/chromebook/answer/9367166?hl=ja
この方法では実機をみないとわかりませんね。中古でもいいじゃんと中古で買ったのは良いけれど更新停止までの期間がえらく短い古い機種だったなんてのは洒落になりません。Googleがメーカー・モデル毎にまとめた一覧もあります。中には書いていない機種もあり全てを網羅しているわけではありません。
条件該当機種は2機種
価格.com(2023/02/04時点)で調べてみました。
メーカー | モデル | RAM/ROM | 発売 | AUE | 大きさ | 重さ | Amazon価格 | 価格.com最安値 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lenovo | IdeaPad Duet Amazon限定モデル | 4GB/64GB | 2028年6月 | 244.9×18.2×169.3mm | 920g | 27,800円 | 27,800円 | |
Lenovo | IdeaPad Duet | 4GB/128GB | 2020年6月 | 2028年6月 | 244.9×18.2×169.3mm | 920g | 29,790円 | 29,800円 |
ASUS | Chromebook Detachable CM3 (CM3000DVA-HT0019) | 4GB/64GBまたは128GB | 2021年3月 | 2028年6月 | 255.44×13.3×167.2mm | 915g(スタンドカバー込み) | 38,285円(64MB)、48.512円(128MB) | 44,200円(128GB) |
Lenovo | IdeaPad Duet 370 | 4GB/128GB | 2022年7月 | 258.06×17.54×172.51mm | 945g | 57,510円 |
こうして比べるとASUSのCM3かLenovoのIdeaPad Duet(128GB)の一騎打ちになります。どちらも重さはほとんど同じですが、同じ128GBにすると価格はCM3が2万円くらい高いのに対し、IdeaPad Duetはポメラ DM250のAmazon価格より1万円くらい安く買えます。
発売時期に1年9ヶ月ほどの違いがありますが、テキスト書きマシンとして見れば性能はほぼ同じでしょう。CM3の方がスタンドカバーがおしゃれで画面が少しだけ大きい。一方キックスタンドはIdeaPad Duetはディスプレイ部が水平近くまで倒れるのでお絵描きや膝の上の乗せてのタイピングにも適していますが、CM3の方は90度以上倒れませんのでそいした使い方は無理かかなり厳しいでしょう。
キーボードはCM3がヒンジ部分がVAIOと同じように開くと持ち上がるリフトアップヒンジになっているのでわずかに傾斜が付きます。VAIOのような構造ではなく薄いキーボードなので少々力を入れてタイプするとややキーがたわみますので少々気持ち悪いと感じました。どちらが良いかは好みですが、筆者はこのたわみはちょっと嫌だと感じました。
ChromebookですのでPCと同じように使うのは不可能ですが、オフラインでもGoogleドキュメントでテキスト書きができますし、2022年発売機種なのでAUE(自動更新の期限)も問題ありません。テキスト書き・執筆用であれば自宅や出先などでも問題ないでしょう。ポメラより画面が広く一覧性では優位にたてます。
Chromebookの弱点はPCやiPadのような多機能ではありませんが、テキスト書きにおいてはそれがいい方向に働いて、できることは程度限られているので執筆道具としては都合が良いくらいです。
ちなみに、Lenovo IdeaPad Duetは筆者も2021年に購入しておりまして以下の記事を書いております。テキスト書きという視点でのレビューではなく、PC代わりにどこまで使えるか的な内容になっておりますのでその点ご了承い願います。
テキスト書きならどちらを買っても全く後悔しないと思いますが、価格が安い(今だけ?)という点ではLenovo IdeaPad Duetでしょう。ただし終売になる可能性もありますのでお早めに。
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