1月25日の記事「Garminの fenix 7 Proシリーズとepix Pro シリーズで悩む (2024年1月時点)」でこの2機種を机上比較してみました。ディスプレイの種類とソーラー充電の有無以外は同じ仕様のこの2機種は本当に罪な存在で、迷いに迷いますね。未だに迷って買えない人もいらっしゃるのではないでしょうか?今回epix Pro 51mmを買いましたので実機比較しましょう。
この記事で使用しているfenix 7X Proとepix Pro (Gen2) 51mmは自腹購入したもので、メーカーや販売店などから提供を受けたものではありません。
記事中でfenixとepixが逆になっている部分がありましたので訂正しました(2024/02/26)
バッテリーについての記載を追加しました(2024/02/26)
fenixとepixと…おまけにtactix
どちらもGARMINウォッチのフラグシップモデルであり両者のスペックは、ディスプレイの違いとソーラー充電有無の違いがあるだけでそれ以外は全く同じものです。
フラグシップモデルだけあって、ランニングを中心としたForerunner、ゴルフを中心としたApproachの機能はほぼ全てカバーしており、Descentのダイビングコンピューター機能、MARQ Aviatorの航空機能、MARQ Captainの航海機能以外は全部有り有りのモデルです。
ライフログモデルより高くなりますが、迷ったらfenixかepixを買えば機能で不足して後悔することはまずないでしょう。
ベゼルとリアカバーはチタン製で、ガラスはサファイアガラスという現状民生用ウォッチで望みうるなかで最高に近いタフ素材を使用しています。
Garminの fenix 7 Proシリーズとepix Pro シリーズで悩む (2024年1月時点)
実はepix Pro (Gen2) 51mmの兄貴分でタクティカル機能を充実させたtactix 7 AMOLEDというモデルがあります。値段は+55,000円となります。機能ではAviation機能が追加されており、小型機パイロット氏には有効「かも」しれません。筆者はパイロットではないので全然関係ないですが。他にもタクティカルな機能としてナイトビジョンモード、ステルスモード、キルスイッチといった機能がありますが、まず必要がない機能です。
価格がさほど変わらないならtactix 7 AMOLEDもありですが、+55,000円出してまで買うメリットは普通の人にはないと思います。
fenixとepix違いは2つ
簡単に言うならば同じサイズ(51mm, 47mm, 42mm)であれば違いは2つ。すなわちディスプレイの違いとソーラー充電有無の違いだけです。
ディスプレイ
- epixのディスプレイ
epixはAMOLED(有機EL)で自ら発光する色鮮やか、室内や暗いところでは非常に美しい。明るい屋外はやや苦手なのはスマホと同じ。常時表示すると電池消耗は激しくなります。スマホと同じディスプレイと思えば良く、ボタン操作か画面タッチ、手首を返すジェスチャーでデフォルトでは8秒間点灯します。 - fenixのディスプレイ
fenixはMIP(Memory In Pixel)液晶で解像度はAMOLEDの半分程度(1ドットがでかい)で半透過であり色数も少ない・自ら光らないため室内や暗いところではバックライトがないとほとんど見えないが、明るい屋外ではバックライトがなくても非常にクリアにはっきり見える。表示を維持するのにほとんど電池を消費しないので常時表示のみとなる。
すなわち、屋外での視認性はfenix、表示の綺麗さはepix、電池をくわない常時表示はfenixです。
シンプルなフェイスではあまり差を感じませんが、精細表示が必要なフェイス、色鮮やかなフェイスなどはfenixでは使えない(インストールできない)ものもあります。
フェイスの選択肢が多いのは間違いなくepix。
ソーラー充電
fenixにはソーラー充電があります。
InstinctのDual Powerシリーズ同様ベゼル内側にソーラーバッテリー、そしてfenixではサファイアガラスに透明なソーラーバッテリーのデュアルパワーですが、Instinct 2X Dual Powerのように適切な光があれば無限駆動…ではなく、多少駆動日数が伸びる程度です。
半袖で過ごす時期以外は時計は衣服の袖に隠れてしまうことが多いので、ソーラー充電の効果はあまり期待できませんので注意してください。
