サングラスの可視光透過率はどれくらいが適当なのか?運転時の法的制限は?

住まいと日常
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ギラギラと太陽が眩しい季節にはサングラスが不可欠です。メガネを常時着用している方でも、度付き調光レンズを入れたサングラスや、クリップオンサングラス、オーバーグラス、専用のサングラスを取り付けるデュアルタイプなどで眩しさを遮りましょう。

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紫外線透過率

消費者庁の家庭用品品質表示法のサングラスの項目を見てみましょう。

[消費者庁] 家庭用品品質表示法 <サングラス>

単に「サングラス」という場合は「屈折力がいかなる経線においてもマイナス0.125ディオプトリから0.125ディオプトリまでの範囲内」と記載されていますので、基本的に度が入っていない素通しのレンズでなければいけません。

紫外線透過率については「波長313nm及び365nmにおける透過率測定をそれぞれ行うこととなっているが、実際の表示において消費者にとってわかりやすい表示とするため、波長365nmにおける透過率を表示することが望ましい。」とありますが、一般のメガネ店で販売されているサングラスで波長まで記載されているものはみたことがありません。

「サングラス」である以上必ず「紫外線透過率」が表示されていなければなりません。

実際の商品品質表示はこのようになっていなければならないのですが、より商品特性をアピールするために透過率ではなくその逆のカット率で商品パンフレットやPOP、店頭の説明などが記載されている場合がほとんどです。

現在、常時かける視力矯正用メガネやサングラスは「紫外線カット率」という表現で「99%」「99%以上」というものがほとんどです。100%は無理にしても「波長365nm」の紫外線透過率は1%もしくはそれ以下ということになります。

紫外線は波長により3つに大別されています。

UV-C:<100〜280nm>:大気層に吸収され地表には到達しない。
UV-B:<280〜315nm>:ほとんどは大気層に吸収されるが一部は地表に到達し皮膚や眼に有害。日焼けや皮膚がんの原因になる。
UV-A:<315〜400nm>:UV-Bほど害はないが長時間浴びると健康への影響が懸念される。

気にした方が良いのはUV-BとUV-Aですね。

参考:気象庁 紫外線とは

参考:環境省 紫外線とは (PDF)

家庭用品品質表示法でいう「紫外線」が前述のとおり315nmを指すのであればUV-B〜UB-Aの境目あたり、365nmであればUV-Aのど真ん中ということになります。

いずれにせよ有害なことは間違いないので、品質表示の紫外線透過率は1%以下のものを買い求めましょう。

色が濃くて紫外線透過率が無記載もしくは高いものは論外で絶対つかってはいけません。理由:色が濃い=可視光透過率が小さい=暗く見える=瞳孔が開く=より多くの紫外線が網膜に届く=障害の原因になる可能性が高くなる。

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可視光透過率

こちらは眼に見える光なので、透過率が高いと眩しさを遮る力が小さく、可視光透過率0%だと完全に真っ暗闇になります。

紫外線透過率は異なり「見える・見えない」の問題で、路上(車両の運転や歩行)などの安全性に直結します。

こちらのほうはJIS規格に路上での使用に関しても定められています。

2018年の改訂で運転時はもとより路上歩行時における全てのメガネレンズに適用されるようになりましたので注意が必要でfす。

JIS T 7333:2018  屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法

この中の「6.3 路上の使用又は運転目的の眼鏡レンズの分光透過率に関する要求事項 」に記載があります。

・視感透過率が8%以下のレンズは運転用又は道路での使用を目的としない。
・昼間に路上及び運転に使用する眼鏡レンズの視感透過率τVは,設計基準点において8 %を超えていなければならない。
・視感透過率τVが75 %未満の眼鏡レンズは,薄暮又は夜間における路上及び運転に使用してはならない。
・信号等の色(赤、黄、緑、青)の相対視感度減衰率(Q値)は各々0.8、0.8、0.6。0.4以下でなくてはならない。

なんだかややこしい話なので平たく言うとこういうこと。

以下の条件にあてはまるメガネは車両運転(自転車含む)、歩行(ランニングも含む)には使ってはならない
・昼間は可視光透過率が8%以下のメガネはだめ。
・朝夕の薄暗い時や夜間においては可視光透過率75%未満はだめ。
・信号の色の識別が困難になるようなものはだめ。