実機比較
写真や動画ではどうしても実物とは違ってしまいますので、あくまで参考程度と考えていただき、実物は店頭で比較しないと感覚がつけません。
以下の比較写真は夜の室内照明での撮影で、ディスプレイの明るさはどちらも全点灯の2/3(デフォルト)に設定しています。
撮影はOLYMPUS E-M1 MK2で行い露出はマニュアル露出として固定し、表示の明るさの影響をうけないようにしています。
ディスプレイ点灯時のepix(左)とfenix(右)。明るさはどれもデフォルトである全点灯の2/3です。
ディスプレイ消灯時のepix(左)とfenix(右)。常時表示しかできないMIP液晶のfenixは表示は暗くなりますが、表示内容は肉眼でも問題なく認識できます。AMOLEDのepixは真っ暗で全く何も表示されていません。
epixのAMOLEDを常時オンにした場合の、タイムアウト後表示が暗くなった状態。すなわちepixで腕に装着している場合でタイムアウト後暗めの常時表示なった時です。epixは常時表示可能ですが、腕に装着していない場合でタイムアウトがくると暗い表示ではなく真っ暗になります。
面白いのは、夜の室内照明にもとではMIP液晶でタイムアウト後のバックライトがないときのfenixの表示の明るさと、常時表示ONでタイムアウト後で暗くなったepixの表示とはほぼ同じ明るさになるということです。
使えるフェイスはepixが多い
ディスプレイの解像度の違いと表示可能色数の違いから、epixで使えるフェイスでもfenixでは使えないものも結構多くあります。特に色を多く使ったものはfenixでは使えないことが多いです。
慣れてしまうとあまり意味がないですが、フェイスをとっかひっかえしてみる楽しみは間違いなくepixのほうが大きいでしょう。
epixはフェイスの種類も多くどのフェイスでも鮮やかに表示されますが、fenixではやはりMIP液晶の宿命で鮮やかさに欠けるのは間違いなく、緑と青の区別がつきにくかったりして、上の写真にもあるように相当差があるのは間違いありません。
バッテリー消費
Battery Graphアプリで検証中ですのでまだちゃんと結論が出せませんが、現時点ではこんな感じです。
・通常時の明るさはどちらも全点灯の2/3
・ジェスチャでの表示はオン
・epixはアクティビティ中常時点灯、それ以外は常時点灯オフ
・通知は30〜50回/日程度
・週に4回2時間ほどジムトレーニングし、45分のトレッドミルと筋トレ(フリー)のトラッキング。インドアなのでGPSは不使用
・週に数度程度は15〜30分程度のウォーキングのトラッキング(GPSオン)
・心拍モニターは終日ON
・毎朝のアラームを1回セット
・どちらも睡眠中のタッチパネルとジェスチャはオフ
まだepixを使い始め間もないので確定的なことはいえないのですが…。
・fenixとepixともに平均すると1日(24時間)当たり6%程度の消費
・上記のうち睡眠中(23時半〜6時)はどちらも2%程度、すなわち睡眠以外では4%程度
epixで常時表示をオフにしている限りは上記のような使い方であれば、fenixは間違いなく2週間持ちますし、epixも同程度です。常に筆者がいうように大体メーカー公表値の半分です。
バッテリー寿命評価については、ぜひApple Watchのそれを真似していただきたい。Apple Watchは測定条件がかなり細かく記載されていて、大抵の場合はメーカー公表値より長持ちする。しかしGARMINでは話半分になってしまうので、もう少し現実的な値を公表していただきたい。メーカー公表値より長持ちして文句をいう人はあまりいないと思います。
まとめ
fenixとepix、一方的にどちらかかが優位であると決めるのは不可能である。
ソーラー充電の有無は事実上あまり問題にはならない。なぜならば袖口で時計が隠れることが多く、十分ソーラー充電できるチャンスは少ないから。
常時表示で駆動日数が長いのはfenixであるが、epixで常時表示をオフにするとepixのほうが駆動日数がやや長いようだ。
表示の鮮やかさと表現可能な色数の差は機能にはほとんど関係ないが、見た目には決定的に違う。しかしそれは両方を並べるからであり、fenixだからといってみづらいといったことはない。
屋外で無条件に見やすくなるのは間違いなくfenix。
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