2018年のJIS T7333の改訂で、それまでは運転時のみに適用された視感透過率(=可視光透過率)の規制が、路上歩行時における全てのメガネレンズに適用されるようになりました。

これを知らないメガネ店の店員に「歩く時は関係ないっすよ、運転する時だけ」といわれたら「2018年にJIS T7333が改訂されて、路上歩行時における全てのメガネに適用されるのだ」といってやってかまいません。公的に決められたJIS規格なのですから。

これに反したから罰則があるわけではないですが、万一事故になって上記に反するようなメガネをかけていた場合にそれが追求される可能性があります。「運転者は夜間にもかかわらず視感透過率50%の暗いメガネをかけてたことが、歩行者の早期発見を遅らせ結果として事故を引き起こした」とかなるかもしれません。

適切な可視光透過率

・日中の眩しさを防げるのは10〜30%(歩行時)。
・運転時は20〜30%程度が向いている(10%はっ暗すぎる)。
・70%以上の透過率では眩しさが防げないので、眩しさを防ぐサングラスとしていはあまり意味がない。
・夜間はサングラスはつけないか80%以上の透過率のものであること。

透過率はレンズの色によってことなります。

透過率が高い順番(明るく感じる順)でいくと、イエロー系>ブルー・ピンク系>ブラウン・グレー系となるといわれているようです。

ファッション要素を除けば、眩しさを除くのであればブラウンやグレー系から選ぶのが良さそうです。

筆者は運転しないので20%程度のグレーが好みです。ブラウンだと色の見え方が結構かわってしまうんですよね。

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調光レンズ

問題は調光レンズの可視光透過率で、これはもうバラバラで表示すらないところもあります。

色の濃さ(可視光透過の具合)は実際に晴れた日のお店の外で試してみるのが一番です。そういう意味で大きなショッピングセンターや駅ビルに多いJ!NSやZoffは難しいかもしれませんが、路面店(ロードサイト店)の多い眼鏡市場のほうが実際に目で感じて選ぶのは楽でしょう。

J!NS(JINS)

近くのショッピングセンターに行ったときにJINSの店員さんに確認しましたが「50%程度」ということでしたが本当か?

実際の個別のレンズをWebでみてみましたところ、記載がある製品とそうでないものがあります。

JINS&SUN NEW STANDARD Multi Occasion LRF-22S-010 では最も暗い時に25%程度のようです。

書いてないものも多いので表記の改善を望みたいです。

店頭で聞いても前述のありさま(お店によって違うかも)なので、そもそもちゃんとした製品情報として保持していない可能性もあります。そういう意味ではここでの調光レンズはお勧めできませんが、可視光透過率なので実際に店員さんに一緒に来てもらって屋外にでれば一発でわかりますけどね。

調光+累進(遠近)レンズはOK(店頭のみ)。

Zoff

全体での可視光透過率表示はないのですが、個別の商品についてはINDOOR/OUTDOORの2通りの濃さが表示されているものは10〜30%程度とおのおのXX%で記載があります。

調光+累進(遠近)レンズはグレーとブラウンのみ店頭でOK。

眼鏡市場

レンズ説明をみると「カラー濃度」というわかったようでわからない、可視光透過率との関係が明らかでないです。

商品によっては個別商品説明に記載があります。

ISG-M500PH / 3colors の場合は、「ネイビーマット:75%~30%、ブラック:75%~30%、グレー:80%~45%」と記載されています。

これが他のフレームに調光レンズとして入れた時と同じなのかどうかはわかりませんので、店頭で要確認です。

フォトクロミックレンズでカラー濃度は5〜75%、アクティブサンレンズ10〜85%というカラー濃度。仮にこれが可視光カット率だと仮定すれば、可視光透過率は各々95〜25%、90〜15%ということになりますが、感覚的に妥当なところだと感じます。

調光+累進(遠近)レンズはOK(店頭のみ)。

<参考記事>
メガネ常時着用者の最良の選択肢は、調光度入りサングラス。J!NS、Zoff、眼鏡市場で机上比較してみよう

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